2020年 取組状況

方針1 運用資産の公平かつ最善の利益に向けた業務運営

◆スチュワードシップ・コード:

当社は2014年8月25日付で日本版スチュワードシップ・コードを受け入れており、改訂日本版スチュワードシップ・コードについては、2017年11月30日付で全ての原則についての受け入れを表明し、当社の行動方針を公表しています。尚、改訂版日本版スチュワードシップ・コードの受け入れに伴い、議決権行使結果の個別開示を行っています。
スチュワードシップ・コード
議決権行使結果の個別開示
※当社グループ(DWS)がサービスを受けている議決権行使助言会社が運営している英語サイトになります。

◆ESG/サステナビリティ投資への取組み:

DWSは広範なESG/サステナビリティ投資の商品・サービスを提供しており、投資家が持続可能な未来に貢献する手段を提供することに尽力しています。グローバルな投資の専門性とESG/サステナビリティ投資の取組みを融合させることに注力した結果、2019年末のESG/サステナビリティ関連の運用資産残高は、ESG/サステナビリティ戦略が約700億ユーロ(約8.5兆円)、ESGインテグレーションが約4500億ユーロ(約54.9兆円)に達しました。PRI(責任投資原則)の署名機関としては、2019年のPRIアセスメント・レポートにおける総合評価(戦略およびガバナンス)は最高評価であるA+を維持しました。責任投資チーフ・インベストメント・オフィサーの下で、責任投資センターが調整役となり、ESGテーマ別リサーチ、コーポレート・ガバナンス・センター(議決権行使およびエンゲージメントを担当)、ESGエンジン&ソリューション(ESGデータを統合した運用プラットフォームを開発)が専門性を発揮しながら、アクティブ、パッシブ、オルタナティブを網羅する責任投資を推進しています。詳細につきましては、以下のDWSグループサイト(英語版)をご参照ください。
DWSグループサイト(英語版)1
DWSグループサイト(英語版)2

◆AIとESG投資の融合:

2019年7月、DWSはアラベスクS-Ray社の株式を一部取得したことを発表しました。フランクフルトを拠点とする同社は、世界の上場会社7,000社以上について、200を超えるESG評価項目と30,000以上のデータソースの情報を機械学習などのAI手法を用いて自動集計したESGスコアを提供しています。DWSはこれらのESG情報を「ESGエンジン」に取込むことによって、顧客ニーズに合った運用ソリューションの提供能力の強化を期待しています。また、両者はESG投資に限らないAI分野での提携について協議しています。詳細につきましては、以下のDWSグループサイト(英語版)をご参照ください。
DWSグループサイト(英語版)1
DWSグループサイト(英語版)2

◆「DWS Sustainability Report 2019」の発行:

2020年3月、DWSは「DWSサステナビリティ・レポート2019」を発行しました。同レポートでは、上場企業として7つのKPI(評価指標)を含むサステナビリィティ推進のための取組み、国際規範の遵守に関する自己評価などを紹介しました。また、資産運用会社として、ESG関連のイベント(PRI in Person等)や業界団体への開催・参加、議決権行使およびエンゲージメントの実施、ESGインテグレーションの推進、ESG/サステナビリティ投資に関する商品・サービスの開発・提供について報告しました。また、2019年末時点でのESG/サステナビリティ関連の運用資産残高(ESG/サステナビリティ戦略が約700億ユーロ(約8.5兆円)、ESGインテグレーションが約4500億ユーロ(約54.9兆円))およびその内訳を記載しています。詳細につきましては、以下のDWSグループサイト(英語版)をご参照ください。
DWSグループサイト(英語版)


方針2 ガバナンスおよび研修体制等

◆社内・社外研修制度:

職員の更なる能力向上を目的として、DWSでは、プロダクト・トレーニングや運用関係者向けトレーニングなど、国内外における研修への参加機会を設けています。これらの研修により、テクニカルスキルや運用知識の更なる向上を目指しております。また国内のドイツ銀行グループにおいても、必要知識の習得・向上ができる機会を随時提供しており、各種ソフトスキルやリーダーシップ・トレーニングを通じて、職員の問題解決能力・対人関係能力等の向上を促しています。尚、運用部門以外の職員に対しても業務上不可欠な金融知識や法令諸規則に関する各種研修を提供すると共に、当社が提供する金融商品に関する自主的な勉強会やセミナーを継続的に実施しています。

◆ダイバーシティを尊重した採用:

多様化する資産運用ニーズに応える人材育成を行うため、当社ではダイバーシティを尊重した採用の一環として定期的に新卒採用を行うことで、性別だけでなく世代間のダイバーシティを推進しております。


方針3 利益相反管理

◆スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反:

当社は、利益相反の有無に十分留意するとともに顧客及び受益者の利益を第一に考え、行動しております。顧客・受益者の利益の確保や利益相反防止のために、議決権行使や対話に重要な影響を及ぼす利益相反が生じ得る主な局面を特定のうえ、議決権行使に関する基本方針を定め公表しています。また、議決権行使の指針を予め設けるとともに、同指針に則さない議決権行使については、運用リスクにかかる当社会議体に付議しています。

◆利益相反のモニタリング:

当社では、営業部門からの独立性を保証されたコンプライアンス統括部が、利益相反のおそれのある取引の特定及び利益相反管理に関する全体的な管理体制を統括しており、当社利益相反管理方針の概要を、以下のサイト上で継続的に開示しております。尚、2019年4月~2020年3月末迄の間、この方針に則り、適切に管理されている事を確認しております。
利益相反管理方針の概要


方針4 資産運用ソリューションに資する商品の提供

◆長期的な資産形成に資する多様な商品のご提供:

DWSは、「貯蓄から資産形成へ」の流れを加速させるためにも、投資家の皆様の個々のリスク許容度や投資目的に合った長期的な資産形成に資する商品をご提供すべく、多様な投資手段の提供に日々努めています。特に、近年注目されているETF(上場投資信託)、オルタナティブ、ESGの各商品については、グローバルでも大変にご評価を頂いており、日本においても投資家の皆様のご投資をサポートすべく、各商品に専任担当者を置くなど、体制の強化を図っております。尚、当社がご提供している投資信託等の金融商品の詳細につきましては、以下のサイトをご参照ください。
基準価額一覧
適格機関投資家(金融機関)様向けETFのご紹介


方針5 分かりやすい情報提供

◆CIOによる定期的な市場展望の発信:

DWS グローバル・チーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)が統括するチーフ・インベストメント・オフィスは、長期的視野に基づくマクロ経済見通しや投資戦略について、定期的にレポートや動画で詳しくご紹介しています。株式及び債券運用チームが綿密な分析を基に得た情報に、マルチアセットの観点を加え、さらにエコノミストのマクロ経済見通しを集結させ策定しており、運用実務を担っている運用者の見解を統合したものである点が特徴です。また、英語での情報提供になりますが、CIOによるツイッターでのつぶやきについても、以下のCIOビューサイトからご覧頂けます。
CIOビューサイト

◆ESG投資への取組み状況発信サイト:

当社では、DWSにおけるESGの概況を纏めた日本語によるサイトを2018年10月にリリースしました。又、日本独自の取り組みとしては、当社の投資戦略部によるESGの基本情報から今後の展望までを纏めたレポートや海外のESG関連レポートを掲載し、DWSグループサイト(英語版)では初歩的なものから専門的なものまで、充実したESG関連情報(レポート、動画等)を発信しています。2019年4月~2020年3月までに、3本のDWS ESG関連レポートとESG関連動画を1本リリースしています。
日本語サイト
DWSグループサイト(英語版)

◆オルタナティブ調査部による定期的な情報提供:

当社のオルタナティブ調査部では、オルタナティブ資産(主として不動産)について、国内市場、アジア市場、欧米市場のレポートを定期的に発行しています。又、業界セミナーや講演、勉強会、雑誌への寄稿、メディア・インタビューなども多数行っております。尚、当社オルタナティブ調査部長は2019年7月に4回目となるメディア向けセミナーにおいて講演し、2019年12月には当社が金融機関のお客様向けに開催した「DWSセミナー」の中で不動産市場について講演も行いました。市場が混乱する中でのタイムリーな情報発信を目指し、2020年3月には「新型コロナウィルス:グローバル不動産市場への影響」をテーマにレポートを発行しました。
不動産リサーチレポートサイト

◆ファンドの運用状況や投資環境等、投資判断に影響を及ぼす可能性のある情報等を投資家の皆様に幅広く提供:

当社クライアント・サービス部では、投資判断に影響を及ぼす可能性のある情報等をまとめ、適宜レポートを発行しています。
レポートには主に当社が運用するファンドのパフォーマンスや運用状況等をまとめた『ファンドに紐付けた形式でのレポート』と、各国・地域のマクロ環境や金融政策、また市場の特徴等を『ファンドに紐付けない形式のレポート』の2種類があります。
『ファンドに紐付けた形式のレポート』については、DWS グローバル公益債券ファンドやDWS ユーロ・ハイ・イールド債券ファンド等、当社旗艦ファンドを中心に、パフォーマンスや運用状況、今後の見通し等をご説明する内容となっています。
また、『ファンドに紐付けない形式のレポート』については、欧州の資産運用会社としてヨーロッパに関する情報の発信に注力するほか、ロシアやブラジル等といった投資家の皆様が情報収集しにくい国・地域の投資環境等をまとめた内容となっています。特に、ヨーロッパに関する情報発信という点では、「なるほど!ヨーロッパ」というサイトを立ち上げ、「EU(欧州連合)」や通貨ユーロの知っているようで知らない豆知識や、ポートフォリオ・マネジャーのドイツ滞在記などを通じて、欧州への投資をより身近に感じて頂けるよう尽力しています。
なお、いずれの種類のレポートについても、「正確性」はもちろんのこと、「読み易さ・分かり易さ」を旨とし、幅広い投資家層の資産形成ニーズを捉えるよう、心がけています。これらのレポートは販売会社にメールで配信するほか、以下のウェブサイトに掲載しています。
すべてのレポート


方針6 勧誘における適合性

◆商品開発と適合性確認:

当社では商品開発の際に関連部署が集まり、商品概要や運用戦略、ファンドの仕組み、業務や管理体制等に関する十分な協議を行ないます。また商品及び顧客の適合性についても包括的に検証し、投資家の皆様の長期的な資産形成に役立つような商品の開発を目指しております。商品の設定後も定期的に見直しを行ない、運用資産規模の観点で運用の継続が困難であるなどの事情により、投資家保護のために必要と考えられる場合には、商品性の一部変更や繰上償還等の対応を検討します。


方針7 方針の見直しと取組状況の公表

◆顧客本位の業務運営に係る成果指標(KPI):

社長主催の定期的レビューを通し、方針に対する取組状況やKPIに挙げた項目の検証を行なった結果、当社では、以下2項目を2020年のKPIに設定いたしました。尚、当該KPIは定期的レビューを通して、随時見直しを行います。
1.分かりやすい情報提供資料等作成件数
●ESG関連レポート: DWSは、顧客第一主義を掲げる資産運用会社として、グローバル投資の専門性と各地域及びグローバルでの責任投資への取り組みを融合させることに注力しています。DWSのESG投資への取組みについて、ウェブサイトにて詳しくご紹介しています。
2019年4月〜2020年3月までに、3本のDWS ESG関連レポートとESG関連動画を1本リリースしました。

●DWS リサーチレポート「国内不動産マーケットレポート」:当社では、投資家の皆様向け情報提供を目的に「国内不動産マーケットレポート」を発行しています。当レポートでは、当社のオルタナティブ調査部による綿密な調査に基づき、主に経済・金融・投資家動向(マクロ経済情勢/不動産投資市場・価格/J-REIT)や、国内不動産ファンダメンタルズ(オフィス/商業施設/住宅/物流施設)について詳しく解説しています。2019年10月に英語版・日本語版を発行しました。次号は2020年5月上旬に発行予定です。
国内不動産マーケットレポート

●ファンドの運用状況や投資環境等、投資判断に影響を及ぼす可能性のある情報:当社クライアント・サービス部では、投資判断に影響を及ぼす可能性のある情報等をまとめ、適宜レポートを発行しています。2019年4月~2020年3月までに、117本のレポートを配信いたしました。

2.セミナーやメディアを通じた啓蒙活動
●セミナーを通じた啓蒙活動:2019年4月~2020年3月までに、資産運用の考え方やファンドの評価方法などの投資啓蒙を行うため、販売会社を通じた投資家向けセミナー(自社商品の紹介を含まないもの)2件を実施しました。

●メディアを通じた啓蒙活動: 投資家の資産形成に資する情報発信を幅広く行うことを目指し、2019年4月~2020年3月までにメディア関係者に向けた講演やセミナーを6件実施しました。自社商品の紹介を含まない取材や寄稿にも積極的に対応し、掲載記事の一部を以下の当社ウェブサイトでご紹介しています。
メディア掲載

◆取組状況及びKPIの定期的レビュー:

当社では年に2度(3月末、9月末)、社長が中心となって方針に対する取組状況やKPIに挙げた項目の検証を行い、その結果を経営委員会へ報告することで、顧客本位の業務運営の確立を目指します。尚、当社ウェブサイトへの公表は、引き続き年に一度行ってまいります。


※DWSについて
DWSとは、DWSグループGmbH&Co.KGaA及びその子会社・関連会社の世界共通ブランドであり、DWSグループ会社の総称です。1956年にドイツにおいてアクティブの資産運用会社として設立された「DWS」は、その運用の専門性をパッシブやオルタナティブを含む多様な資産クラスに広げ、現在は資産運用業界における最も認知度の高いブランドの一つとなっています。
※2018年3月、ドイチェ・アセット・マネジメントは、欧州、特にドイツにおいて広く認知されている「DWS」を世界共通ブランドとして採用しました。

以上

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