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2016年12月26日

ロシアで活躍する外国人―日本人を中心に

スケートの場合

フィギュアスケート・ペアの川口悠子選手をご存知であろうか。ロシアで活躍する日本出身のスケーターとして2014年のソチオリンピックの際に注目を集め、メダルの獲得も期待された。ところが、ペアを組むロシア人選手のけがにより結局出場できず、その後、話題に上ることは少なくなった。30歳を過ぎる大ベテランであるが、引退はせずに2018年の平昌オリンピックを目指しているようだ。彼女は日本生まれの日本育ちであるが、日本国籍を捨てロシア国籍を取得した。ロシアでは人気があるのに、日本ではペアやアイスダンスの注目度が低く、川口選手の活躍が目立たないところが残念である。

ソチオリンピックで活躍が目立ったロシア人といえば、ビクトル・アン選手である。ショートトラックで3つの金メダルと1つの銅メダルを獲得した。2006年トリノオリンピックでは、100メートル、1,500メートル、5,000メートルリレーで3つの金メダルを獲得したが、当時の名前は安賢洙(アン・ヒョンス)。韓国代表のスーパースターであった。その後ロシア国籍を取得し、ソチ後はコーチの道を歩んでいる。

2人のロシア国籍取得のいきさつは長い話で割愛するが、ロシア政府がメダル欲しさにアプローチしたわけではない。母国の事情に鑑み、本人の意思でそうしたということのようである。

 

サッカーの場合

ロシアで活躍した最も有名な日本人は本田圭佑選手であろう。ロシア・プレミアリーグのCSKAモスクワの中心選手として大活躍し、ヨーロッパ全体に名を馳せた。それが、その後のイタリアのACミランへの移籍につながった。日本代表として活躍した巻誠一郎選手、松井大輔選手なども大きな実績は残せなかったが、ロシアのクラブに所属したことがある。ロシア・プレミアリーグの育成チームなどにも若手の日本人がいるので、2018年のロシアのワールドカップまでに活躍するようになればおもしろい。

 

芸術家の場合

芸術で活躍した日本人としては、バレエダンサーの岩田守弘氏をあげるべきであろう。ボリショイ劇場で外国人初のソロを務め、高い評価を得てきた。ロシアでバレエ、しかも世界最高峰のボリショイ劇場で活躍といえば、偉業ともいえる快挙である。

音楽では、女性指揮者の西本智実氏を忘れてはならない。チャイコフスキー記念財団・ロシア交響楽団の芸術監督を務めたほか、ロシアの様々な交響楽団を指揮し、それらの活動をステップに世界で活躍している。

 

外国人は特別視されないロシアの環境

ロシアは多民族国家であり、ドイツから迎えた皇帝の妃エカテリーナ2世が君臨し、ジョージア出身のスターリンがソ連の最高権力者になった歴史をもつ。日本人にとっては馴染むのが難しい国という印象があるかもしれないが、民族は関係なく、能力のある人にとって活躍の場は得やすく、懐は意外に深い。芸術、スポーツ大国でもあり、日本からも多くの分野で留学生が勉強している。ロシアで活躍する日本人が今後さらに増えることを期待したい。

執筆者:
一般社団法人ロシアNIS貿易会・
ロシアNIS経済研究所

副所長  高橋 浩

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