このページを評価する

2017年4月18日

足元のロシア株式の状況

【原油価格との乖離が目立つロシア株式市場】

ロシア株式市場は通常、主要輸出品目である原油価格に連動した動きをする傾向にありますが、足元ではその関係性が崩れ軟調な値動きが続いています。ロシアの代表的株価指数であるMICEX指数(ルーブル建)は原油価格の上昇に加え、米国でトランプ政権が誕生しロシアに対する経済制裁解除の機運が高まったこと等から2016年には約27%上昇しましたが、2017年年初来で見ると約14%下落しています(2017年4月14日時点)。

【地政学リスクの高まりがロシア株安、原油高を引き起こす】

2017年に入りMICEX指数が下落した背景には大きく2つの理由があります。1点目は米トランプ政権の国家安全保障担当の大統領補佐官であったフリン氏がロシアに対する経済制裁を巡る疑惑で辞任に追いやられたことです。その結果、米国の対ロシア経済制裁解除に対する期待が剥落し、トランプ相場の波に乗って上昇していたロシア株は大きく下落しました。

2点目が地政学リスクの高まりです。主に中東情勢の不安定化等を受け、足元原油価格は1バレル=53米ドルを上回る水準まで上昇しています。これは通常であればロシア株式市場においては追い風となることです。しかしシリア北部でアサド政権軍によるものと見られる空爆を巡り化学兵器の使用が疑われていることから、米露関係への懸念が強まったこと等から足元ロシア株式市場と原油価格の動きには大きな隔たりが生じています。

【ロシアの内需は堅調】

一方で、ロシアのGDP(国内総生産)成長率は2016年10-12月期に8四半期ぶりにプラス成長に転じました。原油価格の持ち直し等を支えに今後も回復基調を辿ることが見込まれています。

金融政策ではロシア中央銀行が3月に市場予想に反して政策金利を引き下げ、さらに年内の追加利下げを示唆するとともに、予想以上の回復ペースが見られることを理由に2017年のGDP成長率見通しを引き上げました。

格付会社の動向を見ると、S&Pグローバル・レーティング(S&P)がロシア経済の回復を理由に同国のソブリン債と石油・天然ガス関連の国営企業を含む大手13社の格付け見通しを「ポジティブ」に引き上げる等、国外からの評価も改善傾向にあります。

【今後の見通し】

欧米とロシアの関係が改善し経済制裁が早期に解除されるとの期待感は既に低下していましたが、シリアへの攻撃を機に一段と可能性が遠のいたことは否めません。地政学的な問題の先行きは流動的で不透明ですが、外交努力等を通じて緊張が和らぎ、ロシアを取り巻くファンダメンタルズに焦点が当たれば既に悪材料を織り込んだ株価が反発に向かうことも期待されます。

「過去のレポートはこちら

Copyright © ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第359号
加入協会 日本証券業協会・一般社団法人投資信託協会・一般社団法人日本投資顧問業協会
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
【当社を装った詐欺的行為にご注意ください。】