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2017年3月27日

ロシア中銀、政策金利を9.75%に引き下げ

■ロシア中央銀行は、据え置きとの市場予想に反して政策金利を10.00%から9.75%に引き下げました。
■通貨ルーブルはロシアの主要輸出品目である原油の価格が弱含んでいる中でも、生産活動の持ち直し等を背景とした良好な景気見通しや米国が利上げペースを加速するとの懸念の後退等から比較的底堅い動きとなっています。
■政府高官が急激なルーブル高をけん制する動きや米国の金融政策動向、また原油価格動向等は注意が必要である一方、ロシアの景気回復期待や相対的に高い利回りを求める投資家の需要が引き続きルーブルのサポート材料となることが見込まれます。

【市場予想に反し利下げ】

ロシア中央銀行(中銀)は2017年3月24日、約6か月ぶりに政策金利を引き下げ、10.00%から9.75%とすることを決定しました。中銀は2015年1月に17.00%から15.00%に利下げしてから、国内経済とインフレの状況を考慮し断続的に利下げを行っていますが、今回の利下げ幅は0.25%と利下げサイクル入りしてから最も小幅となりました。中銀は前回会合の声明文で、内外の情勢を踏まえると2017年上半期の利下げ余地は低下したと述べていたことから、市場予想では政策金利を据え置くとの見方が優勢になっていました。

今回の決定について声明文では、3月1日から20日までのインフレ率は前年比4.3%と予想以上に鈍化がみられたとしています。一方、以前よりもインフレリスクはやや後退したものの未だ高い水準にあるとしており、非常に慎重にかつ円滑に金融政策を実施していくことが示されました。また、経済状況について回復ペースは予想以上との見解を示し、2017年の国内総生産(GDP)伸び率予想を+1.0%~+1.5%(想定原油価格50米ドル)と以前の+0.5%~+1.0%(想定原油価格40米ドル)から引き上げました。

3月24日の為替市場では、予想外の利下げを受けて通貨ルーブルは小幅上昇で反応しました。国内景気に配慮する姿勢を示す一方で、利下げ幅が小幅だったことから当面高い金利水準は維持されるとの見方が広まったことが、ルーブルを押し上げる材料となった模様です。


出所:Bloombergのデータを基にドイチェ・アセット・マネジメント㈱が作成
※データは記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。

【今後の見通し】

金融政策については、声明文では、適度な引き締め策を維持することで、インフレ率は2017年末に政府目標値である4.0%を達成し、その後も同程度で推移するとの見方を示していることから、引き続き緩やかなペースで利下げを実施していくと見込まれます。なお、中銀は、第2四半期から第3四半期での追加利下げの可能性を示唆しています。

ルーブルについては対米ドル、対円ともに2017年初来で堅調な推移が続いています。原油価格の足元の動向は市場の重石となっているものの、ロシアの景気回復期待や、S&Pグローバル・レーティングが信用格付見通しをポジティブに引き上げ、将来的に投機的等級から投資適格級への格上げ期待が高まったこと、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて米国の利上げペース加速懸念が後退したことも、ルーブルの上昇要因となっています。こうした要因に加えて、高い利回りを求める投資家の需要が引き続きルーブルのサポート材料となることが見込まれます。

一方で、オレシュキン経済発展相がルーブルは過大評価されていると述べる等政府高官からのルーブル高をけん制する発言や、今後の米国の金融政策動向、原油価格動向等が市場の変動性を高める可能性がある点には注意が必要です。

債券市場では、利下げ継続期待や、中銀の想定以上のペースでのインフレ低下を受けて、国債市場、社債市場ともに堅調な推移が続いています。ロシア債券市場は相対的に高い利回り水準を維持しており、今後も投資家からの需要に市場は下支えされると予想されます。

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