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2017年3月22日

S&Pがロシアの格付見通しを引き上げ

【S&Pが格付見通しを引き上げ】

S&Pグローバル・レーティング(以下「S&P」)は3月17日、ロシアの格付見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げました。

S&Pはロシアの国内総生産(GDP)の前年比の伸びが、2017年~2020年平均で約1.7%と予想し、また、資本流出リスクの低下が見込まれる中、その結果として外圧を和らげることにもつながると予想しています。ただし、原油価格が依然低い水準にあること、ロシア自身の構造的な問題、欧米諸国による経済制裁が、引き続きGDPの更なる上昇の壁となっているとも述べています。

今後については、現状の対外純資産額が維持できること、政府債務を相対的に低い水準に抑えられること、また足元の原油価格水準にロシア経済が適応できる状況が続くこと等が実現できれば投資適格級へ格付が引き上げられる可能性もあると示唆しました。

ロシアのオレシュキン経済発展相は、2017年内に投資適格級に格付が引き上げられるには構造改革計画の仕上げと改革実行開始が条件になるとしています。

S&Pはウクライナ問題を背景とした欧米諸国による経済制裁や原油価格の急落等を背景に金融政策の柔軟性が低下し、経済成長見通しが悪化したことを指摘、2015年1月に外貨建て長期債格付を投機的水準である「BB+」に引き下げるとともに格付見通しを「ネガティブ」としました。その後、2016年9月にはロシアの底入れしつつある経済状況等を鑑み、見通しを「安定的」に引き上げていました。

【ロシアの対応】

今後のロシア経済を後押しする要因の1つに「輸入代替政策」が挙げられます。2014年以降に通貨ルーブルが大幅下落したことでロシアの輸入物価は急騰し、この状況に対応するために、政府は一部の産業において輸入と外国企業による役務・サービス等を一部制限し、自国の産業の育成と生産振興に力を注ぎ、自国内での生産にシフトする輸入代替政策を進めています。

2016年の品目別生産の伸びについて、ロシア中央銀行は革製品や木材、食品等の伸びは輸入代替による効果であるとし、この政策はロシアの自律的成長を促し、今後も経済成長においてプラス要因となると見ています。

また、ロシアの主要輸出品目である原油価格の下落を受けて、歳入が減少しロシアの財政が逼迫すると懸念されていましたが、ロシアは財政健全化に対し強い姿勢を示しています。ロシア政府は2016年には各省庁の歳出を10%削減することを決定するとともに、歳入増を目的として一部国営企業の株式売却等を示唆、実際に2016年には国営エネルギー会社のロスネフチの株式を海外企業に一部売却しています。

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