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2017年2月27日

ロシア株式市場の足元の状況と今後の見通し

【ロシア株式市場は大幅に上昇】

ロシア株式市場は、原油価格の大幅な反発や国内景気の改善期待が高まったことに加え、米国のトランプ大統領の誕生も追い風となり、大幅に上昇しています。
当社では引き続きロシア株式市場を強気に見ています。

【図表】MICEX指数(ルーブル建)の推移

<当社がロシア株式市場を強気に見ている背景>

①国内景気の改善期待
②強固な経済への転換
③原油価格の安定
④中央銀行の緩和期待
⑤ロシア株式市場のバリエーション
⑥米国との関係改善期待

【①国内景気の改善期待】

景気回復の兆しは国内の経済指標にも現れています。先行指標であるPMI(購買担当者景気指数)は製造業が2016年8月以降、サービス業が2016年2月以降いずれも景気判断の節目となる50を上回っており、改善傾向が続いていることがわかります。また、家計のデレバレッジ(負債圧縮)が大幅に進んでおり、低迷が続いていた消費は賃金の上昇やインフレ率・金利の低下を背景に今後回復に向かうことが期待されます。

欧米諸国による経済制裁や原油価格の大幅な下落を受けて、約2年に渡り景気低迷が続いていたロシア経済ですが、原油価格が現在の価格水準で推移すれば、2017年にはロシアの実質GDP(国内総生産)成長率は国際通貨基金(IMF)の見通し(2017年1月時点予測+1.1%)を上回る2%近いプラス成長へ回帰すると当社は見ています。

【図表】PMI(製造業、サービス業)の推移

【②強固な経済への転換】

原油や天然ガス等のエネルギー資源がロシアの主な収益源泉であることに変わりはありませんが、ロシア政府はより経済基盤を強固なものとするため、現在様々な対策を講じています。

ロシア政府は原油の想定価格を1バレル=40米ドルに設定し、かなり慎重な財政運営を行うことで、2020年までに財政均衡の実現を目指しています。

また、過去約1,000行あった国内銀行の約半分を閉鎖する等、より強固な金融システム構築に向けた動きも進めています。

ロシアは経常黒字国であり、短期対外債務に対する外貨準備高も相対的に高水準を維持しており、新興国の中では元々外的なショックに強いという特徴があります。

米当局による利上げ観測が高まると、通常新興国市場からの資金流出懸念が浮上しますが、ロシアについてはその影響を相対的に受けにくい国であると言えます。

【図表】BRICs各国の対外債務(対GDP比)

【③原油価格の安定】

2016年12月にOPEC(石油輸出国機構)加盟国および非加盟国が協調減産に合意したこと等を受けて、原油価格は1バレル=50米ドル台で安定しています。米国のシェール生産や各国による減産の動向には注意が必要ですが、原油市況の落ち着きはロシア経済の安定度を高めることに繋がるものと見込まれます。

【図表】WTI原油先物とルーブル(対米ドル)の推移

【④中央銀行の緩和期待】

ロシア中央銀行は通貨防衛のため、2015年に政策金利を17.0%まで引き上げて以来、インフレ率の動きに合わせ、段階的な利下げを行ってきました(2017年2月17日現在10.0%)

昨年9月以降利下げは見送られており、最近ロシア財務省が発表した新たな外貨購入プログラムが金融緩和策の先送りに繋がる可能性はありますが、インフレ率は中銀がターゲットとする4%に向けて低下基調が続いており、今年の後半より徐々に金融緩和を進め、経済活動を後押しすることが期待されます。

【図表】政策金利とインフレ率(前年比)の推移

【⑤ロシア株式市場のバリュエーション】

ロシア株式市場は昨年大きく上昇しましたが、過去の平均と比較すると依然割安な水準にあると言えます。また、配当利回りの相対的な高さもロシア株式への投資を惹きつけるひとつのポイントとなるでしょう。

【図表】株価収益率の比較

【図表】配当利回りの比較

【⑥米国との関係改善期待】

米国でトランプ氏が大統領に就任したことでロシアと米国の関係性に変化が見られるかが注目されています。トランプ大統領は大統領選挙期間中からロシアに対して好意的な発言を繰り返し行うとともに、国務長官に親ロシア派と見られるティラーソン氏を指名し、米上院本会議で承認されました。

議員の間では否定的な意見も聞かれ、状況は流動的ですが、欧米との関係が改善に向かい制裁の緩和等が進めば、ロシアを再評価する動きが広がると思われます。

【図表】各株式市場(含む指数)の騰落率(円ベース)

【今後の見通し】

現在市場では、トランプ政権による政策の行方や欧州で相次ぐ選挙を巡る思惑が投資家心理の重石となっていますが、そうした環境の中で経済を取り巻くファンダメンタルズが着実に改善しつつあるロシア株式市場は、相対的に妙味の高い投資先であると考えています。

【図表】GDP成長率の推移

【図表】ロシア中央銀行によるGDP成長率予想

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