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2017年1月31日

ロシア財務省、外貨買入・売却オペレーションの実施を発表

【ロシア財務省、外貨買入・売却オペレーションの実施を発表】

ロシア財務省は2017年2月より、外貨買入・売却オペレーションを実施することを発表しました。具体的には原油価格がロシアの政策運営時の想定価格である1バレル当たり40米ドルを上回れば外貨を買い入れ、反対に40米ドルを下回れば外貨を売却するというものです。なお、実際の介入金額については毎月第3営業日午前にまず介入総額を決定し、その月の第5営業日から翌月の第4営業日までの営業日数で割ることで1日当たりの介入額を決定します。

この背景として、通貨ルーブルの変動性を上下どちらの方向においても一定程度に抑えたいというロシア当局の意図があると考えられます。

欧米諸国による経済制裁や、原油価格の急落等により一時大幅に低迷したロシア経済ですが、2017年には経済成長率がプラスに転じると予想されるまでに回復しています。このような状況の下、急激なルーブル高は輸出企業にマイナスの影響を与え、また急激なルーブル安はようやく落ち着いてきたインフレを再度加速させることになります。そのため当局としてはルーブルの変動を一定程度に抑えることで、ロシア経済をさらに安定させたいとの意向が強く働いたものと考えられます。

【図表】ロシア・ルーブルの推移(対円、対米ドル)

【中央銀行の政策は変更なし】

ロシア中央銀行(以下「中銀」)は以下の理由から今回の財務省の決定が金融政策に影響を与えるものではないと発表しています。

①2017年末時点のインフレ率を4%とする政府目標を達成する上で影響するものではないこと
②財務省の為替介入によりルーブル市場が操作されるわけではないこと
③ロシア国内の銀行セクターの流動性への影響は限定的となる見込みであること

なお中銀は2月3日に政策決定会合を開催予定ですが、市場は今回も政策金利を据え置くと予想しています。

【図表】政策金利の推移

 【今後の見通し】

ルーブルについては財務省の目論見通り、変動性がやや低下すると考えられます。短期の対外債務に対し十分な外貨準備高があることや経常黒字であることを踏まえると、ルーブルの上昇トレンドを打ち消すほどのオペレーションは行わないと想定されます。

足元、原油価格が40米ドルを上回っていることから外貨買入が継続されると、外貨準備高の増加につながります。このことは、財務状況の改善、つまりロシアの対外的な信用力改善につながると見込まれます。一方で、国内経済への影響は限定的と見ています。引き続き利下げやインフレ率の動向等が市場の変動要因になると予想されます。

【図表】外貨準備高の推移
出所:Bloombergのデータを基にドイチェ・アセット・マネジメント㈱が作成
※データは記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。

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