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リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2013 特別インタビュー(1/2)

多くの日本人にとっては「資源国」としてのイメージが先行し、心理的、地理的に遠い印象があるロシアですが、エネルギー資源の輸出に依存しない経済基盤の確立に向けた取り組みによって構造転換が進み、今後の安定的な経済成長が期待されます。そのロシアを中心として、成長著しいトルコなどの東欧諸国の株式を主要な投資対象とするドイチェ・アセット・マネジメントの二つのファンドが、「リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2013」にて最優秀ファンド賞を受賞しました。ロシア・東欧株式の投資魅力やファンドの良好なパフォーマンスの要因などを、チーフ・インベストメント・オフィサーの戸田 敦子が解説します。

受賞にあたって今のお気持ちをお聞かせください。

戸田: 2012年は欧州債務問題が波及し、金融システム不安が世界的に拡大する懸念が高まったことなどから、市場の変動が大きい1年でした。運用者にとっては大変な1年だっただけに、この時期を含むファンドのパフォーマンスが評価されたことは大変光栄であり、本当にうれしく思っています。

受賞した2本は、ロシア及び東欧諸国の株式を主要投資対象とするファンドですが、まずはロシアについて聞かせていただけますか?

戸田: 「ドイチェ・ロシア東欧株式ファンド」及び「DWS ロシア・欧州新興国株投信」は、高い経済成長が期待されているロシア、トルコ、ポーランド、ハンガリー、チェコのいずれかで上場または取引されている株式を主要投資対象とし、2013年1月末現在ではポートフォリオの約7割がロシア株への投資となっています。

ロシアはサウジアラビアに次ぐ世界第2位の原油生産量(日量1,028万バレル、2011年)を誇ります。2012年秋以降にロシアの代表的な株価指数であるRTS指数は大幅に上昇し、他の新興国や主要先進国の上昇率を軒並み上回りました。RTS指数は原油価格の推移と高い連動性があることから、原油価格の持ち直しが産油国ロシアの株価上昇の主因と考えられます。新興国からの需要増加などを背景に、中長期的に原油価格は底堅く推移すると見込まれることから、資源国ロシアの安定的な経済成長が期待されます。

2012年12月には、東シベリア油田地帯から日本海沿岸に延びる「東シベリア太平洋石油パイプライン」が全面開通しました。広大なロシアの国土を東西に貫くパイプラインが完成したことで、ロシアにとっては日本や中国、韓国、東南アジア諸国等に向けた原油輸出環境の整備が進み、プーチン大統領が2012年12月の年次教書演説で「21世紀のロシア発展のベクトルは東にある」と述べたように、今後の更なるアジア需要の取り組みに意欲が示されています。

戸田 敦子
このように「資源国」としてのイメージが強いロシアですが、当社が注目するのは「エネルギー資源の輸出に依存しない経済基盤の確立に向けた取り組み」を背景にしたロシアの成長です。2012年5月に大統領に復帰したプーチン氏は、「原油依存からの脱却」を掲げ、様々な政策構想を打ち出しました。例えば、バイオテクノロジーや情報通信技術等を発展させるべき最重要分野と位置づけ、研究開発を促進する支援の拡大や新領域での雇用の創出を目指すとしています。政府主導によるインフラ投資も重点課題として掲げられました。

資源国として原油高の恩恵を受けたロシアでは、国家財政が改善し、内需も拡大しています。ここ数年は耐久消費財市場、とりわけ自動車市場の拡大が顕著であり、ロシア自動車市場は欧州市場では上位の規模となっています。

2012年8月にロシアは世界貿易機関(WTO)に正式加盟しました。輸入関税の引き下げにより消費者は輸入品をより安く買えるようになり、さらに外国資本の参入で国内の雇用市場が活性化し購買力が向上する好循環も期待されます。

東欧諸国についてはいかがでしょうか?

戸田: ポーランド、ハンガリー、チェコについては、自動車・家電等エレクトロニクス関連・コンピュータ関連産業を支える新興国としての強みがあり、今後の欧州経済の健全化に伴う発展が期待されます。

投資対象としてトルコを重視している点もこの2つのファンドのユニークなポイントです。トルコは若い労働人口が多く、2025年にはドイツを抜いて欧州最大の人口を有すると見込まれます。政府の取り組みにより経常赤字が縮小し、インフレにも落ち着きが見られます。2012年には格付け会社のフィッチがトルコ長期国債(外貨建て)の格付けを1段階引き上げて「トリプルBマイナス」とし、投資適格となるなど財政も健全化しつつあります。当社では、ロシアや他の東欧諸国とは意味合いの違う「巨大消費地域」としての成長性に注目し、類似ファンドには珍しく2013年1月末現在で約15%のトルコ株を組み入れています。

良好なパフォーマンスを実現した要因についてお聞かせください。

戸田: 長く運用していく中で重要なことは分散された銘柄選択とそのポジションを管理していく能力だと考えています。保有する一部の銘柄がたまたま高騰しても、その影響は一時的なものであり、長期にわたって良好なパフォーマンスを実現することにはつながりません。過去5年間を見るとリーマン・ショック、欧州債務問題などの様々な外部要因がありました。その中でもベストなパフォーマンスを投資家の皆様にお届けできるよう、様々な投資機会を利用して運用しています。

例えばトルコに関しては、経常収支が改善したという変化を受けてからポジションを取りに行こうとしても、それでは遅かっただろうと思います。2012年のトルコ株式市場のパフォーマンスは新興国の中でも突出したものとなりファンドのパフォーマンスに寄与しましたが、これはもともと当社がトルコに対して一定の重要性を勘案し、変化を予測して投資機会の1つとしてポジションをとってきたことが大きかったと言えるでしょう。

戸田 敦子
また、ファンドマネージャーの力量も重要ですが、ドイツ銀行グループのグローバルなネットワークや運用基盤も大きな力になっています。例えば、フランクフルトだけでなく、モスクワにも調査拠点を置き、地域に根差した現地調査スタッフによる豊富な企業訪問と徹底した企業分析結果を用いた運用を実施していることが、これまでの良好なパフォーマンスにつながったと考えています。

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