「シェール革命 第二章」に見るMLP投資




膨大なシェールガス・オイルの埋蔵量が確認される米国で、その恩恵を長期的に享受することが期待される「MLP」。そもそもMLPとはどのようなもので、どのような特徴を持っているのでしょうか?高まるLNGの需要をうけて「シェール革命 第二章」がはじまる今、MLP投資のポイントを詳しくご紹介します!


  • MLPは「マスター・リミテッド・パートナーシップ」の略称であり、米国で行われている共同投資事業形態の1つです。
  • エネルギーインフラへの投資促進を目的として、1980年代に米国で誕生し、その後発展してきました。

  • 総所得の90%以上を天然資源の探査・採掘・精製・運搬・備蓄等から得ていることが、MLPの要件です。
  • 上記の要件を満たすと、原則として法人税が免除されることになっています。
  • 金融商品取引所(ニューヨーク証券取引所、ナスダック等)で取引されています。

  • エネルギー関連事業は、川上(探査、開発、採掘)・川中(精製、備蓄、輸送)・川下(卸売、小売)に分けられます。
  • これらのうち、MLPは主に川中事業に投資します。川中事業は、資源価格や景気に左右されにくいという特性があります。


「シェール革命 第二章」

2000年に入って以降、米国で「シェール(Shale)」と呼ばれる種類の岩石の層に含まれている石油や天然ガスを掘削できる新しい技術が開発され、経済的に見合ったコストで掘削できるようになりました。これにより、米国ではシェールガス・オイルの生産が本格化し、いわゆる「シェール革命」がはじまりました。

そして今、アジア、主に中国で高まる液化天然ガス(LNG)の需要によって「シェール革命 第二章」と呼ばれるエネルギーインフラの新時代がはじまろうとしています。

●LNGとは・・天然ガスをマイナス162度まで冷却し液化したもの。液化することにより、体積が天然ガスと比べて600分の1となり、これまでパイプラインでしか輸送できなかった天然ガスをタンカーで国外まで輸出することが可能となりました。

アジア主導で拡大するLNG需要

これまでLNGは日本と韓国が輸入・消費国、そして中東や豪州が生産・輸出国という構造でしたが、中国を中心としたアジア諸国が環境負荷の少ないLNGを主要なエネルギー源として消費し始めたこと、また米国においてLNG輸出インフラが整いはじめたことでシェールガス由来のLNGが本格的に輸出されるようになり、これまでのトレンドが大きく変わり始めました。

世界的な「脱炭素社会」へ向けた動きの中、各国の政策転換が大きな後押しに

LNGがエネルギー源として注目される理由として、環境負荷が小さいことが挙げられます。 二酸化炭素排出量は石炭を100とした場合、LNGは60と相対的に低く、同様に光化学スモッグや酸性雨の原因となる窒素酸化物排出量は20-40、喘息などの呼吸器の病気を引き起こす原因となる硫黄酸化物は全く排出されません。世界的に環境対策の意識が高まる中、LNGは環境や人体にやさしいエネルギー源として今後の需要拡大が見込まれます。

さらに、中国は2016年に設定した「第13次5ヵ年計画」において、エネルギーに占めるLNGの比率を2015年の5%から2020年に10%まで引き上げることを目指しています。すでに中国のLNG輸入量は2010年から2016年の間に3倍となり、2020年代半ばには世界1位になるという予想もあります。今後の経済発展と二酸化炭素排出量削減という大きなトレンドの中、中国・アジアを中心にLNGの需要が長期的に拡大するものと見込まれます。


さらに欧州でも環境政策面および政治的要因でもLNGの需要が高まっています。2015年のCOP21におけるパリ協定以降、欧州では石炭の代わりに天然ガスを使用することを政策として推奨しています。一方で、イギリス・フランスが2040年までにガソリン・ディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出したように、EVシフトが進み電力需要が拡大すると考えられています。ドイツでは原子力発電の撤廃が既に発表されており、電力の安定供給と環境負荷の低減を同時に達成できるガス発電が今後拡大すると考えられています。

この大きな構造的な変化だけでなく、2018年7月にEUは米国との貿易赤字を解消する一環として、米国産LNGの輸入を大幅に増やすことを発表しています。LNGはEUと米国の貿易赤字を減らす政治的に重要なツールとなっているのです。


動き出した米国のLNG輸出

現在のグローバルのLNG増産計画では、2022年ごろにはLNGは供給不足に陥る見通しとなっています。このギャップを埋めることを期待されているのが、米国シェールガス由来のLNGです。シェール革命が注目されていた2014年ごろは、米国でシェール由来の天然ガスを輸出することはインフラ整備が整っていないなどの理由から不可能でした。そもそも天然ガスをLNG化する施設がなく、LNGを輸出するための港湾も整っていなかったことが一因としてありました。

そしてようやく、2016年からサビーン・パス、2018年にコーブ・ポイントが稼動し始め、日本への輸出も始まりました。ついに米国のLNG輸出が動き始めたのです。三井物産や三菱商事といった商社や、東京電力や大阪ガスといった公益企業等、数多くの日本企業がこの米国LNG輸出プロジェクトに携わっています。また現在、米国では建設中・計画中のLNGプロジェクトが数多く控えています。2017年の米国LNG輸出量は世界全体の4%でしたが、2035年には米国が世界一のLNG輸出国になると期待されています。

●中国と米国の貿易摩擦の影響について教えてください。

米中貿易摩擦による世界経済の減速と、それに伴う中国の景気減速、LNG輸入減少のリスクがまず意識されます。また、米国に対する報復として、中国が米国産LNGに対して関税をかけたことも今後のLNG輸入減少のリスクになる可能性も考慮する必要があります。

一方で、中国の石炭から天然ガスへの転換は政府が主導する大きな構造転換であり、今後天然ガスの需要は景気動向に関係なく大きく成長すると見込まれています。中国の地方では都市部の9~10倍の石炭を使用しており、24%の中国の大気汚染はこの地方都市の一般家庭が原因となっていると言われています。まだ石炭からガスへの転換は中国都市部を中心としたものであり、今後中国全土に広がることによって、大きな需要増につながると考えています。

その中で、中国の需要の増加に応えられる国は、世界を見渡してみても米国以外にないと考えます。カタールやオーストラリアからもLNGは供給されていますが、今後の生産能力の拡大は大きくは見込めません。一方で、米国は2018年以降、数多くのLNGプラントが稼動し始め、供給能力が大きく拡大すると見込まれています。足元では米中貿易戦争が意識されていますが、最終的には中国は米国産LNGを買わざるを得ない状況になると考えています。

●「米国MLPファンド(毎月分配型)」のファンドの魅力について

インフラ資産は我々の生活に必要不可欠であり、かつ経済の発展のためにも必要な非常に重要な資産です。このような背景により、インフラ資産は安定的かつ予測可能なキャッシュフローを生み出すことができる、魅力的な資産クラスであると考えています。

MLPを通してエネルギーインフラ資産に投資することで、企業の安定的な業績に貢献し、それに伴う高い配当を享受することが可能になります。加えて、足元では「シェール革命 第二章」とも言うべきLNG輸出といった大きな成長期待もあると考えます。インフラ資産の安定性とLNG輸出に伴う成長性、この二つを同時に期待できる投資対象として、米国MLPファンドは非常に魅力的であると考えています。

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