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コーポレート・ハイブリッド証券の特徴


ハイブリッド証券とは、債券的性質と株式的性質を併せ持つ証券のことで、劣後債や優先証券等のことを指します。
債券的性質と株式的性質を併せ持つことで、クーポン(利息)が定められていることや、満期や繰上償還時に額面で償還されることなど債券に近い性質を持つ一方で、発行体である企業にとっては一部を自己資本の計算に算入できる等、株式に近い性質を備えているとも言えます。


●債券的性質:利率または配当率が定められていることや満期や繰上償還時に額面で償還されること等債券に類似した性質
●株式的性質:発行体にとっては、一部を自己資本の計算に算入できる等、株式に類似した性質


一般的に普通社債と比べて弁済順位が低い等のハイブリッド証券特有のリスクがあり、利回りが高いという特徴があります。


また、事業会社が発行体の場合は「コーポレート・ハイブリッド証券」、金融機関が発行体の場合は「金融ハイブリッド証券」と呼ばれることがあります。


企業がコーポレート・ハイブリッド証券を発行する背景

企業がコーポレート・ハイブリッド証券を発行する背景には、コーポレート・ハイブリッド証券は、格付会社によって資本への算入が認められていることがあります。ハイブリッド証券を発行することにより、企業は資本コストを抑制しつつ、企業価値の向上と信用力の維持の両立を図ることができるといえます。コーポレート・ハイブリッド証券は主に欧州企業により発行されています。これは、ハイブリッド証券に対し資本算入が認められることに加え、欧州では利払いを損金算入できるという税制上のメリット等が背景にあります。

コーポレート・ハイブリッド証券の発行例を見ると、M&A資金の調達や年金債務にかかる資金調達、あるいは国営企業の資本増強等、発行目的は多岐にわたっています。

コーポレート・ハイブリッド証券の市場規模

コーポレート・ハイブリッド証券の市場規模は約1,129億米ドル(約12.6兆円*、2017年3月末時点)にのぼります。市場規模としてはJ-REIT(約11.9兆円、2017年3月末時点)と同程度の規模です。 2013年に格付会社が一部資本への算入を認めたことで、コーポレート・ハイブリッド証券の市場規模は4年で3倍にまで拡大しました。 *1米ドル=111.81円(2017年3月末時点)で換算


*2012年末と2016年末との比較
※2016年末時点の市場規模は約1,089億米ドル、
出所:The BofA Merrill Lynchのデータを基にドイチェ・アセット・マネジメント(株)が作成。


ハイブリッド証券の特有のリスク

ハイブリッド証券特有のリスクとして以下があげられます。
劣後リスク(弁済順位が劣後するリスク)
・一般にハイブリッド証券は、弁済順位が株式に優先し、普通社債等よりも劣後します。したがって、発行体が破たん等に陥った場合、他の優先する債権が全額支払われない限り、元利金や配当金の支払いを受けることができません。また、発行体が経営不安、倒産、国有化等に陥った場合には、ハイブリッド証券の価格が大きく下落(価格がゼロとなることもあります。)し、ファンドの基準価額が影響を受け損失を被ることがあります。
・ハイブリッド証券は、一般に普通社債と比較して格付けが低く、さらに格付けが低下する場合にはハイブリッド証券の価格が普通社債よりも大きく下落する場合があります。

繰上償還延期リスク
・一般にハイブリッド証券には、繰上償還条項が付与されています。繰上償還日に償還されることを前提として取引されているハイブリッド証券は、予定期日に繰上償還されない場合、または繰上償還されないと見込まれる場合には、価格が大きく下落することがあります。

利息、配当繰延(停止)リスク
・一般にハイブリッド証券には、利息や配当の支払繰延条項が付与されています。発行体の財務状況や収益の悪化等により、利息や配当の支払いが停止・繰り延べされることがあります。この場合、期待されるインカムゲインが得られないこととなり、ハイブリッド証券の価格が下落することがあります。

規制環境等の変化に関するリスク
・ハイブリッド証券は、一般に規制当局や格付会社の認定基準に依存しています。したがって、規制当局および格付会社の動向やハイブリッド証券に関する不利益な制度変更等により、ハイブリッド証券の価格が大きく下落することがあります。
・世界的な金融危機が発生した場合には、複数のハイブリッド証券が同時に、損失負担条項等に該当する可能性があるため、ハイブリッド証券の価格が大きく下落することがあります。

偶発転換社債(CoCo債)等に関するリスク
・発行体が法的破たんには至っていない場合であっても、規制当局により実質的に破たんしていると判断された場合や発行体の自己資本比率が一定水準を下回った場合等には元本削減や株式への転換等を通じて損失吸収される場合があります。弁済順位にかかわらず、株式よりも先に損失を負担することがあります。

※データは記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。


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