メディア寄稿|ニッキン投信情報

2019年11月18日

「スッキリ解説!ETF 第2回 プロにも選ばれる三つの理由」

ニッキン投信情報 2019年11月4日号掲載

<執筆者紹介>
ドイチェ・アセット・マネジメント
機関投資家営業部 岸本 拓之(きしもと・ひろゆき)

三菱UFJ信託銀行にて日本初の日本版預託証券による海外ETFの東証上場プロジェクトに関与。
2018年より現職。DWSのETFブランド「Xトラッカーズ」を含むパッシブ商品のプロモーションを推進。
慶應義塾大学法学部卒。

ドイチェ・アセット・マネジメント 機関投資家営業部 ETFスペシャリスト 岸本 拓之

第1回のコラム(10月7日号掲載)で、ETF市場がグローバルで急速に成長していることがおわかりいただけたかと思います。では、ETFのどのような特徴が世界の投資家から評価されているのか、見ていきましょう。

ETFは「上場投資信託(Exchange Traded Fund)」の略称で、上場株式等と同様、証券取引所に上場しています。一方で、同じファンドでも「投資信託(Mutual fund)」は上場していません。

ETFの主な特徴は、低コスト・透明性・取引のリアルタイム性の三つです。何と言ってもETFのメリットとして一番に挙げられるのは低コスト、つまり一般にファンドの中でも信託報酬が比較的低い点でしょう。なぜ低コストが実現可能かというと、ETFの多くが特定のインデックス(指数)に連動するよう企図されたパッシブ運用のファンドであることが挙げられます。なお、一般的なETFのようにインデックスに追随することを目指すパッシブファンドとは異なり、リサーチ等に一定のコストをかける代わりにインデックスを上回る運用を目指すアクティブファンドも多く存在し、投資家はそれらをポートフォリオの中で上手く組み合わせています。アクティブとパッシブでは運用の目的が大きく異なるため、「コストが安いからパッシブの方が良い」ということでは必ずしもありません。重要なことは、投資の目的を明確に定め、それに合ったツールを選択する、ということなのです。なお、パッシブETFの中でもよりアクティブファンドに近い性質を持つ「スマートベータETF」というタイプのものも近年残高を増やしています。これについては別の回で取り上げたいと思います。

二つ目の透明性についてですが、非上場の投資信託は構成銘柄の開示が年に2回のみという場合もあります。この点ETFは原則として日次で構成銘柄を開示し、誰でも最新の情報を入手可能です。よって、どの銘柄をどれだけ買うことになるのか、また保有するETF1口について、原資産の銘柄構成が日々どのように変動しているかを高い精度で把握することができます。加えて、ETFでは需給で決まる取引所価格と構成銘柄の終値から算出される理論上の価格(Net Asset Value:純資産総額)がありますが、日次で構成銘柄の開示がなされていることにより、二つの価格を比較することができます。これによりそのETFが理論価格に対して妥当な価格付けになっているのか、プレミアム(割高)またはディスカウント(割安)になっているのかを知ることができるのです。

三つ目の特徴である取引のリアルタイム性ですが、非上場の投資信託は購入・解約申込みの時点では適用される基準価額が決まっておらず、いくらで約定されるか分かりません。この点ETFは、取引所におけるリアルタイムの価格を見ながら取引を行うことが可能です。更に機関投資家は最適な取引価格を見つけるため、取引所外における取引や基準価額に基づく取引もあわせて活用します。加えて、ETFではブローカー等への発注に関して指値・成行きのどちらも可能であり、思わぬ価格で約定されるリスクを限定しながら取引を行うことも可能です。

低コストというメリットに着目する投資家は中長期で保有するコアなファンドとして、透明性や取引に関するリアルタイム性を評価する投資家は相場動向に合わせてある程度の頻度で機動的に売買を行うためのトレーディングツールとして、それぞれETFを活用しています。またこの二つの用途を組み合わせて、ETFだけでポートフォリオを作っている投資家もいるほどです。このようにETFが投資家の様々なニーズに応える特徴を有しているからこそ、今日ここまで活用が進んでいるといっても過言ではないでしょう。


Copyright © ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第359号
加入協会 日本証券業協会・一般社団法人投資信託協会・一般社団法人日本投資顧問業協会
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
【当社を装った詐欺的行為にご注意ください。】