DWS欧州通信

2018年4月16日

「DWS欧州通信
第1回 政治情勢① ドイツとイタリアはどうなったの?」

ニッキン投信情報 2018年4月2日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント 運用部 ポートフォリオ・マネジャー 吉田一貴

 リーマン・ショック、ギリシャの債務問題に端を発する欧州債務危機等を背景に、欧州の景気は後退基調となりました。その印象を引きずり、今も「欧州=景気が悪い!?」というイメージを持つ投資家が少なくないようです。しかし、実は欧州各国における債務問題はおおむね解消されており、ユーロ圏経済は、2013年第2四半期に実質GDP成長率がプラスに転換して以降、プラス成長が継続しています。欧州は長いトンネルを抜けて、現在は緩やかな景気回復期にあると言えます。

 ドイチェ・アセット・マネジメントは、欧州、特にドイツにおいて広く認知されている「DWS」を世界統一ブランドとして採用することを決定しました。当コラムでは、「DWS欧州通信」と題し、政治情勢、金融政策などの最新情報を取り上げながら、欧州の「今」を理解するためのヒントをご紹介します。

 17年は欧州各国(オランダ、フランス、ドイツ等)で選挙が行われ、欧州の政治情勢に注目が集まりました。また、今年もイタリア総選挙(3月4日実施済)や英国の欧州連合(EU)離脱交渉等、様々な政治イベントが市場で注目されています。欧州の政治リスクは、昨年のフランス大統領選挙で反EUを掲げる政党が敗退したことをきっかけに幾分後退しましたが、反EU・反グローバリズムの流れが今後再び勢いを増し、市場の変動要因となる可能性も存在しています。まずは、欧州における現状と注目材料を簡単に見ておきましょう。

ドイツ連立政権誕生

 ドイツでは3月14日、アンゲラ・メルケル氏率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)の連立交渉及び党員投票を経て、第4次メルケル政権の発足が決定しました。メルケル氏が首相に再任されたことや、約6カ月に及ぶ政治的空白に終止符が打たれたこと等は、欧州の政治情勢にとっても大きなプラス材料になると見込まれます。17年9月に行われた総選挙以降、連立交渉が難航したことで、政治的な空白の長期化が懸念されていました。しかし、今回の連立合意を受けドイツ政治がひとまず落ち着きを見せたこと、また市場の予想通りメルケル政権の続投となったこと等は、欧州の政治に対する市場の懸念を和らげるものと思われます。また、英国のEUからの正式離脱を19年3月に控え、ユーロ圏及び欧州統合に向けた連携強化・改革の進展に向けても、欧州経済のけん引役であるドイツの政治の安定は、今後の進捗に大きく寄与するものと考えています。

イタリア総選挙動向

 3月4日、イタリア上・下院の総選挙が実施されました。ポピュリズム政党「五つ星運動」が第一党となりましたが、どの政党も過半数の議席を獲得できないという事前予想通りの結果となりました。そのため、次期政権は複数政党による連立政権となる可能性が高く、今後の連立協議が焦点になるものと思われます。各政党においても、移民政策や経済政策等の主張に隔たりが見られ、交渉には時間が掛かるものと予想されます。反EU的な色合いの強かった五つ星運動も以前に比べ過激さが幾分弱まっていること等から、当面は流動的な状況が続く見通しではありますが、欧州の政治リスクが大きく高まるような展開は限定的と思われます。

 次回は、ブレグジット関連やその他欧州各国(スペイン、アイルランド等)における政治情勢としての注目点、および為替ユーロについての影響等についてご説明します。


※当コラムは、2018年3月23日時点の情報に基づき執筆しております。

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執筆者のご紹介

    吉田一貴
    ドイチェ・アセット・マネジメント
    運用部 ポートフォリオ・マネジャー

    国内運用会社を経て2014 年入社。クライアント・ポートフォリオ・マネジャーとして債券プロダクトの運用に従事。一橋大学商学部卒業。

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