2018年2月19日

「もっと知りたい!債券投資
第5回 新興国債券への投資を考える際にはここをチェック!」

ニッキン投信情報 2018年2月5日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント 運用部 松本 卓也

 国際通貨基金(IMF)によると、2010年以降、新興国全体の経済成長率は鈍化傾向にありましたが、15年に底打ちし、17年から18年にかけてはやや加速すると見込まれています(図表1参照)。17年は、新興国のマクロ環境に改善が見られ、少しでも高い利回りを求める投資家の注目を集めたことを背景に、新興国債券市場はおおむね堅調な推移となりました。今回は、新興国債券(新興国の政府や政府機関が発行する債券)の特徴について見ていきましょう。

 

図表1 新興国の実質GDP成長率

 

 多くの新興国では、現地通貨に限らず、米ドルを中心に外貨でも債券を発行して資金調達を行っていますが、現地通貨建と外貨建で値動きが異なる点に注意が必要です。

 現地通貨建は、債券のパフォーマンスに加えて、当該国の通貨のパフォーマンスがリターンに影響するため、債券の高い利回りのみに注目せず、現地通貨の動向にも目を向けることが大切といえます。

 外貨建については、外貨の返済能力が問われることから、対外債務や外貨準備高の状況も市場の材料となります。その他、投資家にとっては米ドルなどの建通貨の動きもリターンに影響します。

 新興国において、景気回復や、外貨準備高の強化などによる財務状況の改善で、当該国の信用力が向上すると、その国の発行する債券への需要が高まり、債券価格が上昇する傾向にあります。また、海外からの資金流入に伴い、通貨が上昇し、通貨高が新興国の輸入インフレを抑えて、債券利回りが一段低下(債券価格は上昇)する、といった好循環も期待されます。足元では、新興国の経済状況の改善を受けて各国の信用力が改善しており、新興国債券市場は堅調な推移が続いています(図表2参照)。

 

図表2 新興国債券指数の推移

 

 ここまでは、新興国債券市場全般についての説明になりますが、実際には国ごとに市場の動きは異なっており、政治情勢の不安定化や、高インフレ、デフォルトリスクの高まりなどにより各国の債券価格が大きく変動することもあります。直近の例では、17年11月にベネズエラでデフォルト懸念が高まり、債券価格が急落しました。このため、17年は年初来で同国の債券は新興国債券市場全体と方向感が異なり、パフォーマンスはマイナスとなりました。新興国債券市場全体ではなく、一部の国を選別して投資する場合には、各国の経済や政治情勢を踏まえて判断することが大切です。

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執筆者のご紹介

    松本 卓也
    ドイチェ・アセット・マネジメント
    運用部

    2014 年入社。東京大学大学院工学系研究科 修士号取得
    クライアント・ポートフォリオ・マネージャーとして債券プロダクトの運用に携わる。

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