2018年1月15日

「もっと知りたい!債券投資
第4回 金利上昇局面における債券投資をみてみよう」

ニッキン投信情報 2018年1月1日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント 運用部 松本 卓也

 主要先進国の金利は、歴史的にみれば低下基調が続いており、債券投資においては比較的望ましい環境といえます。ただし、いったん景気拡大期に入れば、金利上昇が長く続き、債券投資には逆風となることもあります。金利が上下する中、長期的に債券ポートフォリオのリターンを高めるためには、金利変動による債券の価格変動リスクに対処することが大切です。この価格変動リスクの管理においては、「デュレーション」の調整が有効な手段の1つになります。

 デュレーションとは、金利変動に対する債券価格の感応度を示す指標で、数字が大きいほど、金利変動に対する債券価格の変動率が大きくなります。また一般的に、債券の残存期間が長いほどデュレーションは長くなる傾向があります。

 第3回(2017年12月4日号掲載)で取り上げた最終利回りは、満期まで保有した場合の想定利回りであり、投資判断の材料の1つであることを指摘しました。ただし、実際の債券ポートフォリオの運用に当たっては、債券を満期前に売却することもあることから、債券保有期間の収益率も意識した運用が求められます。一例として、保有期間において金利上昇が予想される局面では、ポートフォリオにおいて短期年限の債券を購入し、長期年限の債券を売却することで、ポートフォリオ全体のデュレーションを短期化し、当該期間の価格変動リスクを軽減することが可能となります。

 ここまでは、債券の価格変動リスクをテーマとして説明しましたが、債券投資においては、債券価格の変動だけでなく、利息(クーポン)収入にも注目することが大切です。クーポンは定期的に支払われますが、この利息収入を積み上げることで、債券の価格下落分を補うこともあります。一般的に、社債は国債より利息収入が高くなっており、一時的な価格下落に対してある程度クッション効果が期待されます。

 米国債券市場では、16年11月の大統領選結果を背景に、財政拡大期待が高まったことから債券利回りは大幅に上昇しました。米国社債市場においても16年11月に利回りが大きく上昇しましたが、その後利回りは上昇幅を縮小し、16年11月から17年10月の1年間で、米国社債指数の最低利回りは、2.95%から3.15%へと0.20ポイントの上昇にとどまりました。一方、指数のリターンは同期間で+3.46%とプラスのリターンになっています。金利が上昇したことは重石となりましたが、1年間の利息収入の積み上げがプラスリターンに貢献しました。

 債券投資においては、金利上昇リスクを意識することが求められる一方、金利上昇が一時的な場合や、上昇ペースが緩やかな場合は、社債に投資することで相対的に高い利息収入を積み上げることが有効な戦略と考えられます。

 

米国社債指数と利回りの推移

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執筆者のご紹介

    松本 卓也
    ドイチェ・アセット・マネジメント
    運用部

    2014 年入社。東京大学大学院工学系研究科 修士号取得
    クライアント・ポートフォリオ・マネージャーとして債券プロダクトの運用に携わる。

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