2017年9月19日

「資産配分マスターへの道
最終回 資産配分に迷ったときはアセットアロケーション型?」

ニッキン投信情報 2017年9月4日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント 資産運用研究所長 藤原 延介

 今回は投資の第一歩に活用されることの多いアセットアロケーション(バランス)型ファンドについて取り上げます。アセットアロケーション型は、投信協会の商品分類では、資産複合(バランス)と表記されています。株式型、債券型などが1つの資産クラスに投資するという意味でシングルアセット型と呼ばれるのに対して、株式と債券の両方に投資することから、複数を意味するマルチアセット型と呼ばれることもあります。アセットアロケーション型は、リーマン・ショックをきっかけに資金流出が続いてきましたが、2014年に7年ぶりの資金流入に転じて以降、徐々に人気が高まっています。

 こうした資金の動きには大きく2つの背景が考えられます。1つは円安株高といった市場環境の改善で、資産運用・資産形成の必要性を感じた投資家がアセットアロケーション型で資産運用をスタートするということです。新たに投資を始める投資初心者にとっては、様々な商品を組み合わせて資産配分を自身で決定するということは簡単ではありません。そういった資産配分に迷った投資家が、アセットアロケーション型ファンドを選択するケースが多いのだと思われます。

 もう1 つは少額投資非課税制度(NISA)のスタートなど投信販売をめぐる環境の変化で、1つのファンドを長期で保有する動きが強まっているということです。投資枠の再利用ができないNISA 口座は短期売買には向かず、ファンドの中で銘柄入れ替えや投資配分の変更を行ってくれるアセットアロケーション型のようなファンドが向いていると考えられます。こうした規制・税制環境の変化もアセットアロケーション型の人気を後押ししていると言えるでしょう。

 アセットアロケーション型は、商品の性格上、投資家も販売会社も、資産運用会社に運用を任せる部分が大きくなります。しかし、金融市場が混乱した際には、キャッシュや国内債券、為替ヘッジ付きの格付けの高い債券の比率をかなり高めておかないと、それなりの下落は免れません。アセットアロケーション型のファンドだからお任せで大丈夫、と考えるのではなく、金融市場の混乱時にどれくらい影響を受ける可能性があるのか、投資する前に想定しておくと良いでしょう。資産配分に迷ったときはアセットアロケーション型、というのは間違いではありませんが、その商品性をきちんと納得したうえで購入することが重要です。

 全6回にわたり連載させて頂いた「資産配分マスターへの道」は今回が最終回となります。各資産クラスの特徴や値動きなどを示しながら、資産配分の考え方をまとめてきました。自分で資産配分を行いたい投資家もいれば、金融機関に任せたいと考える投資家もいますので、資産配分の答えは1つではありません。今回のコラムでも指摘したように、それぞれの投資家が納得できる方法を探すということが「資産配分マスターへの道」なのかもしれません。「貯蓄から資産形成」を実現するために、これまでの連載の情報が少しでもお役に立てば幸いに思います。

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ニッキン投資情報


執筆者のご紹介

    藤原 延介
    ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
    資産運用研究所 所長

    大手信託銀行におけるマクロ経済調査、ロイター・ジャパンのリッパー事業部における投資信託の評価や業界分析業務を経て、2007年にフィナンシャル・ストラテジストとしてドイチェ・アセット・マネジメントに入社。付加価値の高い情報提供を目指し、独自の視点で資産運用業界の最新動向や投資環境を分析している。2015年10月より現職。

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