2017年7月18日

「資産配分マスターへの道
第4回 債券投資は、通貨や格付けと利回りのバランスが大切」

ニッキン投信情報 2017年7月3日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント 資産運用研究所長 藤原 延介

 第4回目のコラムは、ポートフォリオにおける債券ファンドについて考えましょう。一般的に、債券には満期日があり、債務不履行(デフォルト)がなければ、保有期間中にはクーポンが支払われて、満期日には額面で償還されます。投資成果の上限が決まっている投資対象であり、株式のように予想以上に価格が大きく上昇するということは起こりません。債券投資には夢がないとも言われますが、その代わりに堅実性があり、ポートフォリオを守る役割で使われることが多いと言えます。債券型のファンドについても、株式型と同様に、日本、先進国、新興国に分けて考えるところから始めていきましょう。日本の債券を投資対象とする国内債券ファンドは、日本政府や企業が発行する円建ての債券に投資しますので、為替リスクはなく、値動きは総じて債券価格の変動リスクによるものとなります。一方で、先進国債券ファンドや新興国債券ファンドは、原則、外貨建ての債券に投資することになりますので、為替リスクの影響が出てきます。

 また、債券は同じ通貨であれば、信用リスクが大きいほど利回りが高くなる傾向があるので、先進国債券よりも新興国債券の方が利回りは高いのが一般的で、債券の価格変動リスクも新興国債券の方が高いと言えます。図表は、日本国債、先進国国債、新興国国債の代表的な債券指数の値動きを示したものですが、新興国債券の値動きが最も大きいことが分かります。ただし、こうした値動きは為替相場の変動要因が大きく、債券価格自体はここまで大きく動いていません。なお、日本国債も先進国国債の1つであり、日本国債の値動きだけが安定的に見えますが、これも円ベースでみているためで、先進国国債の値動きの大部分は為替の変動によるものです。先進国債券への投資においては、為替ヘッジといって、為替リスクを低減する取引を活用すれば、日本国債と先進国国債のリスクはほぼ変わらないものとなるはずです。

 これらの債券指数は、国債の値動きを示すものですが、債券ファンドへの投資を検討する際には、企業が発行する社債にも目を向ける必要があります。国内債券の場合は、市場の時価総額のうち8割程度は日本国債となっており、社債市場の規模は限定的です。したがって、国内債券ファンドで目立って利回りが高いファンドというのは、ほとんど存在しないと思っていいでしょう。一方で、海外の債券市場には、様々な信用リスクの社債が存在しています。信用リスクの低い投資適格債券は利回りも相対的に低いですが、投資適格に満たないハイイールド債券に投資すれば、魅力的な利回りを追求することも可能です。商品によっては、社債全般を投資対象としたファンドや、ハイイールドの社債と新興国債券を組み合わせたファンドなどもあります。債券ファンドを選択する際には、為替リスクの大きさに加えて、格付けによる信用リスクの取り方、利回りのバランスを見極めることが大切です。

代表的な債券指数の値動き(2007年3⽉末を100として、2007年3⽉〜2017年3⽉)

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執筆者のご紹介

    藤原 延介
    ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
    資産運用研究所 所長

    大手信託銀行におけるマクロ経済調査、ロイター・ジャパンのリッパー事業部における投資信託の評価や業界分析業務を経て、2007年にフィナンシャル・ストラテジストとしてドイチェ・アセット・マネジメントに入社。付加価値の高い情報提供を目指し、独自の視点で資産運用業界の最新動向や投資環境を分析している。2015年10月より現職。

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