2017年6月19日

「資産配分マスターへの道
第3回 株式ファンドは日本、先進国、新興国に分類して配分を考えよう」

ニッキン投信情報 2017年6月5日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント 資産運用研究所長 藤原 延介

 第3回目のコラムは、ポートフォリオにおける株式ファンドの役割について取り上げます。投資対象資産として、リスクは高いものの期待リターンが大きい資産の代表は、やはり株式です。ポートフォリオ全体の期待リターンを高めたい場合は、株式ファンドの配分を増やすというのが一般的な考え方になります。投資信託協会の分類では、株式型がこれに該当し、投資対象地域によって「国内」、「海外」、「内外」の三つのタイプに分かれています。ただし、投資対象のリスクとリターンの特性という意味では、「海外」と「内外」で分けるよりも、先進国と新興国で分けて考えた方が、投資信託の値動きを理解するうえでは適切ではないかと思います。つまり、株式ファンドを考える際には、日本株ファンド、先進国株ファンド、新興国株ファンドの三つに分類して、どの資産を選ぶかを考えてみるとよいでしょう。

 日本株ファンドは、文字通り、日本企業の株式を投資対象としており、株価変動リスクはありますが、一般的に為替リスクはありません。1989年末のバブル期のピーク以降は、20年超にわたってパフォーマンスが低迷していたため、なかなか長期の資産運用のツールとして活用しにくかった時期もありましたが、アベノミクス以降の相場転換の兆しを受けて、人気も持ち直してきたようです。次いで、先進国株ファンドですが、幅広く先進国株に投資するファンドであれば、米国やユーロ圏の企業が発行する株式が投資の大部分を占めることになります。投資地域が「海外」であれば日本株は含まれず、「内外」の場合は日本株を含むという整理になります。投資判断に自信がある方であれば、日本株部分は自分で個別銘柄に投資することも可能ですし、日本株と先進国株の比率を自分で決めるという方もいます。そういった場合は、日本を除く先進国株に投資するファンドを選ぶといいでしょう。

 新興国株ファンドについては、日本株が含まれることはありません。2003~08年頃までは、BRICsと呼ばれたブラジル、ロシア、インド、中国の企業を主な投資対象とする新興国株ファンドが人気となりました。それ以外の新興国では、台湾や韓国、メキシコなどに大企業が多く、こうした新興国の企業に幅広く投資するのが、新興国株ファンドです。図表で、新興国の代表的な株価指数である「MSCIエマージング・マーケッツ・インデックス(配当込み、円ベース)」の値動きを見ると、07年3月末から半年程度で4割超も上昇した後、リーマン・ショックをきっかけとする金融危機でピークから7割近い下落となっています。新興国株の下落に加えて、新興国通貨安の影響も加わり、日本株や先進国株と比較しても、やはりリスクが大きいことが確認できます。このように、株式ファンドといっても様々なタイプのファンドがあるので、リスクとリターンの関係を理解するとともに、各国(地域)の経済見通しも勘案しながら、自分にあった投資対象を選択することが重要です。

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ニッキン投信情報

執筆者のご紹介

    藤原 延介
    ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
    資産運用研究所 所長

    大手信託銀行におけるマクロ経済調査、ロイター・ジャパンのリッパー事業部における投資信託の評価や業界分析業務を経て、2007年にフィナンシャル・ストラテジストとしてドイチェ・アセット・マネジメントに入社。付加価値の高い情報提供を目指し、独自の視点で資産運用業界の最新動向や投資環境を分析している。2015年10月より現職。

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