2017年5月22日

「資産配分マスターへの道
第2回 アセットアロケーション(資産配分)が重要なワケ」

ニッキン投信情報 2017年5月8日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント 資産運用研究所長 藤原 延介

 第1回目(4月3日号掲載) のコラムでは「コア&サテライト戦略」について説明し、ポートフォリオ全体のバランスを勘案しながら、コア部分とサテライト部分の配分を考えることが重要だと指摘しました。資産形成層の方々が投資を始めるにあたっては、10年以上の長期にわたって、少しずつ投資金額を積み上げるケースが多いと想定されることから、ある程度、値動きのある期待リターンの高い資産に投資をしても大きな問題とはならないと思います。一方で、退職金などで一定の金融資産を保有しているものの、今後の給与収入が見込めないシニア層の投資家においては、コア部分を大きく減らさないような資産配分が重要です。

 このようにポートフォリオ構築においては、投資家の年齢や年収、金融資産の状況、不動産の保有の有無といった様々な要因を考慮する必要があります。仮にこれらの条件が全く同じでも、投資家のリスクに対する考え方が違えば、投資戦略も違ってきます。つまり、資産配分には一つの答えがあるというわけではなく、人それぞれに適した資産配分があると理解しておくと良いでしょう。

 それでは、実際にポートフォリオを構築するにあたって、投資対象となる資産について考えることから始めたいと思います。1986年に米国でゲーリー・ブリンソンら3 名の学者が発表した著名な論文「パフォーマンスの決定要因(“Determinants of Portfolio Performance")」によれば、パフォーマンスの9割は資産配分(アセットアロケーション)で決まると言われています。つまり、どのファンドを選ぶかの前に重要なのは、色々な資産の特徴を理解し、自分に合った最適な資産配分を決めること、ということになります。

 ここでは、一つの例として、国民年金等の管理・運用を行う「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」のポートフォリオを見てみましょう。GPIFの基本ポートフォリオは、運用資産に占める各資産の割合が「国内株式25%」「国内債券35%」「外国株式25%」「外国債券15%」となっており、株式全体で50%、債券全体で50%とされています。図表では、GPIFの基本ポートフォリオの国内・外国の比率を変えずに、株式の比率を30%に引き下げたもの、株式の比率を70%に引き上げたもののリスクとリターンを試算しました。株式の比率を高めるほどハイリスク・ハイリターンになることが確認できるでしょう。こうした資産配分を参考に、自分が取れるリスクや目標とするリターンに合わせて、それぞれの配分を変更していくといいでしょう。

 なお、ここでは主要な四つの資産(伝統的4資産とも言われます)だけを用いて説明しましたが、投資家が選択できる資産クラスはさらに多岐に渡ります。次回からは、株式、債券、不動産投信(REIT)などに分けて、もう少し各資産の特徴を細かく見ていきたいと思います。

 

資産配分とリスクとリターン(年率)の関係(1996年末~2016年末の実績値)

 

(出所:ブルームバーグを基にドイチェ・アセット・マネジメント(株)が作成※国内株式:東証株価指数(TOPIX配当込み))、国内債券:NOMURAボンド・パフォーマンス・インデックス総合、外国株式:MSCI KOKUSAI(円換算・ヘッジなし・配当込み)、外国債券:シティグループ世界国債インデックス(日本除く、円換算・ヘッジなし)で計算)

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    D-170412-1

ニッキン投信情報


執筆者のご紹介

    藤原 延介
    ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
    資産運用研究所 所長

    大手信託銀行におけるマクロ経済調査、ロイター・ジャパンのリッパー事業部における投資信託の評価や業界分析業務を経て、2007年にフィナンシャル・ストラテジストとしてドイチェ・アセット・マネジメントに入社。付加価値の高い情報提供を目指し、独自の視点で資産運用業界の最新動向や投資環境を分析している。2015年10月より現職。

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