2017年4月17日

「資産配分マスターへの道
第1回 貯蓄から投資に活用したい『コア&サテライト戦略』の考え方」

ニッキン投信情報 2017年4月3日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント 資産運用研究所長 藤原 延介

 今回より「資産配分マスターへの道」というタイトルで連載させて頂くことになりました。日本の個人金融資産は、現預金の比率が50%を超えるなど保守的と言われる一方、個人向けの投資信託を見るとリスクの高い商品が人気化するといった二面性を持っています。金融審議会では「投資信託保有者の約半数は、投資信託を1銘柄のみ」しか保有していないという問題点も指摘されており、個人投資家が適切なポートフォリオを構築することが投資信託業界にとっても大きな課題となっています。そこで、「資産配分マスターへの道」では、より分散されたバランスの良いポートフォリオ構築を推進するためのヒントを紹介していきたいと考えています。

 第1回目は、貯蓄から投資に活用したい「コア&サテライト戦略」の考え方です。簡単に説明すると、低リスクの安定的な資産をポートフォリオの中心(コア)に据え、高リスクの商品を衛星(サテライト)的に保有することで、ポートフォリオ全体の安定と超過収益を目指す運用戦略を指します。ここ数年、投資信託の販売現場でも、「コア&サテライト戦略」を活用する例が増えてきたようです。一般的に、コア部分としては、相場変動に一喜一憂しないですむような、リスクが抑制された商品が望ましいと思います。

 ただし、商品ありきで「コア&サテライト戦略」を考えるのではなく、これから資産を積み上げていく資産形成層なのか、定年退職して今後の収入が見込みにくい資産取崩し層なのか、といった投資家の資産状況や年齢などを勘案することが重要です。例えば、すでに高リスクのファンドを持っているシニア層の投資家に対して、「コア&サテライト戦略」として、さらにアロケーション型ファンドを勧めることは、限られた運用期間の観点からもリスク許容度の観点からも正しいとは限りません。すでに持っているサテライト商品のリスクを加味し、ポートフォリオ全体のバランスを勘案しながら、コア部分とサテライト部分の配分を変更していくことが必要です。

 一方、若年層であれば、豊富な運用期間を活用して資産形成に取り組むことができます。定時定額の積立投資などを通じて、コア部分として、株式の比率を高めた、ある程度リスクの高い運用を行っていくことも考えられます。図表は、資産取崩し層と資産形成層における「貯蓄から投資」のイメージを示したものですが、これから資産形成を考える若年層は、最初は少額の投資であっても、長期の資産運用に耐えうる低コストの商品を選んで、しっかりと積み立てていくと良いでしょう。なお、図表では、資産取崩し層がサテライト商品を持っている事例しか示しませんでしたが、全てが現預金という方も多いのではないかと思います。保有する現預金の大部分を、一気にコアとなるリスク性商品に振り向けるのではなく、リスクの大きさを確認しながら、少しずつ理想の姿に近づけていくことが重要と考えられます。

 

資産取崩し層(シニア層)における「貯蓄から投資」のイメージ/資産形成層(若年層~中年層)における「貯蓄から投資」のイメージ

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    D-170314-3


執筆者のご紹介

    藤原 延介
    ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
    資産運用研究所 所長

    大手信託銀行におけるマクロ経済調査、ロイター・ジャパンのリッパー事業部における投資信託の評価や業界分析業務を経て、2007年にフィナンシャル・ストラテジストとしてドイチェ・アセット・マネジメントに入社。付加価値の高い情報提供を目指し、独自の視点で資産運用業界の最新動向や投資環境を分析している。2015年10月より現職。

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