2016年12月19日

「意外と知らない? 投資信託の製造過程ウラ話
第3回 『Plan-Do-See』の継続で、商品の品質を向上」

ニッキン投信情報 2016年12月5日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント 資産運用研究所長 藤原 延介

 第1回2回のコラムでは、新ファンドを設定する際の様々な仕事について見てきました。新ファンドが設定されたということは、商品としてすでに発売されたということになりますが、投資信託という商品はいつも同じものではありません。このあたりは、加工食品や電化製品などと大きく異なる性質です。投資環境の変化によって、ポートフォリオの中身も日々変わっていきますので、ファンドの設定日に買った人と、その1カ月後に買った人が、違うポートフォリオを違う値段で買っているということが、投資信託の大きな特徴と言えるでしょう。今回は、商品の品質管理にあたるファンドの運用中の仕事について見ていきます。

 投資信託の品質管理という意味で、最も重要なのは、やはり運用成績(パフォーマンス)を上げるということでしょう。ファンドマネジャーを始めとして運用部門では、ファンドの運用中、パフォーマンスを向上させるべく、景気判断や銘柄調査などを継続して行っています。

 図表は、「Plan-Do-See」という運用の流れを簡単に説明したものです。計画を意味する「Plan」というプロセスは、運用計画(運用アイデア)の作成です。具体的には、ある銘柄への投資の検討であったり、特定の業種(セクター)への投資配分を増やしたり、といったアイデアを作成することが挙げられます。これを実際の行動に移すのが、「Do」というプロセスで、ポートフォリオの構築にあたります。銘柄の売買については、トレーダーが担当しますが、トレーダーも取引コストを下げてファンドのパフォーマンスに貢献するという意味で、品質管理の一部を担っています。さらに、「See」というプロセスで、その運用アイデアの実行についてレビュー(検証)を行い、ポートフォリオにもたらす効果を確認することになります。

 

図表「Plan-Do-See」の継続で、パフォーマンスを向上させる

 こうした「Plan-Do-See」という運用の流れは、1回きりのものではなく、ファンドの運用中、何度も何度も繰り返されます(複数の流れが同時進行することもあります)。つまり、「See」のプロセスが終われば、再び新しい運用アイデアの「Plan」を行うことになります。ファンドマネジャーは常にポートフォリオをより良い品質にすべく、変わりゆく投資環境や銘柄の価格変動に対応しています。

 なお、運用中のファンドの品質管理を担うのは、運用部門だけではありません。「Plan-Do-See」の「See」の部分では、ファンドマネジャー自身が、運用アイデアがポートフォリオにもたらす効果を確認するプロセスを説明しましたが、こうしたレビューやモニタリング(監視)は、運用部門の外側からも、より客観的に行っています。このように、ファンドの運用中の品質管理においては、運用部門がパフォーマンスを追求するだけでなく、運用を管理・サポートする体制もしっかりしていなければ、長期的な品質管理は実現できないのです。

 

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ニッキン投信情報 表紙

執筆者のご紹介

    藤原 延介
    ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
    資産運用研究所 所長

    大手信託銀行におけるマクロ経済調査、ロイター・ジャパンのリッパー事業部における投資信託の評価や業界分析業務を経て、2007年にフィナンシャル・ストラテジストとしてドイチェ・アセット・マネジメントに入社。付加価値の高い情報提供を目指し、独自の視点で資産運用業界の最新動向や投資環境を分析している。2015年10月より現職。

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