2016年10月17日

「意外と知らない? 投資信託の製造過程ウラ話
第1回 運用アイデアの立案から始まる投資信託の新規設定」

ニッキン投信情報 2016年10月3日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント 資産運用研究所長 藤原 延介

 今回より「意外と知らない? 投資信託の製造過程ウラ話」というタイトルで連載させて頂くことになりました。投資信託にかかわらず、どんな商品も新商品として発売された後、一定期間を経て販売の中止が決められると、製造されなくなるという商品サイクルがあります。一方で、投資信託は金融商品であるため、目に見えるものではなく、その形をお見せすることができません。本連載では、読者の方々に投資信託をより身近に感じて頂くため、投資信託の商品サイクルを解説し、投資信託の「ゆりかごから墓場まで」を明らかにしたいと考えています。設定から償還までのプロセスを紹介しながら、知っているようで知らない投資信託の一生を見ていきたいと思います。

 第1回目と第2回目は投資信託の新規設定について解説します。図表は、公募投資信託の新規設定プロセスを示したものですが、運用アイデアや商品コンセプトを策定し、販売会社への提案・交渉がスタートしてから、投資信託の設定までいくつかの重要なポイントがあります。


公募投資信託の新規設定プロセス

 まず、運用アイデア、商品コンセプトの策定というプロセスですが、これは主にファンドマネジャーや商品部門が担います。ファンドマネジャーは、自身の担当するファンドの運用成績を上げるという大切な責務がありますが、一方で、新しいファンドの立ち上げの際にも、その専門性が発揮されます。ファンドマネジャーから運用アイデアを提案するケースもありますし、営業や商品開発から投資戦略の有効性について問い合わせを受けるケースもあります。後者のケースでは、ファンドマネジャーも、その投資戦略の持続性、中長期にわたって投資家の資産形成に役立つ商品かどうかを検討します。また、ファンドマネジャーでなければ答えられないような専門的な項目についても、実際に取引を決定する立場からアドバイスを行います。

 商品部門は、商品開発段階から実際に運用が開始されるまで、すべての場面で新ファンドの設定に関わります。商品開発担当者は、運用部門と連携し、運用アイデアや商品コンセプトを策定し、さらに商品概要を確定させるという役割を担います。実際に、投資家や販売会社との交渉を経て新ファンドの設定が決まると、重要になるのが設定日までのスケジュール管理です。新ファンドを設定する際には、設定日・募集開始日・有価証券届出書の提出日は、比較的早い段階で決められることが多く、あとはその設定日に向けてさまざまな準備を進めていくことになります。このスケジュール決定のカギを握っているのがディスクロージャーとなります。次回は、新規設定に関わるディスクロージャー関連の仕事を中心に、詳しく見ていきたいと思います。

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ニッキン投信情報 表紙

執筆者のご紹介

    藤原 延介
    ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
    資産運用研究所 所長

    大手信託銀行におけるマクロ経済調査、ロイター・ジャパンのリッパー事業部における投資信託の評価や業界分析業務を経て、2007年にフィナンシャル・ストラテジストとしてドイチェ・アセット・マネジメントに入社。付加価値の高い情報提供を目指し、独自の視点で資産運用業界の最新動向や投資環境を分析している。2015年10月より現職。

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