2016年8月15日

「いまさら聞けない!?確定拠出年金
第5回 DCの資産配分、はじめの一歩は模倣から?」

ニッキン投信情報 2016年8月1日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社

 本連載の第4回(7月4日号掲載)でみたように、確定拠出年金(以下、DC)の加入者の役割では、お金の振り分け、すなわち資産配分が最も重要と言えます。今回はもう少し具体的に、どの資産クラスへどれだけ振り分けると良いのかを考えてみましょう。配分を決める方法としては平均・分散アプローチ*と呼ばれるものが代表的ですが、これにはある程度の知識と手間が必要で、DC加入者が自身で行うのは容易とはいえません。そこで、まずは長期運用の参考として、世界の年金基金の資産配分を参照してみます。グラフ1は経済協力開発機構(OECD)に加盟する先進諸国における年金基金の資産配分を示したものです。
* リターンの期待値とリスク(リターンのばらつき)から最適な配分を計算する手法。ハリー・マーコビッツが提唱し、後にノーベル賞を受賞した。

グラフ1 OECD加盟国の公的年金の資産配分(2014年時点)

 グラフ1からは、概して、複数資産への分散が行われている様子が読み取れます。なお各資産クラスでは、株式の方が債券よりも高リスク・高リターン、現預金は無リスク資産として計算されるケースが一般的です。図中の国々の配分の中身をみると各国の事情を反映して千差万別であり、31カ国中で最も株式割合の高いポーランドでは株式81.9%:債券9.5%と大部分が株式ですが、地図上で隣り合うチェコでは対照的に株式0.2%:債券89.1%となっています。現預金の割合の低さはほとんどの国で共通しているものの、それ以外の部分で唯一絶対の正解はないことがうかがえます。

グラフ2 GPIFの基本ポートフォリオ 日本の場合、株式が9%と少なくなっていますが、これは外部委託の証券投資(23%)等がその他に含まれているためです。日本については別途、厚生年金と国民年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオを示しました(グラフ2)。これは2014年10月に変更されたもので、株式と債券が半々、また全体の4割は外国の資産に投資する配分となっています。GPIFによればこの配分は、長期的に実質年率1.7%の利回りを最低限のリスクで確保することを目標に決定したとされています。

 ここまで年金基金の配分をみてきましたが、これらは経済情勢等を勘案した専門家による試算の結果であり、一つの参考にはなると考えられます。試算の前提が大きく異なるため各加入者にとっての最適配分とは必ずしも一致しないはずですが、100点満点の正解はない問題でもあり、まずは及第点を目指してスタートするのが結局は近道かもしれません。三田紀房氏の漫画『ドラゴン桜』作中のセリフに「創造は、真似ることから始まる」とあるように、最初は真似から入って、その後により望ましい配分を追求していくのも一つの方法ではないでしょうか。

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