2016年5月23日

「いまさら聞けない!?確定拠出年金
第2回 大きな進歩が期待される、DCの制度改正」

ニッキン投信情報 2016年5月9日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社

 本連載で扱う確定拠出年金(以下、DC)は長期的な発展が見込まれる分野ですが、足元でそれを後押ししそうなのが制度改正です。DCの普及・拡大に向けたこの改正案は、前国会では成立に至らず、現在継続審議となっています。当初予定の2017年1月施行こそ不透明な状況ですが、改正案は現行制度がカバーできていない対象者や社会の実情に即していない点への施策が盛り込まれており、DCの飛躍につながりうる内容です。加入者と事業者の両方にとって、引き続き重要なトピックとなるでしょう。

 改正案は下図のように、大きく3つの柱から成り立っています。第一に「企業型DCの普及・拡大」で、次は個人型が主な対象の「ライフコースの多様化への対応」、最後に既存加入者が焦点となる「DCの運用の改善」です。これら3本の柱のそれぞれについて、特に重要と思われる項目をみていきます。

①中小企業向けの簡易型DC創設
従業員数100人以下の企業を対象に、DC設立時の手続きを大幅に緩和した簡易型DCを創設。DC設立時の多岐にわたる手続きは中小企業にとって負担が大きく、DCの導入が進まない要因となっていました。中小企業での企業年金の実施割合が低下する近年、制度導入のハードルを下げることで裾野拡大が図られています。

②個人型DCの加入資格拡大
第3号被保険者(例えば専業主婦等)・企業年金加入者・公務員等共済加入者への、個人型DC加入資格の拡大。これで実質的に、20歳以上の全国民がDC加入資格を得られます。①の施策と合わせて、DCは現行制度の対象から外れている層のほとんどをカバーできるようになります。

③指定運用方法の規定見直し
加入者が商品を選択しない場合に指定運用方法(デフォルト商品)を自動購入する手続きの整備。デフォルト商品には、バランス型の投信等が想定されています。背景にあるのは、投資への苦手意識や制度理解の不足から、分散投資が十分に普及していない現状です。実際、足元で全DC残高の約6割が元本確保型に集中し、将来の積立不足や大きな加入者間格差につながりかねない状況です。運用商品のデフォルト化は運営主体にとって容易でない分、それを制度面から促す意義は大きいと考えられます。

 ここまで改正案の概要を紹介してきましたが、上記の施策で現役世代であるDC加入者が増加すれば、DCのみならず資産運用全般への関心度の向上に寄与するでしょう。また、運用面の改善が進めば、運営管理機関や運用会社も変化し、革新的なサービスの登場が期待されます。まとめれば今回の改正案は、DCが現状至らない点を改善し、更なる拡大に向けた一歩になると評価できます。ドイツの詩人ハインリヒ・ハイネが言ったように、年金制度についても「どの時代にもそれぞれの課題があり、それを解くことによって人類は進歩する」ということではないでしょうか。

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