2016年3月22日

「What’s リアル・アセット?
第6回 これからのグローバルREIT投資とは?」

ニッキン投信情報 2016年3月7日号掲載
【執筆】 ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社

 日本人の家計資産の平均像を見ると、半分以上を不動産が占めており、不動産は個人投資家に馴染みの深い資産といえます。その保有目的は主には投資家自身の居住用ですが、2001年のJ-REIT市場の創設もあり、近年では不動産投資が証券投資の選択肢として一般的になってきました。最終回となる今回は、グローバルREITの中で注目される地域をご紹介し、これからのグローバルREIT投資について考えます。

 <好調さが目立つ欧州市場>

  2015年、グローバルのREIT市場が小幅の上昇に留まる中、他REIT市場を大きく上回る好調さを示したのが欧州市場です【図表】。その背景には、いくつかの要因が挙げられます。まず、欧州中央銀行(ECB)が国債買入れを含む量的緩和策を決定したことや、さらなる追加の金融緩和策が期待されたことです。中央銀行が緩和的な金融政策を導入・継続すると金利は低下しやすく、一般事業会社に比べ負債比率が高い傾向にあるREITにとっては、金利負担の軽減を通じてプラスの影響を与えます。また、REITは高利回り資産として見られるため、長期金利の低下は相対的にREITの魅力度を高めます。次に、不動産ファンダメンタルズの順調な回復が見られたことです。物件供給は、主要セクターを中心に引き続き低水準に留まる一方、需要は景気の緩やかな回復基調を背景に堅調です。最後に、内需中心の不動産市場は、海外要因による影響が限定的となったことです。2015年は中国の景気減速懸念が高まる局面が何度か見られ、中国向けの輸出が多い欧州の株式市場の変動性は高まりましたが、REIT市場への影響は限定的となりました。

 <REIT市場の発展>

  欧州のREIT市場の歴史は、実はそれほど長くありません。世界で最大の市場である米国は1960年代にREIT制度を導入し、1990年代に市場が急拡大しました。オーストラリアは1970年代、日本は2001年にREIT制度が導入されました。それに比べると、欧州の主要国は、フランスが2004年、ドイツが2006年、英国が2007年と歴史は長くありません。しかし近年、市場は拡大傾向にあります。不動産バブル崩壊で苦境を経験したスペインやアイルランドもREIT制度を導入し、既にいくつかのREITが上場を果たしています。また、更なるREIT市場の発展に向けた制度改正も行われています。例えば、英国では2012年に不動産会社等のREIT転換時に課税されるエントリーチャージが撤廃され、スペインでは2013年に実質非課税方式の採用を含む大幅な制度改正が実施されました。イタリアでは2014年に配当要件が85%から70%に引き下げられ、キャピタルゲイン課税の免除等が実施されました。米国市場は1990年代の制度改正をきっかけに市場が拡大したこともあり、欧州市場もREIT制度導入や制度改正により今後の更なる発展が期待されます。



出所:ブルームバーグのデータを基にドイチェ・アセット・マネジメント(株)が作成

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