2015年7月21日

「知ってトクする!長期安定成長型の運用
第4回 債券運用─米国利上げ局面で国債より選好された社債」

ニッキン投信情報 2015年7月6日号掲載


 長期安定成長型の債券運用として前回は、社債クーポン(利率)は国債利回りに上乗せされる形で決まることなどをみました。今回は、債券運用の弱点である市場金利の急上昇への備えとしての社債の役割をみてみましょう。

【債券運用の弱点─市場金利の急速な上昇】
債券は、投資家から資金を調達する際に発行される、いわば「借用証書」です。債券価格は変動しますが、満期(償還)日が近づくと「返済」される元本金額(償還価格)に近づく特徴があります。株式等と比べ、価格が際限なく上昇/下落することが無いことに加え、値上がり益(キャピタルゲイン)よりも利息収入(インカムゲイン)を毎期積み上げていく性格が強い点などで、より安定的な運用と言えます。

債券運用にも弱点があります。市場金利の急速な上昇です。ポートフォリオに組み込まれた個別の債券をそれぞれ満期まで保有すれば問題無いのですが、満期前に売却すれば債券価格は下落します。例えば、年利1%のクーポンの債券を保有している時に、市場金利が2%に急上昇したら、その時以降に新たに発行される年利2%の債券の方が魅力的となります。そのままでは年利1%の債券には買い手がつかないため、1%と2%のクーポン収入の差に見合う分だけ債券価格は下落するのです。一方、市場金利の上昇がゆるやかであれば、満期がきた債券等を新たに発行される債券に順次、入れ替えて、ポートフォリオの利回りを高めることが可能です。

【市場金利上昇への備えとしての社債の役割】
市場金利の急上昇は債券運用にとって好ましくありませんが、信用力が高めの投資適格社債(以下、社債)については、別の見方ができるかも知れません。例えば米連邦準備制度理事会(FRB)による2004年6月の利上げ開始の前の時期における社債の動きを振り返ってみましょう。

当時、社債のスプレッド(米国国債に対する利回り差)は大きく縮小しました(図表参照)。言い換えると、国債と比べ、社債が買われやすい傾向となりました。市場で景気の改善が意識され、利上げへの警戒感が高まる中、国債利回りに上昇(価格には下落)圧力がかかったのです。このため、国債よりもクーポンに上乗せのある社債が選好されやすかったことなどが社債スプレッド縮小の原因になったと考えられます。より長期間、社債で運用すればクーポンの上乗せ分が積み上がり、金利急上昇の影響を軽減するバッファー(緩衝)ともなり得ます。景気循環サイクルに伴って周期的に出現する市場金利の上下動、とりわけ急上昇に対し、その影響を軽減する役割もある社債は、長期にわたる安定運用に適していると言えます。

【要点】

  • 債券運用はインカムゲインを積み上げる安定的な運用ながら、市場金利の急上昇には弱い。
  • 投資適格社債であれば、市場金利上昇への備えとしての役割も有し、長期の安定的な運用に適する。

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