2015年6月15日

「知ってトクする!長期安定成長型の運用
第3回 債券運用─市場での社債クーポン等の決まり方」

ニッキン投信情報 2015年6月1日号掲載


 長期安定成長型の債券運用として前回は、デフォルト(債務不履行)確率が低め、すなわち信用力が高めの債券で運用するには、主要先進国の国債に限らず、社債も運用対象となり得ることをみました。今回は、そうした社債がどのように発行されるのか、起債実務の流れを概観し、(1)社債クーポン(利率)は国債利回りに上乗せされて決まることや、(2)信用力が高めの企業は国債並みの超長期債を発行できることをみてみましょう。

【社債クーポンは国債利回りに上乗せされて決まる】
企業は向こう数年間の事業遂行の拠り所として、中期経営計画を策定するのが一般的です。中期経営計画を立案する際には同時に、設備投資など事業遂行に必要な資金の調達計画も策定します。資金調達計画において社債を発行する方針が固まれば、起債の諸準備に入ります。社債発行の主幹事となる金融機関(アレンジャー)を選任したり、格付け取得や投資家向け説明会(ロードショー)等の準備をします。アレンジャーは、大口の投資家に聞き取り調査をして需要動向を探ります。そして、需要調査の結果や市場環境等を踏まえて、クーポンや年限などの発行条件が固まると、企業は最終的に社債を発行するか否か判断するのです。その際、クーポンについては、国債利回りにどれだけ上乗せするかで決められます。投資家は、信用力(格付)等にふさわしいと考えられる上乗せ幅の範囲内で、より多くの上乗せ幅を求めます。一方、資金を調達したい企業は、社債に投資してくれる投資家を集めるのに最低限必要な上乗せ幅にとどめて金融費用を節約したいと考えます。両者が歩み寄れず、それぞれが希望する上乗せ幅の乖離が大きいままであれば、企業は社債発行を断念することもあります。こうしてクーポンは、市場で需要と供給がバランスするような上乗せ幅で決まり、社債が発行されるのです。

【信用力が高ければ長期債を発行できる】
社債を償還(満期)日まで保有し続ければ通常、投資家は元本を回収できますが、発行年限が長いと、その間に信用力が悪化する可能性も高まるため、年限が長い社債は投資家に敬遠されがちです。このため信用力が低い企業が長期債を発行するのは難しい一方、信用力が高い企業は、クーポンを高めにするなど魅力的な発行条件を提示することで投資家の需要を集め、長期債の発行も可能となります。業種別にみると、信用力の高い業種の一つとして電力・ガス会社等の公益事業セクターがあります。実際にグローバルに事業展開する公益企業などでは、10年債にとどまらず、30年債など主要先進国の国債並みの超長期債を発行できる企業も少なくないようです。



【要点】

  • 社債のクーポンは、国債利回りに上乗せされる形で決まる。
  • 信用力が高めの企業は国債並みの超長期債を発行することも可能。

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