2015年5月25日

「知ってトクする!長期安定成長型の運用
第2回 債券運用─格付記号の本当の意味は?」

ニッキン投信情報 2015年5月11日号掲載


【信用力を示す格付記号】
債券運用の第一歩は、債券の信用力をしっかり見極めることから始まります。債券の信用力とは、「債券の元利払いはどのくらい確実か?」を示す概念です。もしも債券を発行する企業(や政府)の財務(財政)状況等の悪化が進むと、投資家は期日に債券の利子や元本を受け取れなくなる事態、すなわちデフォルト(債務不履行)に直面します。そこで信用力の見極めが重要となります。もっとも、債券ポートフォリオを運用する運用会社等にとって、多数の債券一本一本について信用力を自前で全て調べるのはかなりの負担です。そこで格付会社が、財務状況等を調べて信用力を見極め、その結果をA格やBBB格などシンプルな格付記号を使って示してくれるのです。

【信用力─相対比較と絶対水準】
格付記号が示す相対的な信用力の高低、例えば、「A格はBBB格よりも信用力が高い」というのはよく知られています。しかし、格付記号が示す絶対的な信用力の水準は、意外と知られていません。格付会社は、過去の何十年にもわたる膨大なデフォルト実績データを集計して、「当初、格付がXであった企業等がY年経過後にデフォルトした確率はZ%であった」という過去の実績値(累積デフォルト率)を一覧表にして公表しています。そのうち、信用力の絶対的な水準を示すと言われているのは「5年経過後にデフォルトした確率」です。格付会社が格付を判断する際には、「現時点の財務状況等では、5年経過後にはどのくらいの確率でデフォルトするだろうか」と考えます。例えばそれが20%、すなわちB格の企業が5年経過後にデフォルトした確率(実績値、後述)に近いと判断されれば、B格が付与されるのです。

【格付記号が意味する意外な信用力の差】
具体的に、格付会社スタンダード&プアーズが集計した5年経過後のデフォルト確率(実績値)をみてみましょう(図表参照)。当初CCC格(Cを含む)であった企業がデフォルトした確率は47%、B格では20%、BB格では8%であり、信用力の差は歴然です。投資適格級ではどうでしょうか。当初BBB格であった企業は2%、A格では0.6%、そしてAA格及びAAA格ではともに0.4%と、その差は意外にもごく僅かです。このデフォルト確率は社債も国債もほぼ同じ傾向があります。つまり、信用力が高めの社債であれば、日本(AA-)、米国(AA+)、ドイツ(AAA)など主要先進国の国債と比べても、格付会社が集計した5年経過後のデフォルト確率という点では、大差は無いことが分かります。長期安定成長型の債券運用を考えていく上では、デフォルト確率が比較的低く、信用力が高めの債券で運用することは望ましい方向性の一つです。その際、主要先進国の国債に限らず、投資適格社債についても選択肢とすることで、投資対象を広げることができます。



【要点】

  • 投資適格級の企業(社債)については、格付別のデフォルト確率の差はごく僅か。
  • 長期安定成長型の債券運用においては、投資適格社債が選択肢の一つに。

 


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