2019年6月28日

5月31日に金融庁が平成30年12月末時点における「NISA口座の利用状況調査」の確報値を発表しました。今年2月には速報値が発表されていましたが、今回の確報値ではより詳細なデータが公表されています。まずは全体のデータを確認しましょう。
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20190524.html

NISA口座開設数の推移

NISA口座における累計買付額

上のグラフにある通り、NISAスタートから5年間の累計買付額は15兆8,438億円で、年平均で3兆円強と安定的に推移しています。その内訳を見ると、やはりスタートが早かった一般NISAが15兆6,343億円で全体の98.7%と大部分を占めており、つみたてNISAが0.6%にあたる932億円、ジュニアNISAが0.7%にあたる1,164億円にとどまっています。以下では、確報値の公表で明らかになった一般NISA口座における商品別の動向を見ていきましょう。

一般NISA口座における商品別の累計買付額(億円)

NISAスタート以降の累計買付額を上のグラフで確認すると、引き続き上場株式と投資信託が中心になっており、2018年末時点で上場株式が全体の39.7%にあたる6兆2,125億円、投資信託が57.7%にあたる9兆246億円となりました。累計買付額でみると、依然として6割弱を投資信託が占める計算となりますが、2016年以降は、投資信託よりも上場株式(個別株式)の買付でNISA口座が活用される比率が高くなっているようです。以下では、年次の商品別の買付動向を確認しましょう。

一般NISA口座における商品別買付額(億円

2018年の一般NISA口座における買付額は3兆1,018億円と、2017年の3兆1,229億円とほぼ同水準ながら、2年ぶりの減少となりました。商品別に見ると、2018年の上場株式の買付額は1兆4,888億円と、2017年の1兆3,218億円から増加すると ともに、4年連続の増加となっています。一方、2018年の投資信託の買付額は1兆5,347億円と、2017年の1兆7,262億円から大きく減少し、全体に占める比率は49.5%と5割を下回りました。一般NISA全体の買付額に占める投資信託のシェアは2014年の65.3%をピークに、ほぼ一貫して低下基調となっています。2018年にスタートしたつみたてNISAの932億円のほぼ全額が投資信託(うち3,406万円がETFの買い付け)となっているため、これを足せば5割は超えますが、それでも2017年の投資信託の買付額には届かない状況です。NISA口座における投資信託の活用は、投資初心者や長期投資の動きを示す目安の1つと考えられることから、引き続き投資初心者や資産形成層に投資の裾野を広げることが重要といえるでしょう。

最後に、相対的に現役世代の存在感が大きいNISA口座における積立投資の状況を見ておきましょう。2018年12月31日時点での積立投資設定額(年間で積み立てるものとして設定されている金額の合計額)は、一般NISAで2,099億円、つみたてNISAで741億円、合わせて2,840億円相当ということになります。ただし、このデータは、2017年までは毎月の設定額として開示されていたことからデータの継続性がなく、ここではグラフ等は割愛します。以下では、過去5年分のデータが遡れる積立投資契約件数の推移を見ていきますが、一般・つみたてNISA合計で230万件に達したことが確認できます。特筆すべきは、つみたてNISAのスタートによって、20-40歳代における契約件数の 比率が大きく伸びていることです。2016年末時点で42.0%だった40歳代以下の比率は、2017年末に41.1%に低下した後、2018年末には47.8%となっており、つみたてNISAによる現役世代のすそ野拡大は一定の効果が見られたと言えます。つみたてNISAの投資金額は2018年で932億円とまだまだ限定的ではあるものの、確実に投資信託の活用につながる部分でもあり、今後の積み上げが期待されます。

(一般・つみたて)NISA口座における積立投資契約件数

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