2019年1月31日

2018年の投資信託の資金動向をまとめました。運用コンサルティングを手掛けるイボットソン・アソシエイツのデータを用いてETFを除く追加型株式投信の純設定額を集計したところ、2018年は年間で+4兆986億円と2017年の+2兆9,555億円を上回り、2年連続で資金流入が加速するとともに3年ぶりの高水準となりました。ただし、2018年前半(1-6月)の+2兆9,825億円に対して、年後半(7-12月)は+1兆1,161億円と急減速しており、年末にかけて株式相場が急落する中で、資金フローも失速したと言えそうです。以下、投資対象別の8区分(※)の純設定額の推移を見ていきましょう。

※投資対象別の8区分・・・イボットソン・アソシエイツ(https://www.ibbotson.co.jp/)の提供するイボットソン分類を用いて、「国内株式」、「国内債券」、「国内REIT」、「外国株式」、「外国債券」、「外国REIT」、「アセットアロケーション」、「その他」の8分類に区分。国内短期金融資産という分類は「国内債券」に、また、コモディティ、デリバティブ、ヘッジファンドで始まる分類は、「その他」として集計。

国内公募・追加型株式投信(除くETF)の投資対象別 純設定額の推移【年次】

国内公募・追加型株式投信(除くETF)における年次の純設定額ランキング( 「その他」を除く投資対象別)

2018年に最も資金流入額が大きかった資産クラスは、2017年もトップだった外国株式型の+3兆1,105億円で、2017年の+3兆3,666億円とほぼ同水準の資金流入額となりました。2位は国内株式型の+1兆9,910億円で、2017年に記録した-1兆1,879億円の資金流出から3年ぶりにプラスに転じています。国内株式型は2016年、2017年と好調な相場で利益確定売りが見られましたが、2018年は日本株相場下落の中で、押し目買いの動きも広がったようです。3位はアセットアロケーション型の+1兆3,105億円と2017年の+1兆337億円から加速し、5年連続の資金流入を記録するとともに2007年以来の高水準となりました。

4位の国内債券型までは+2,133億円と資金流入を記録しましたが、それ以外の資産クラスは資金流出となりました。年4回にわたる米利上げが決定される中で、外国債券型が-1兆4,641億円と2年ぶりにマイナス、外国REIT型が-1兆538億円と2年連続のマイナスとなりました。また、国内REIT型も-1,327億円と2年連続の資金流出に見舞われています。続いて、個別ファンドの純設定額ランキングを見てみましょう。

ETF除く追加型株式投信における2018年の純設定額(=設定額-解約額) 上位30ファンド

上のランキングをみると、上位10本のうち8本が外国株式型となっており、そのうち6本がテーマ型のファンドとなっています。テーマ型の外国株式ファンドは上位30本でも10本がランクインしており、2017年に続いて、テーマ型ファンドが外国株式型の資金流入を牽引しています。外国株式型としては、2017年はインド株を中心に新興国関連のファンドも目立ちましたが、こちらは2018年の新興国市場の変動性の高まりを受けて、13位と21位の2本にとどまりました。

また、アセットアロケーション型ファンドとともにラップ/SMA専用ファンドも引き続き上位にランクインしています。これらのラップ/SMA専用ファンドは国内債券型、外国債券型に分類されていますが、ラップ口座を通じて投資一任運用を行う中で選ばれたファンドであり、投資家の立場ではアセットアロケーション型の商品を選んでいるとも言えます。そこで、先述の8区分からラップ/SMA専用ファンド分を引き、ラップ/SMA専用ファンドを独立の区分として9区分で集計し直したものが以下のグラフです。

国内公募・追加型株式投信(除くETF)の投資対象別(ラップ/SMA専用を別区分) 純設定額の推移【 年次】

国内公募・追加型株式投信(除くETF)における年次の純設定額ランキング(ラップ/SMA専用ファンドをアセットアロケーション型に合算)

ラップ/SMA専用ファンドの純設定額は2018年に+1兆1,183億円と、2017年の+7,345億円から加速し、3年ぶりの高水準となりました。ラップ/SMA専用ファンドを除くアセットアロケーション型は+1兆3,068億円の資金流入となっており、合計すると+2兆4,251億円となります。上のチャートで、ラップ/SMA専用ファンドとアセットアロケーション型の分類を合計したものがピンク色の網掛けとなっている「アロケーション+ラップ」ですが、これを見ると国内株式型を抜いて、外国株式型に次ぐ2位となります。

ラップ/SMA専用ファンド、アセットアロケーション型で、それぞれ月間1,000億円程度ずつの資金流入があった計算となり、アセットアロケーション運用を通じて預り資産残高を積み上げる動きは、2018年も続いていたと言えます。それでも、年後半の株式相場の下落を受けて、年末にかけて資金流入額は減速しています。とりわけ、ラップ/SMA専用ファンドは昨年11月に+461億円、12月に+148億円と資金流入が急減速しており、これまで以上に投資家に資産運用の意義を伝えることが重要な局面に来ていると思われます。

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