2018年7月26日

1‐3月期のNISA統計!つみたてNISA最初の3カ月は50万口座超え、買付額111億円でスタート。

— つみたてNISA最初の3カ月は50万口座超えで、すその拡大に大きく寄与。買付額は111億円でスタート。— NISA口座の買付額は4四半期連続で前年同期を上回るも、投資信託の比率は3四半期連続で低下。— 投資家のすそ野拡大に向け、つみたてNISAの更なる普及と一般NISAでの投資信託の活用に期待。

7月2日に金融庁が平成30年3月末時点における「NISA口座の利用状況調査」※1を公表しました。今回の調査は2018年1-3月期のNISA口座の利用状況をまとめたものであり、2018年1月に買付がスタートした「つみたてNISA」の状況が分かる初めての統計でもあったことから、その内容が注目されました。なお今回の調査より、成人向けのNISAは一般NISAとつみたてNISAに分けて集計されています。まずはタイプ別の口座開設数から確認しましょう。

※1:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20180702-1.html

NISA口座開設数の推移

2014年1月にNISA(現在の一般NISA)がスタートしてから4年3カ月が経過しましたが、2016年4月よりジュニアNISA、2018年1月よりつみたてNISAの買付が始まり、2018年3月末時点におけるNISA口座開設数は、3タイプ合計で1,194万9,078件に達しました。このうち、つみたてNISA口座は全体の4.2%に当たる50万7,462件となっています。2015年8月のチャイナ・ショックをきっかけとした金融市場の混乱などを受けて、2016年頃からNISAの口座開設数の伸びに陰りが見られましたが、2018年1-3月の口座開設数は大きく伸びたことが確認できます。2017年12月末比では+69万8,941件と、2015年以降の四半期ベースで最大の増加幅となっています。

この増加の背景としてはやはり、つみたてNISAという新しいNISA口座のスタートが挙げられるでしょう。つみたてNISAの当初3カ月の増加分(50万7,462口座)は、1-3月期の増加分の73%を占めています。金融庁が合わせて公表した「NISA(一般・つみたて)の現状」※2という資料によると、つみたてNISA口座の開設において、新規の口座開設が全体の66%、非稼動の一般NISA口座からの切替えが11%、稼動している一般NISA口座からの切替えが23%を占めています。そういった意味でも、つみたてNISAの創設によって、投資家のすそ野を広げる効果は大きかったと考えられます。

※2:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20180702-1/01.pdf

NISA口座のタイプ別買付額(億円)

続いて、NISA口座のタイプ別の買付額の状況を確認しましょう。上の表とグラフで示したように、累計買付額で見ても、1-3月の買付額で見ても、一般NISAの金額が圧倒的に大きい状況です。つみたてNISAは口座数ではすでに全体の4.2%を占めていますが、1-3月の買付額では0.8%の111億円にとどまっており、ジュニアNISAの190億円よりも小さい買付額となっています。暦年で投資枠が決まっているため、一般NISA、ジュニアNISAは1-3月に買付が増加するという季節性がある一方、つみたてNISAは年後半にかけて口座数の増加とともに買付額が増えるという特徴がありそうです。いずれにしても、つみたてNISAにおける1-3月期の買付額が1口座あたり2万円強であることを勘案すると、口座数の大幅な増加が期待されます。

次に、NISA口座の利用状況について商品別の動向など詳しく見ていきます。つみたてNISAは1-3月期で111億円と影響が軽微であることから、以下では過去に遡って分析が可能な一般NISAを分析対象とします。NISAスタート以降の累計買付額を下のグラフで確認すると、引き続き上場株式と投資信託が中心になっており、ETFやREITを直接買い付ける投資家は多くないことが確認できます。2018年3月末時点で上場株式が38.8%にあたる5兆4,058億円、投資信託が58.6%にあたる8兆1,642億円となっており、累計買付額でみると、依然として6割近くを投資信託が占める計算となっています。

一般NISA口座における商品別の累計買付額(億円)

続いて、四半期毎の商品別の買付動向を見てみましょう。2018年1-3月期の一般NISA口座における買付額は1兆3,963億円で、前年同期比で見ると+22.8%と1-3月期としては3年ぶりに増加しました。なお、前年同期比で増加するのは2017年4-6月期から4四半期連続となっており、投信販売が今年1-3月までの1年間で回復基調だったことがうかがえます。

四半期ごとの商品別のシェアを見ると、2018年1-3月期における投資信託の比率は48.3%と3四半期連続で低下し、過去最低の比率となりました。つみたてNISAの111億円(億円単位での影響はないが、ETFの493万円が含まれている)を加えても、投資信託の比率は50%に届かず、NISA口座における投資信託の活用が停滞していると言えます。投資信託の活用は、個別株式と比べれば、投資初心者や長期投資の動きを示す目安の1つであることから、同比率の上昇は投資家のすそ野拡大に向けて重要になります。全ての投資家が投資信託(一部はETF)を通じた積立投資を行うつみたてNISAの更なる普及も含めて、NISA口座における投資信託の活用が広がっていくことが期待されます。

一般NISA口座における商品別買付額(億円)

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