2018年6月11日

日本株ファンドの資金フロー改善! 流入継続のためにはアクティブ型の人気が不可欠。

— 1-3月の日本株相場の混乱にもかかわらず、日本株ファンドが6カ月連続の資金流入を記録。— 国内株式型に占めるインデックス運用の比率は、ETFを含めると8割、ETFを除くと20%台にとどまる。— インデックス型は短期資金の影響が大きく、資金流入継続にはアクティブ型の人気が不可欠。

2018年に入って国内株式型(日本株ファンド)への資金フローが改善しています。3月に外国株式型を上回って、資産クラス別の資金流入額でトップとなるとともに、4月まで6カ月連続の資金流入を記録しました。今回のドイチェ・リポートHighlightsでは、1月下旬以降の日本株相場の急落、その後の相場回復の中で、アクティブ運用、インデックス運用の資金がどのように動いたかを確認したいと思います。

国内公募投信の中で、日本株ファンドにおいてはETFの存在感が大きく、ETFを含めるかどうかで、アクティブ運用とインデックス運用の比率は全く違った特徴を示すことになります。まずは、ETFを含めた場合、含めない場合のそれぞれの国内株式型の残高内訳を見てみましょう。

国内公募投信(単位型・ETF含む)における国内株式型ファンドのアクティブ運用/インデックス運用の残高

国内株式型ファンドにおけるインデックス運用の比率は、2007年の40%台から足元で80%に到達するまでほぼ一本調子に上昇していることが確認できます。とりわけ2013年以降のアベノミクス相場においては国内株式型ファンドの残高自体も増加しており、2012年末時点の8.9兆円から2018年4月に43.2兆円まで増加する中で、インデックス運用の比率も上昇しているということになります。ただし、アベノミクス以降のETF市場の急拡大には日本銀行によるETF買入れが大きく寄与していることも認識する必要があります。日銀は2010年12月からETFの買入れを開始しましたが、2013年4月の量的・質的金融緩和でETFの買入れを年間1兆円ペースに拡大、さらに2014年10月に3兆円ペース、2015年12月に3.3兆円ペース、2016年7月には6兆円ペースに拡大しており、国内公募ETFにおける日銀の存在感はきわめて大きくなっています。そこで、その影響を除くために、ETFを除く国内株式型ファンドで集計し直すと次の通りとなります。

国内公募投信(単位型含む・ETF除く)における国内株式型ファンドのアクティブ運用/インデックス運用の残高

上のグラフが、個人投資家における投資信託を通じた日本株投資の状況を反映しているものと言えますが、その中でのインデックス運用の比率は2017年以降、低下傾向にあり、2018年にやや上昇しているものの、今年4月時点での比率は26%にとどまっています。日本株ファンドの残高自体は4月末時点で11.2兆円と2007年以降で最大となっているものの、インデックス運用の比率が増えておらず、アクティブ運用が主導で残高が拡大しているものと考えられます。以上、国内株式型におけるアクティブ運用とインデックス運用の残高を確認したところで、それぞれの純設定額(=資金流出入)の推移を見てみましょう。

国内公募投信(単位型含む・ETF除く)における国内株式型ファンドのアクティブ運用/インデックス運用の純設定

上の純設定額のグラフを見ると、2013年、2015-16年、足元の6カ月における継続した資金流入局面では、アクティブ運用が主導していると言えます。一方で、2014年11月や2016年12月のように日本株が大きく上昇し、利益確定売りに見舞われるような場面では、インデックス運用で大きな資金流出が起きていることも確認できます。

足元でも今年1-3月に日本株が下落した場面ではインデックス運用に資金流入が見られましたが、日本株が3カ月ぶりに反発した今年4月には、インデックス運用は資金流出に転じています。低コストのインデックス運用を活用した長期投資の動きが広がる一方で、やはりノーロード(販売手数料ゼロ)を背景とした短期的な資金の影響も強く出ているものと考えられます。日本株ファンドへの資金流入が継続するためには、安定的な日本株相場の上昇に加えて、投資家の信頼を得た質の高いアクティブ型ファンドの存在が、当面は不可欠と言えそうです。

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