2018年5月21日

NISA4年間の累計買付額は12.5兆円に! 2017年に大きく伸びた積立投資の更なる普及が重要に。

— 2017年末のNISA累計買付額が12.5兆円に達し、2017年の買付額は3兆1,229億円と2016年を上回る。 — 2017年のNISA買付額に占める投資信託の比率は55.3%と、2016年を上回るも2014‐15年に届かず。 — 積立投資設定額は70歳代が牽引し大きく伸びるも、現役世代を中心とした更なる普及が重要に。

4月27日に金融庁が平成29年12月末時点の「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査(確報値)」*を公表しました。2014年1月からスタートした成人向けのNISAは、これでちょうど4年分のデータが出揃ったことになります。2017年末時点における4年間の累計買付額は12兆5,325億円と着実に増加し、年3兆円を超えるペースの買付額となっています。ただし、金融庁が当初目標に掲げていた「2020年までに投資総額25兆円」を年間3.6兆円ペースと見れば、当初4年間はこれを下回るペースで推移している計算となります。なお、2017年末時点のNISA口座における残高は7兆6,926億円となっており、分配金払出しに加えて一定の解約も出ていることが確認できます。以下、NISA口座における買付状況について、商品別の動向から見ていきましょう。
* https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20180427-1.html

成人NISA口座における商品別の累計買付額(億円)

NISAスタート以降の累計買付額を上のグラフで確認すると、引き続き上場株式と投資信託が中心になっており、2017年末時点で上場株式が全体の37.7%にあたる4兆7,237億円、投資信託が59.8%にあたる7兆4,899億円となりました。累計買付額でみると、依然として6割程度を投資信託が占める計算となりますが、2015年夏以降の円高・株安による長期投資意欲の減退などもあり、2016年以降は、投資信託よりも上場株式(個別株式)の買付でNISA口座が活用されることが多くなっているようです。続いて、年次の商品別の買付動向を確認します。

成人NISA口座における商品別買付額(億円)

2017年のNISA口座における買付額は3兆1,229億円と、2016年の2兆9,651億円から2年ぶりの増加に転じました。商品別に見ると、2017年の上場株式の買付額は1兆3,218億円と、2016年の1兆2,364億円から増加するとともに、3年連続の増加となっています。一方、2017年の投資信託の買付額は1兆7,262億円と、2016年の1兆6,340億円から増加したものの、2014年、2015年の水準には届かないという状況です。なお、金額は大きくないものの、ETFは419億円と前年比で初めての減少、REITは330億円と2年連続の増加となっています。

全体の買付額に占める投資信託のシェアは2014年の65.3%から、2015年に63.0%、2016年に55.1%と低下した後、2017年は55.3%と下げ止まりました。NISA口座は投資枠の再利用が出来ないなどの特徴から投資信託に向くとされていましたが、そうはなっていない現状がうかがえます。投資信託の活用は、投資初心者や長期投資の動きを示す目安の1つと考えられることから、引き続き投資初心者や資産形成層の開拓が重要といえるでしょう。続いて、NISA口座における年代別の買付状況も確認しておきましょう。こちらは金額的には小さいですが、参考までにジュニアNISAのデータも加えています。

年代別のNISA・ジュニアNISA口座の累計買付額(億円)/年代別の累計買付額のシェア(2017年末)

年代別の累計買付額で見ると、引き続き投資信託市場の既存投資家層の中心といわれるシニア層の存在感が大きくなっています。上のグラフで累計買付額における60歳以上の比率を見ると、2017年末時点で58.6%と、2016年59.1%、2015年59.8%、2014年60.8%からシェアは低下傾向にあるものの、80歳代の累計買付額のシェアが上昇するなど、依然として6割近い水準となっています。2016年4月から買付がスタートしたジュニアNISAの買付額は666億円と、そのシェアは0.5%にとどまっています。そういった意味では、やはり現役世代を中心に若い世代の投資を推進していくことが欠かせません。

最後に、相対的に現役世代の存在感が大きいNISA口座における積立投資の状況を見ておきましょう。このデータは「毎月の積立額として設定されている金額の合計額」と定義され、2017年12月31日時点では月額ベースで387億円(年率換算で4,648億円相当)の積立投資設定額があるということになります。2015年末と2016年末は262億円で横ばいだったことから、2017年に積立投資設定額は大きく伸びたと言えるでしょう。

このうち、40歳代までの動向を見てみると、2017年末の積立投資設定額としては131億円と、2014年の54億円から、2015年には86億円、2016年には99億円と順調に伸びています。一方で、全体に占める比率を見ると、2017年の伸びを牽引したのは、70歳代の積立投資(シェアは14.8%から21.2%に急上昇)であったことが確認できます。70歳代の投資であっても時間分散の観点から積立投資を行うことに意義があると考えられますが、積立期間は限定的であると言わざるを得ません。2018年から始まった「つみたてNISA」の普及も含め、積立投資の資金が継続的にNISA口座に向かうことは重要な課題であり、NISA全体の買付額が相場に左右されにくくなるためにも、現役世代を中心とした積立投資の更なる普及が望まれます

NISA口座における積立投資設定額(毎月の積立額、億円)

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