2017年7月26日

ドイチェ・リポートHighlights_Vol.19-家計金融資産が3四半期ぶり減少も1,800兆円台を維持!外貨建て資産の保有割合は停滞続く。

— 3月末の家計金融資産残高が過去最高となった昨年末から3四半期ぶり減少も、1,800兆円を維持。 — 1-3月期は円高・株安の環境下で、株式・出資金と投資信託が3四半期連続の資金流入を記録。 — 外貨預金、対外証券投資は3四半期ぶり資金流出となるなど、外貨建て資産の保有は停滞続く。

6月27日に日本銀行が2017年1-3月期の資金循環統計を発表しました。1-3月期は、昨年11月以降のトランプ政権への期待の反動などで米ドルが対円で-4.8%、日経平均株価が-1.1%と、円高株安が進みました。こうした金融市場の動きを受けて、2017年3月末時点の家計金融資産残高は前期比-0.3%の1,809兆3,973億円と、過去最高を記録した2016年12月末時点の1,814兆8,159億円から3四半期ぶりに減少したものの、1,800兆円の大台は維持しています。以下、主要金融商品について、足元の家計金融資産の状況を確認します。

家計金融資産における主要金融商品の残高シェアの推移

上のグラフは、各金融商品が家計金融資産全体に占めるシェアですが、「現預金(外貨預金を除く)」の比率が51.2%と3四半期連続で低下する一方で、リスク資産である「株式・出資金」と「投資信託受益証券」(以下、投資信託)は3四半期連続で上昇していることが確認できます。家計金融資産に占める投資信託のシェアは、2015年6月末時点の5.5%から2016年6月末には4.9%と一時5%を割り込んだものの、その後は再び上昇に転じ5.4%となっています。なお、外貨建て資産に投資する金融商品としては、外貨預金のシェアはほぼ横ばいながら2四半期連続で低下したほか、対外証券投資のシェアも2四半期ぶりに低下しており、円高米ドル安による評価額が響いたものと考えられます。続いて、主要金融商品の資金フローを見てみましょう。

家計金融資産における主要金融商品の資金フローの推移

上のグラフを見ると、「現預金」は賞与の影響などから季節性が見られる一方で、「株式・出資金」は1-3月期に+4,847億円と4四半期ぶりに資金流入となるなど、日本株が下落した局面では買われるという逆張りの関係を読み取ることができそうです。また、投資信託は+2兆3,558億円と3四半期連続の資金流入となっており、3月期末の効果もあったものと考えられますが、資金流入トレンドが続いていると言えるでしょう。

「国債・財融債」は、個人向け国債の償還がピークを越えたことに加えて、日銀のマイナス金利政策で適用利率に下限が設けられた個人向け国債を見直す動きが広がったことで、1-3月期は+9,054億円と33四半期ぶりの資金流入に転じています。なお、外貨建て資産に投資する金融商品としては、外国証券や外国投資信託が含まれる「対外証券投資」が-9,304億円、「外貨預金」が-608億円とそれぞれ3四半期ぶりの資金流出となっており、円高外貨安を受けて個人投資家の外貨に対する見方がやや慎重になった可能性が考えられます。

最後に、家計部門の外貨建て金融資産の残高も確認しましょう。定義としては資金循環統計における外貨預金、対外証券投資に加えて、公募投資信託のうち、投資対象が日本のみとなっているファンド(日本株ファンド、日本債券ファンド、J-REITファンド、日本のみのバランス型ファンド)を除いた株式投信を集計したものです。

家計金融資産における外貨建て資産の残高(推計)

上のグラフが家計金融資産における外貨建て資産の残高推移を示したものですが、2017年3月末時点で75兆2,642億円と2016年末の75兆5,707億円から小幅ながら減少しています。また、家計金融資産全体に占める外貨建て資産の比率は4.2%とほぼ横ばいで推移していますが、2014年末や2007年末の4.7%に届いていません。国内の低金利環境が続く中で、外貨建て資産を活用する動きは継続しているものの、投資家のインフレや為替相場に対する見方によって一進一退の状況になっていると言えそうです。

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