2017年6月20日

ドイチェ・リポートHighlights_Vol.17-5月新規設定本数が14年ぶり低水準! 投信販売で長期の運用実績を重視する流れ継続へ。

— 5月の新ファンド設定本数が18本と14年ぶり低水準で、当初設定額も3カ月連続で1,000億円下回る。 — ビッグデータを投資戦略に活用したファンドなどフィンテック関連の大型設定続くも、散発的な可能性。 — 既存ファンドを活用する販売モデルへの転換を受けて、長期の運用実績を重視する流れが継続へ。

5月の新規設定ファンドは、設定本数が18本と4カ月連続で減少し、2003年5月(18本)以来14年ぶりの低水準となりました。6月1日付の日本経済新聞朝刊「投信設定、14年ぶり低水準 5月18本どまり」という記事にあるように、「販売の現場では長期運用の定着に向け、歴史の長い既存投信へと軸足が移ってきている」と言えるでしょう。5月の新ファンドの当初設定額は18本合計で624億円と4月の727億円から減少しており、この2年ほどは1,000億円を下回るのも珍しくなくなってきているようです。

新規設定ファンド(国内公募)の推移

2017年1-5月の当初設定額ランキングを見ると、ビッグデータを投資戦略に活用したファンドや、AI、IoTといったフィンテック関連のテーマ性のある株式ファンドで大型設定が見られています。ただし、こうした新規設定ファンドが大型化するケースは散発的なものとなる可能性が高そうです。実際、新規設定ファンドの月次データを見ても、足元の3年ほどに渡って、明らかに当初設定額が減少傾向にあることが確認できます。冒頭の日経記事でも指摘されているように、新規設定ファンドを代表とする運用実績の少ないファンドが人気化するという、日本の投信販売慣行に対する問題意識が、こうしたトレンドの背景にあると考えられます。

昨年8月2日に開催された金融審議会「市場ワーキング・グループ(WG)」(第4回)においても、「投資信託の年間資金流入額を見ると、運用期間が3年以内の投資信託に4割の資金が流入」しているとし、日本の投信市場においてロングセラー商品への資金流入が限定的である点を指摘しています。以下のグラフは、ETFを除く追加型株式投信の設定額(=販売額)における設定後3年以上経過したファンドの割合を示したものです。

ETF除く追加型株式投信の設定額(販売額)における設定後3年以上経過したファンドの割合

これを見ると、今年2月にAIやビッグデータを切り口とした株式ファンドが人気化したことを受けて、既存ファンドの販売比率は低下したことが確認できます。一方で、3月・4月と再び既存ファンド(3年以上)の販売比率は上昇に転じており、中長期的に見れば、既存ファンドを活用するという販売モデルへの転換は続いていると言えそうです。

最後に、設定後5年以上経過したファンドの販売割合のグラフも掲載します。こちらでは、2年ほど前からようやく販売比率が50%を超えてきたところではありますが、5年以上という基準で見ても同様に既存ファンドの販売比率が上昇する傾向が見て取れます。2018年1月から始まる積立NISAでは、アクティブ運用の商品要件に「信託開始以降5年経過」との基準も設けられるなど、長期の運用実績を重視する流れは今後も続くものと思われます。

ETF除く追加型株式投信の設定額(販売額)における設定後5年以上経過したファンドの割合

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