2017年5月25日

ドイチェ・リポートHighlights_Vol.16-積立NISAはインデックス運用中心に!2018年スタート時点で対象となるアクティブファンドは限定的…。

— 積立NISAを含む2017年度予算が可決成立し、内閣府告示で積立NISA向け商品の要件が明らかに。 — アクティブ型の要件に純資産50億円以上、信託開始以降5年経過、信託期間の3分の2で資金流入超。 — 信託報酬引き下げやDC専用ファンドを活用しても、積立NISAはインデックス運用中心となる可能性。

4月20日付の日本経済新聞夕刊に「積立NISA候補のアクティブ型 5年以上運用、条件厳しく」という見出しの記事がありました。2018年1月からの投資開始が予定されている積立NISAにおいては、非課税対象となる商品に制約があり、現行のNISAで認められている個別株式が対象外となるほか、ETFや株式投資信託において信託期間が無期限もしくは20年以上であること、毎月分配型ファンドではないこと等の条件が示されています。具体的な積立NISAにおける商品要件を確認する前に、まずは積立NISAと現行NISA、ジュニアNISAとの制度の違いを確認しておきましょう。


(出所:「平成29年度与党税制改正大綱」など各種資料を基にドイチェ・アセット・マネジメント(株)資産運用研究所が作成)

積立NISAは、現行の成人向けNISAとの選択制で導入される新しい枠組みで、年間投資上限額が40万円、非課税期間が20年間になるというものです。2018年から2037年までの各年に投資枠を設定することができるため、毎年40万円の投資を行えば、投資上限額の合計は800万円となり、現行NISAの600万円(=120万円×5年間)を上回ることになります。一方で、既に指摘したように非課税対象となる商品が限定されており、詳細については「内閣総理大臣が財務大臣と協議して定める要件」を満たすものとされていました。これを受けて3月31日に積立NISAの要件等に関する告示*1が公表されています。
*1:http://www.fsa.go.jp/news/28/syouken/20170331-7.html


(出所:内閣府告示、金融庁資料等を基にドイチェ・アセット・マネジメント(株)資産運用研究所が作成)

 


(出所:内閣府告示、金融庁資料等を基にドイチェ・アセット・マネジメント(株)資産運用研究所が作成)

公募株式投資信託における「(1)指定インデックス投資信託」と上場株式投資信託(ETF)については、積立NISAの対象とする指数一覧で定義されている指数に連動する値動きを目指すファンドに限定されるとともに、債券指数やREIT指数だけに連動する指定インデックス投資信託やETFは対象にならないということになります。一方、冒頭の記事では、積立NISAの候補となるアクティブ型の株式投資信託について、「確定拠出年金(DC)専用を除き、積立NISAの要件を満たす投信は、現在8本」と指摘していますが、とりわけ前ページの表における「(2)指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)」に関して厳しい基準が設定されています。

既に決まっていた20年以上の信託期間、毎月分配型ではない、ヘッジ目的以外でデリバティブを使っていないという基準に加え、今回の告示で、信託報酬の上限(国内資産を対象とするものが1%、海外資産を対象とするものが1.5%以下)、純資産残高50億円以上、信託開始以降5年経過、信託期間の3分の2で資金流入超、といった基準が示されました。アクティブ投信においては、既存ファンドの信託報酬を下げるといった対応があったとしても、上記の下線部分の条件があるため、積立NISAの要件を満たすファンドは限定的となりそうです。

なお、従来DC専用ファンドだったものが一般的な販売チャネルでも提供されるケースも増えてきているため、積立NISA向けでも同様の動きが出てくることが想定されます。もっとも、DC専用ファンドも大部分はインデックス運用を行う商品となっているため、アクティブ運用の商品として対象となるファンドは多くないと考えられます。今回の要件策定に関わった「長期・積立・分散投資に資する投資信託に関するワーキング・グループ」の報告書*2では、「アクティブ運用投信は、これを積立NISAの対象に含めるべきか否という点に関して言えば、基本的には慎重であるべき」とのスタンスが示されており、積立NISAにおける投資は、当面インデックス運用が中心になっていく可能性が高そうです。
*2:http://www.fsa.go.jp/singi/kakei/01.pdf

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