2017年3月8日

新興国資産への投資が活発になっています。1月のETFを除く追加型株式投信の純設定額(設定額-解約額)ランキングを見ると、4位に通貨選択型ファンドのブラジルレアルコースがランクインしたほか、5位にロシア債券ファンド、11位にインド株ファンドなど、様々なタイプの新興国関連ファンドが浮上しており、とりわけブラジル、ロシア、インドに注目が集まっていることが確認できます。

今回のコラムでは、ブラジル、ロシア、インドの国(通貨)別の動向を確認します。最初は、最も残高が大きいブラジル関連ファンドです。運用コンサルティングを手掛けるイボットソン・アソシエイツのデータベースにおいて、投資地域が「ブラジル」もしくは「中南米」となっているファンドを抽出し、株式、債券、その他に区分しました。さらに通貨選択型ファンドのブラジルレアルコースもブラジル関連ファンドとして集計しています。

1月末時点におけるブラジル関連ファンドの残高は前月比+2.8%の2兆6,018億円と2カ月連続で増加し、2015年8月以来の残高水準を回復しました。ピークとなった2011年7月の8兆771億円と比べると3分の1程度にとどまりますが、昨年の最低水準である2016年2月の2兆38億円から3割増加した計算となります。一方で、1月の純設定額は-26億円と5カ月ぶりの資金流出に転じましたが、通貨選択型ファンドのブラジルレアルコースは+42億円と5カ月連続の資金流入となっています。ブラジル関連ファンドは残高水準が大きい分、相場が回復すれば解約に動くという資金もまだ残っているようです。続いて、ロシア関連ファンドの資金動向も確認しましょう。

ロシア関連ファンドの残高は足元で急拡大しており、1月末時点の残高は前月比+35.7%の1,478億円と7カ月連続で増加しました。とりわけ昨年11月の米大統領選挙でトランプ氏が勝利してからは、ロシアと欧米先進国との関係改善への期待が高まっています。純設定額を見ると、昨年12月の資金流入額が+254億円、1月が+386億円と資金流入も加速しており、とりわけ、ロシア債券ファンドや通貨選択型ファンドを通じて通貨ルーブルに投資する動きが強まっているようです。とはいえ、その残高はブラジル関連ファンドの6%弱であり、国内個人投資家にとってロシア関連ファンドの残高はまだ拡大する余地があると言えるでしょう。最後にインド関連ファンドの状況を確認します。

1月末時点におけるインド関連ファンドの残高は前月比+5.8%の1兆140億円と7カ月連続で増加し、金融危機後初めて1兆円の大台を回復しました。2007年末のピーク時にはインド株ファンドの残高だけで1.4兆円に達していましたが、足元ではインド株に加えて、インド債券ファンドや通貨選択型のインドルピーコースにも資金流入が見られています。1月6日付ブルームバーグ「ゴールドマンが助言、BRICSから『C』除外を-新興市場通貨投資」にもあるように、ブラジルとロシア、インドに南アフリカを加えた「BRIS通貨」の見通し改善が、日本の投信資金トレンドにも現れているものと言えそうです。

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