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2020年12月

原題:Climate change: turning it into an investment opportunity


レポートの翻訳



気候変動による影響は多くのリスクを伴うと言われています。しかし、これに立ち向かおうと努力する企業や投資家にとっては、気候変動が好機をもたらす可能性があります。

-いまやコロナ禍対策は最重要課題です。ただし、気候変動対策を棚上げにしていいわけではありません。

-パンデミックの渦中にあっても、欧州連合(EU)は2030年までのCO2排出量の更なる削減を目標として掲げています。

-投資家は、気候保護を重視する企業への投資を通じて、リターンと持続可能性の同時追求が可能です。


母なる地球が再び息を吹き返したかに見えたものの、それはほんの一時のことでした。2020年初め、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う都市封鎖後に大気汚染のレベルが大きく下がったことを示す衛星画像が発表されましたが、これはぬか喜びに過ぎませんでした。新たに公開された衛星写真から、中国が世界に先駆け経済活動の再開を果たしたことによって再び大気汚染が確認されるまでにさほど時間はかからなかったのです。大気汚染の状況が元に戻ったことで、パンデミックを背景とする一時的な救済では、気候変動をめぐる長期的な問題は解決できないことが明らかとなりました。


EUはさらに野心的な気候変動対策の目標設定に向かう
DWS にて気候変動に関連する運用テーマに携わるポートフォリオ・マネジャーであるティム・バッハマンは、「コロナ危機を気候変動対策のペースを落とす言い訳にしてはならないと考えます」と述べ、さらに 「これまで以上に、『クリーン・テクノロジー』によって気候変動に歯止めをかける必要があります」と続けました。

たとえパンデミックの渦中にあっても、気候変動対策の目標に向けた取り組みを加速させるEUの姿勢は驚くに当たりません。現行のEU法では、2030年までに域内の温室効果ガス排出量を1990年比で少なくとも40%削減することが規定されていますが、さらにこれを最大60%削減に引き上げるための協議が進んでいます*1。この目標を実現するためには、クリーン・エネルギー技術への投資を年間約3,500億ユーロに引き上げる必要があると見込まれています*2

気候変動による影響緩和を達成するには、気候・環境・生物多様性の保護、モビリティ政策や産業政策の拡充、エネルギー・農業・消費者保護のガイドライン策定まで、幅広い対策が必要となります*3。「個人による支援は、革新的な強みを持つ企業のコミットメントと同じくらい必要となり、これが投資家にとって興味深い投資機会に繋がっていくのです」とバッハマンは述べています。


企業は気候変動を投資の好機に変えることが可能
バッハマンが担当するファンドに、投資金額のおよそ3分の1を気候保護を含む国連の持続可能性目標(SDGs)に貢献する企業に投資するファンドがあります。この数字は、社会における気候変動による影響への適応や緩和に役立つサービスや商品を提供する企業を意識的に選出することにより達成しています。

「地球温暖化の歩みを遅くする上で、脱炭素化が中心的な役割を果たしており、エネルギー生産および輸送部門の企業が関心を集めています」とバッハマンは言います。

これらの企業には、風力および太陽光エネルギー技術のプロバイダーや、電力ネットワークのオペレーター、スマートメーターおよびエネルギー貯蔵システムのメーカーが含まれています。 また、エネルギー効率が高く、気候変動対策に役立つソリューションを企業や家庭に提供する企業への投資を検討することも有効でしょう。

「DWSでは、例えば、ロックウールや木材繊維を採用した断熱材を製造ならびに設置する企業を投資対象としています。このような企業は、エネルギー関連の建物改修に対する不動産業界の強いニーズを満たす上で大いに貢献しています」 とバッハマンは述べています。この分野では、建物の照明システムや冷却および換気技術のスマート・アプリケーションを開発する企業なども魅力的な投資対象です。


HからH2Oへ ~水素と水が重要な役割を担う~
農業技術、医薬、市民保護、復興の分野における開発研究の進展も、人類が気候変動による影響に適応する上で重要な役割を果たしています。さらに、e-モビリティや、駆動のための代替形態も気候保護における重要な課題です。また、水素技術は、適用範囲が広いことから、投資家の関心を集めています。

水素の用途は、陸路、海上、航空輸送向けの環境に配慮した燃料、これらに限定されるものではありません。将来的には、住宅の暖房や、太陽光発電所や風力発電所の余剰電力の貯蔵に活用できるとも考えられています。また、産業用プロセスの分野においては、例えば水素を使って鉄鋼生産に革命を起こすといった構想の可能性も検討されています。

さらに、私たちはもう一つの切迫した課題である「水」について考えなければなりません。バッハマンは「水は地球上で最も基本的な資源の一つですが、減少の一途を辿っており、だからこそ、先進国間であっても紛争の種になって久しいのです」と述べています。

米国だけでも、地球温暖化による影響に向き合うためには、自国の水インフラに対し2050年までにおよそ9,440億米ドルが必要と言われています*4。従来型の公益企業に加え、水の採取、淡水化、水処理のための革新的な解決策を提供する企業は魅力的な投資対象です。また、農業分野においても、細流かんがいや循環かんがいなどの農地における水の効率的な活用といったテクノロジーに対する関心が高まっています。

「気候変動を大きなダメージを与える事象としてではなく、投資機会として捉える投資家の前には、幅広い投資領域が広がっています」、さらに「気候変動は、ファンドという投資形態が投資家のリターンとサステナビリティの同時追求を支援する上でどれほど適しているかを改めてご理解いただくことが可能なテーマと考えています」とバッハマンは述べています。


*1 出所: https://www.tagesspiegel.de/politik/widerstand-aus-osteuropa-eu-gipfel-verschiebt-beschluss-ueber-neues-klimaziel-fuer-2030-auf-dezember/26280240.html
*2 出所: https://www.euractiv.de/section/energie-und-umwelt/news/eu-kommission-will-55-prozent-co2-einsparungen/
*3 出所: https://www.bmu.de/themen/klima-energie/klimaschutz/eu-klimapolitik/
*4 出所: 世界気象機関(WMO、2017年)、世界銀行(2017年)、
PwC、ゴールドマンサックスおよびHSBC(2018年)
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