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2021年1月

原題:Infrastructure Debt: creating resilient cashflows through secured lending


レポートの要約



確定給付年金基金は、安定したインカムキャッシュフローを求めてインフラ・デットに投資をしてきました。

年金資産の積立状況(年金資産と年金負債の差分)に余裕のある年金基金では、インフラ・デットの中でも投資適格のシニアデットへの投資が行われてきました。シニアデットは、返済の優先順位が高いことや安全性の高いスポンサーやプロジェクトへの貸付であることから、貸出マージンは低く、通常は国債に対し1-2%程度のスプレッドとなっています。

一方で、年金資産の積立不足を解消するために、より高いリターンを求め、投資適格に満たないジュニアデット(メザニンを含む)に投資をしている年金基金もあります。こうしたジュニアデットは投資適格未満であるがゆえに、高いスプレッドを有しています。厚いマージンの背景には、返済順位がシニアデットに劣後することや、相対的に安全性の低いスポンサーやプロジェクトへの貸付であること、そして利子や元本の支払いが償還時にまとめて行われる場合が多いことなどがあります。一般的な貸出マージンは国債に対し5%以上のスプレッドとなっています。

また、これらの中間にあたる、投資適格未満のデットの中でも最も安全性の高い部分、いわゆる「クロスオーバー」に投資をしている確定給付年金基金もあります。クロスオーバーへの投資では、年金基金はより高い安全性を確保するため様々な手段を用いてきました。具体的には、投資対象の精査、資本構成上の優先・劣後を通じたストラクチャー面でのプロテクション、有形資産に対する担保設定、コベナンツ(制限条項)の設定、利子の受取および元本の返済を償還時の一括ではなく融資期間を通じて徐々に受け取ること等が挙げられます。一般的に貸出マージンは、国債に対して3-5%程度のスプレッドとなっています。

本レポートでは、適切に選定されたインフラ・プロジェクトへの投資、そして適切な融資構造・条件を通じて、年金基金が魅力的なリスク調整後リターンを獲得し、同時に、年金キャッシュフローに対応するための安定したインカム収入を得られることを説明します。

また、本レポートにおける一貫したテーマは、年金基金の意思決定者がキャッシュフローの確実性と安定性を判断する際には、表面的な「ラベル」だけでなく基本原則に注目するべきだということです。

プライベート・インフラ・デットは、貸し手のリスクを低減するために貸付条件をカスタマイズすることが可能です。このことから、プライベート・インフラ・デットへの投資により安定したキャッシュフローを生み出すために、確実なインカムを求める投資家は格付け自体や投資適格か否かという伝統的な二分法からさらに踏み込んだ検討が賢明でしょう。むしろ注力すべきは、投資先資産の選択とローンのストラクチャー面のプロテクションなのです。

プライベート・デットは伝統的な債券等とは異なります。貸出条件のカスタマイズにより適しており、それが安定したキャッシュフローとリスク調整後リターンの改善を求める年金基金がこの資産クラスを採用している理由のひとつとなっています。

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