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2020年4月

原題:History Lesson II – Estimating the dilution from a COVID-19 recession for equity investors


レポートの要約



今回のコロナ危機において、株式はこれまでのところ顕著な回復を示しています。第1四半期の株価下落は急かつ深いもので、S&P500は20%もの記録的な下落となりました。しかし、コロナ危機の影響の大きさを考えれば、株式はもっと下落すべきだったという意見もあります。

しかし、市場の動きは非合理的だったわけではありません。中央銀行や政府が迅速に行動を起こしたことで、これから直面する経済危機に続いて、新たな金融危機が発生するリスクが軽減されたからです。したがって、投資家は当面の収益減少を考慮するだけで済み、長期的には株価にほとんど影響を与えないと考えることができたのです。このような考えの前提となるのは、企業は全体として保守的な財務体質を保っており、このような厳しい経済危機を乗り切るだけの資金力を持っているという想定です。もちろん、企業倒産が発生して投資家が追加出資を求められるケースも予想されますが、世界金融危機後の銀行が株式の大幅な希薄化により既存株主の潜在的なリターンを減少させたような、大規模な企業資本の再構成は必要ではないでしょう。

株式の希薄化リスクを分析するために2つのシナリオを想定しました。

1つ目のシナリオは、今回のコロナ危機が世界金融危機と同程度の大きさで企業の収益に影響を与えるというシナリオです。この場合、株式全体としては追加資本はそれほど必要ではなく、配当金や設備投資が削減される可能性は高いものの、希薄化リスクは大きくないことが分かりました。

2つ目のシナリオは、今回のコロナ危機が世界金融危機よりも深刻となり、営業利益は3標準偏差に相当する落ち込みとなり、売上の落ち込みは世界金融危機時の約2倍となるシナリオです。これは「100年に一度」級の株式のストレステストとなりますが、配当金は2019年の水準から半減する可能性が高く、回復にも数年かかると考えられます。しかしそれでも、日本(銀行および非金融機関)と欧州の銀行を除けば、希薄化のリスクは大きくないことが分かりました。

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