2017年2月1日

国・地域のバリュエーション:欧州株に比べて米国株および日本株が割安

日本株、米国株、欧州株の2017年の予想エコノミックPER の中央値はいずれも25倍弱と、非常に近い数字になっています。保護主義台頭により国・地域毎の成長率格差が拡大する可能性があることを考えると、バリュエーションが同水準なのは驚きです。

欧州企業に比べて米国企業のフリーキャッシュフロー創出力が高いこと、資本ニーズが少ないことと新しい資産が多いことのみならず、米国企業は2016年から始まった脱グローバル化の恩恵を最も受ける可能性があります。

一方、欧州は資本集約的産業へのエクスポージャーが大きいです。2001年以降の米国企業の収益 が、2009年を除く全ての年で前年比横ばいから上昇となる中、欧州は2010年以降低下しました。(図表1) これは、2007年以降に欧州で資本投資が増加し、 現金収益率が低下した一方、米国の現金収益率が上昇したためです。(図表2)

 

(図表1)

米国と欧州の企業収益

 

(図表2)

米国と欧州の企業の現金収益率

 

日本株のエコノミックPERの中央値は全地域の中で最低で、銘柄毎のバリュエーションの乖離も拡大しています。 (図表3) つまり、日本は、最も割安かつ個別銘柄選択に適した市場です。また、日本株は米国株と比べて配当利回りが高いです。さらに、キャッシュ創出力の観点からも日本株は魅力的です。カバーしている日本企業うち、3分の1の現金収益率がグローバルの資本コストを上回っており、それらの企業の合計で現金収益率を見ると、10年超に渡って7%を超える水準を維持しています。

コーポレートガバナンス改善が株価上昇に直結する可能性が高いのも日本企業です。日本企業は、先進国企業の中で最も営業レバレッジが高い(固定費率が高い)ことから、売上上昇の恩恵が他の市場より大きいのも特徴の一つとしてあげておきたいと思います。また、日本は 資産面で見て割安な銘柄の割合が最も大きいです。過去5年間で減少しましたが、依然全体の半分近くが資産面で見た割安銘柄です。

 

 

(図表3)

日本株:最安銘柄群のバリュエーション乖離

 

セクター・バリュエーション

2017年の予想エコノミックPERで見ると、ヘルスケアと情報技術セクターが最も割安で、3番目に割安な資本財・サービスセクターに対し20%以上割安となっております。(図表4) ヘルスケアセクターはMSCIワールド指数の過去5年間のパフォーマンスで2番目の上昇率ですが、2017年の予想エコノミックPERは18.7倍と金融を除く全セクターで最も割安です。

サブセクターでは、特にバイオテクノロジー株はエコノミックPERが14.6倍と、医薬品の18.8倍、医療機器・サービスの23.3倍と比べて割安となっております。情報技術は収益が成長し続けたことにより、フリーキャッシュフロー利回りは6.1%と、金融を除く全セクターで最も高水準です。サブセクターのエコノミックPERでは、ハードウェアが16.4倍で最も割安となっております。

 

(図表4)

セクターごとのエコノミックPER(グローバル株式)



クロッキービュー:2017年の株式相場見通し

Copyright © ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第359号
加入協会 日本証券業協会・一般社団法人投資信託協会・一般社団法人日本投資顧問業協会
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
【当社を装った詐欺的行為にご注意ください。】