2017年6月

クロッキーの2017年の見通し - アップデート

要旨:

  • 1. 従来型のバリュー銘柄の今年のパフォーマンスは芳しくない。
  • 2. 年初からのS&P 500指数のパフォーマンスの半分以上に寄与した15銘柄は、「ニュー・エコノミー」企業として扱われ、市場からは割高とみなされている。ただ、エコノミックPER上では割高であるとは言えず、また高い利益成長を達成している。
  • 3.  クロッキーチームによる分析では、米国株式市場の48%がバブル水準に達しており、良好なパフォーマンスを獲得するには銘柄選択が重要となっている。


クロッキーの2017年の見通しで、新たな成長パラダイムへの道のりについて触れましたが、ここで、そのアップデートを行いたいと思います。年初からの展開は、我々が示した仮説をまさに裏付けているようです。例えば、米国株は今年、堅調なスタートを切りましたが、市場の牽引役は、2016年のバリュー株や経済への楽観論等から一変しています。S&P500指数は年初から8.7%上昇しましたが、半分以上はわずか15社の上昇によって生み出されたものです。


「ニュー・エコノミー」に再び注目

従来型のバリュー銘柄のパフォーマンスは今年に入りこれまでのところ、世界全体及び米国でも芳しくなく、パフォーマンスの悪化は他に比べても突出しています。好調なパフォーマンスとなっているのはグロース、低リスクとモメンタムとなっています。昨年は景気に敏感な低位株が脚光を浴びていましたが、再び以前のトレンドに逆戻りしてしまったようです。

結論を出すには時期尚早かもしれません。しかし、2016年第4四半期の市場牽引役の勢いの衰えからは、直近の上昇は、いわゆる「トランプノミクス」による今後の経済成長への期待によるものではなかったことが示されているようです。

トランプノミクスが、再び市場の牽引役となるかはまだわかりませんが、ビジネスにおける技術革新の破壊的なインパクトはまだ続いています。S&P500指数の年初来パフォーマンスに最も寄与した15社(そのほとんどが情報技術と一般消費財)の分析から、次の点が読み取れます。

  • ● 上位15社は「複利成長型」です。これらの銘柄の経済的利益は過去10年で年率約10%のペースで成長しました。それに比べ、S&P500指数内のその他の銘柄は、年率0.9%程度の成長にとどまっています。
  • ● 上位15社を合わせると、S&P500指数の時価総額、および全体の利益の約1/4を占めていますが、雇用者数は、S&P500指数構成銘柄全体の1/10程度に過ぎません。
  • ● 上位15社の内、数社は技術発展の恩恵を大きく受けており、またその技術革新の立役者でもあります。

 

この上位15社は、以前のレポートでも触れた「ニュー・エコノミー」企業に当たると考えています。 この上位15社の年初からの堅調なパフォーマンスと、それ以外の銘柄の比較から、次のようなキーメッセージが読み取れるのではないでしょうか。 「仮にトランプノミクスが一段落しても、『ニュー・エコノミー』企業の勢いがとまることはないでしょう。」このことは、経済改革を引き伸ばすべきではないということを指し示しています。

上位15社は米国市場全体に比べても決して割高ではない

市場の堅調なパフォーマンスを受け、投資家は株式のバリュエーションが割高になっているのではないかと懸念し始めるかもしれません。株式への長期投資で期待されるリターン水準は4.9%と、理論上の適正水準である5.4%を下回っています。このため、長期での前提に基づくと、現在の株式市場は28%ほど割高だと考えられます。

興味深いことに、前述の「ニュー・エコノミー」の複利成長型企業である上位15社は、米国市場全体に比べ、決して割高ではありません。上位15社の現時点での2018年予想ベースのエコノミックPERは25.6倍、米国株式市場全体は25.3倍です。しかしながら、クロッキーチームの「バブル分析」によれば、米国企業の48%は、我々の定義でいうところのバブル水準に達したと考えられます。

投資家にとって、現在は容易な投資環境ではなく、良好なパフォーマンスを獲得するには、やはり銘柄選択が重要です。クロッキーが指し示すバリュー、すなわち長期的に高い資本収益率が見込める銘柄に注目したシステマティックなアプローチは、引き続き魅力的な投資手法です。この投資手法は、従来型のバリュー投資とは異なり、年初来で良好なパフォーマンスを示しています。

クロッキービュー:2017年の株式相場見通し

Copyright © ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第359号
加入協会 日本証券業協会・一般社団法人投資信託協会・一般社団法人日本投資顧問業協会
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
【当社を装った詐欺的行為にご注意ください。】