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2019年3月25日

投資家の皆さまへ

守りも攻めも


平和なクリスマスのおかげでしょうか。1931年以来最悪であった12月が終わると、米国株式市場は1987年以来最高の1月を迎えました。迅速に動いた投資家、または、全く動かなかった投資家がその恩恵を受けました。このような短期的な市場の変動をマクロ経済の観点から説明することにはあまり意味がないでしょう。通常、株式、債券、コモディティの値動きはお互いに逆相関となる傾向がありますが、株式、債券、コモディティが全面的に売られることになったため、市場関係者は、各市場間でほとんど差別化できず、当惑を隠せません。地理的に見ても、市場の反発の仕方は驚きでした。米国株式が欧州株式より下がった一方で新興国株式は驚くほど堅調でした。米国株式が市場の安定を支えていたのは今や過去の話です。

方向性の欠如というものが今年の投資を示唆するものかもしれません。我々は、ボラティリティは高いもののリターンはわずかであると予測しています。理由は簡単です。バリュエーションが高すぎて値上がりは期待できず、経済成長は継続するもののダイナミックさに欠け、業績予想は一層の引き下げが必要となりそうで、経済政策はますます近視眼的で上辺だけのものになっているからです。この状況において中央銀行にも長期的な道筋がはっきりとは見えていません。米連邦準備制度理事会(FRB)だけが「データ依存」に陥っているわけではないのです。これが金融引き締めに対するFRBの消極的な姿勢を意味するのであれば、短期的には投資家にとってよい材料になるかもしれません。しかし中長期的には不確実性が増すことになり、先々の見通しがさらに立たなくなるのです。

このようなことを見ると、投資家にはさらなる分散投資が必要であることが分かります。機会があればそれを捉え、リスクは適切にヘッジできるよう、あらゆることに備えるとともに、守りと攻めの両方が必要です。また、市場が陶酔状態になった時にはタイムリーに利益を確定する勇気を持つことも必要でしょう。自信を持つに足るだけの前向きな進展もあります。今年を通して、我々は景気後退ではなくむしろ景気拡大を見込んでいます。労働市場は安定しており、新興市場には影よりも光の部分が多いと言えます。中央銀行がハト派に傾いていることを肯定的に捉える向きもあります。リスクがあるからといって機会を逃してはいけない、ということなのです。

 

Stefan Kreuzkamp Signed

 

ステファン・クロイツカンプ チーフ・インベストメント・オフィサー
ステファン・クロイツカンプ
チーフ・インベストメント・オフィサー


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