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2019年1月15日

投資家の皆さまへ

物事の見方の問題


2019年、グローバルの国内総生産(GDP)及び米国企業収益の伸びは鈍化するでしょう。量的緩和から徐々に量的引き締めへと中央銀行の金融政策の方向性が変化しており、現実に、日米欧の中央銀行は市場への資金供給を絞り込もうとしています。一方で、政治リスクは根強く残り、さらに解決が難しくなってきています。ポピュリスト的な政権は専門的意見よりも自分の直観で判断することがあり、政治の今後を占うことが難しくなっています。債券市場では不安心理が蔓延し、多くのリスクプレミアムが上昇しています。原油価格の急激な下落を受けて、プレッシャーに直面している市場のセグメントも存在しています。

こうした冴えない現状を踏まえますと、足元で弱気相場が続いている事もある程度うなずけます。一方で、まったく異なった見方も可能です。我々の現在の予測では、2019年も世界経済はなお3.5%以上拡大すると見ています。また、2020年についても景気後退局面を迎えるとは考えていません。企業収益は引き続き目を見張る伸びが継続し、特に米国においては約6%の伸びを予想しています。金融政策はわずかに引き締め方向に向かうものの、歴史的に見るとなお緩和的と言える状態が続くでしょう。投資家はタカのように米連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き上げの動きを注視していますので、経済成長が鈍化した場合、FRBは強力な引き締めは控えることになるでしょう。政治リスクが高まっているとはいえ、それは政治家個人に起因するものが増えており、逆に言えば、こうした政策判断はすぐに転換することも可能です。特に実際に資本市場からのプレッシャーを受けた場合などは、意思決定が速まる可能性もあるということです。イタリアで起きていることが良い例かもしれません。また、原油価格の低下には負の側面を上回る恩恵があります。

このようなバラ色の見方にはかなり説得力がありますが、やや楽観的すぎる前提の上に立っているとも言えそうです。複数のリスクが同時期に高まることで市場が厳しいストレス状態に陥ることもあり得ます。市場のシグナルをあえて無視したり、状況の悪化を「投機筋」のせいにする政治家もいることでしょう。2019年はおそらくこの2つのシナリオの間に落ち着くことになるでしょう。我々は新年を迎えるにあたっては、目標リターンは一桁代中盤と慎重な見通しとしています。これは我々が慎重ながらも楽観的であるということです。我々は経済の循環はまだ終わっていないと考えています。

 

Stefan Kreuzkamp Signed

 

ステファン・クロイツカンプ チーフ・インベストメント・オフィサー
ステファン・クロイツカンプ
チーフ・インベストメント・オフィサー


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