このページを評価する

2018年10月31日

投資家の皆さまへ

秋に向けた市場の展望


市場環境は、少なくとも米国に関する限り良好です。8月末以降にS&P500種株価指数はまたも史上最高値を付け、米国株式市場は強気相場の最長記録を更新し続けています。例年、年末に向けて株価が上昇しやすいとされる「年末ラリー」が期待できるとすれば、S&P500は近く3,000ポイントに到達する可能性もあります。一方、米国以外の株価指数は大きく遅れを取っている状態です。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスのパフォーマンスは、年初来プラス圏で推移しているものの、それはひとえに米国株式による寄与と言えます。米国では、経済も近いうちに株式市場と肩を並べ、新たな記録を打ち立てそうな勢いです。景気拡大局面はすでに第二次世界大戦以降で2番目の長さに達しており、2019年7月まで継続すれば、戦後史上最長記録となります。景気動向を後追いしているに過ぎない、と思われるのを承知で言えば、我々は現時点で、この拡大局面の最長記録が実現するものと予想しています。また米国の国内総生産(GDP)が予想外の堅調な伸びを示していることから、2018年GDP成長率予測を従来の+2.7%から+2.9%に上方修正しました。当然ながら連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを継続していますが、金利とインフレ率がいずれもオーバーシュートする(行き過ぎの水準に達する)可能性は低いと見ています。一方、規制緩和や財務上の自由(潤沢な資金など)の恩恵を享受している企業は、株主還元を最優先する姿勢を示しており、利益を賃上げや設備投資ではなく、配当に振り向けています。しかしながら、こうした状況が永遠に続くとも思えません。例えば、トランプ政権による財政面からの景気刺激策は、2019年にもその効果が剥落する可能性があります。

ここで現在は、景気サイクルのどの段階にあるのだろうかという疑問が浮かびますが、答えはどの国に注目するかによって異なります。例えば米国の失業率と金利は、欧州と大きくかけ離れた水準にあります。また中国はこれまで、あたかも法令を駆使して景気サイクルを操って来たかのように見えます。しかし米国との対立がエスカレートした場合、中国にどれほどの政策余地が残るものでしょうか。これは迫り来る政治リスクの一例に過ぎず、他にも、世界的な貿易紛争や、英国の欧州連合(EU)離脱、イタリアの2019年予算問題、米国の中間選挙など、リスクは枚挙に暇がありません。今後数カ月間に、世界では重大な決定が幾つか下されることになります。秋に向けて、我々が債券、株式、通貨のいずれも、ニュートラルに近いポジションとしているのは、そのためです。とはいえ、こうした「秋の嵐」が襲来するリスクを認めながらも、我々は一筋の希望の光を見出しています。「DWSの指標から見て、景気サイクルが近く終了する可能性は低い」という事実です。いずれにせよ、市場はこのことをすでに織り込んでいると見られます。よってこの先、もし株価が騰勢を強める場面があるとすれば、それは例えば生産性の向上などを通じて、景気サイクルが一段と長期化した場合でしょう。

 

Stefan Kreuzkamp Signed

 

ステファン・クロイツカンプ チーフ・インベストメント・オフィサー
ステファン・クロイツカンプ
チーフ・インベストメント・オフィサー


リスクは多数存在するものの、DWSでは差し当たり、世界景気に対して強気のスタンスを維持しています。しかし、投資家の強気の姿勢だけでは、相場を一段と押し上げる要因にはなり得ません。

Copyright © ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第359号
加入協会 日本証券業協会・一般社団法人投資信託協会・一般社団法人日本投資顧問業協会
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
【当社を装った詐欺的行為にご注意ください。】