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2018年7月31日

投資家の皆さまへ

二つの相反する世界


現在、世界経済は良好に推移しています。DWSでは、世界の国内総生産(GDP)の成長見通しに対する確信を強めており、インフレ率や金利の持続的な上昇を懸念してはいません。また一部の株式市場は、史上最高値に近い水準で取引されています。それにもかかわらずDWSのファンドマネジャーは、これまでにない不安を抱えながら夏季休暇に入ろうとしています。この明らかな矛盾の背景には、何があるのでしょうか。

こうした状況ではよくあることですが、その答えは、「既知の要素」と「未知の要素」をいかに評価し、それぞれをどのようにウェイト付けするかによって異なります。まず、世界の多くの地域で景気と企業業績が共に良好な推移を示していること、依然として緩和的な金利政策が続けられていること、またデフレ懸念が存在しないことは「既知の要素」と言えます。一方で、「未知の要素」もあります。例えば、長年にわたり緩和的な金融政策を実施してきた各国の中央銀行が、2018年後半からバランスシート(保有資産)の縮小を開始したとすると、市場はどのような反応を示すでしょうか。現在の景気サイクルにおいては、「秋(回復・拡大)」の局面が長期に及んでいますが、これはいつまで続くのでしょうか。そして各国の景気は、拡大局面に入った時と同じように、揃って縮小に転じるのでしょうか。こういった疑問です。一方、欧州では、移民問題が欧州連合(EU)を分裂させる原因となる危険性があります。ドイツのメルケル首相とフランスのマクロン大統領が、予想とは裏腹にコンセンサスを形成し、この問題に取り組まない限り、その危険性を排除することは不可能です。それ以上に大きい「未知の要素」は米国の政策ですが、トランプ氏を「予測不能の大統領」として責めることはできません。大統領はあくまで、選挙戦で示した公約を実現しようとしているに過ぎないからです。しかし米国議会や法廷が大統領に異議を唱える場面は減っており、与党・共和党ですら、大統領のやり方に対して匙を投げた感があります。一昨年の大統領選後、事態が選挙前と異なる方向に進むことを期待していた市場参加者は、恐らく我々だけではないはずです。これまでのトランプ政権は、以前ならば「越えてはならない」とされていた一線を越えるやり方が常態化しています。同様に、国内の産業セクターや企業に対する悪影響を回避しようとする様子もありません。こうした理由から、今年11月に予定されている大統領選の中間選挙を受けて、米国政治に大きな歪みが再び生じる可能性があります。

とは言うものの、我々のメインシナリオでは、各国の政策担当者の手によるダメージが続いたとしても、世界景気がその影響を受けることはない、との予想を維持しています。そのため、景気拡大局面が突如として終焉を迎える、といった懸念も持っていません。また中央銀行の緩和的な金融政策にもかかわらず、過去の景気サイクルと異なり、実体経済において資本の不適切な配分が広がっている状況は見受けられません。その意味でEUは現在、資産運用会社に対し、投資に際してESG(環境・社会・企業統治)要因をこれまで以上に考慮するよう求めています。我々は以前から、サステナビリティ(持続可能な投資)基準を運用プロセスにおける重要な要素としてきた経緯から、こうした動きを歓迎しています。

 

Stefan Kreuzkamp Signed

 

ステファン・クロイツカンプ チーフ・インベストメント・オフィサー
ステファン・クロイツカンプ
チーフ・インベストメント・オフィサー


ここ数年、経済は常にDWSの予想を上回ってきましたが、一方で、政治は我々の期待通りにはいきませんでした

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