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2018年5月8日

投資家の皆さまへ

良好な投資環境はもう一年続く


最近の株価下落局面でも冷静さを保ち、買いに動いた投資家は、早くも再び優位な立場に立っています。今回の買いの好機は、9年の長きにわたる強気相場の間に何度かあった投資機会と同様、良好なリターンにつながっただけでなく、成果が上がるまでに僅か数カ月しか掛かりませんでした。しかしながら、投資家に有利な強気の地合いと言えども、そして強靭な神経を持つ投資家と言えども、あと何回、満足の行く成果を上げられるものでしょうか。「強靭な神経」が「自信過剰」になってしまうのはいつなのでしょうか。投資家が1~2%の追加リターンを追うことを諦め、利益確定とリスク削減に腐心するようになる瞬間は、いつ訪れるのでしょうか。

我々の見通しを簡潔に要約しますと、「良好な投資環境は、あともう一年続く可能性がある」ということです。「歳を重ねた雄牛(ブル)」、つまり長期にわたる株価上昇局面は、未だ息切れするには至っていません。我々は、世界経済は向こう2年間も引き続き、2017年と同じ力強いペース(+3.9%)で成長すると予測しています。過去50年間で、景気後退期でないにもかかわらず市場が弱気相場入りしたのは、1987年の1回だけです。特に株式に関しては、世界同時経済成長が今もセーフティーネットとしての役割を果たしていると見られます。とは言え、通常は景気の加速やサプライズを欲する株式市場も、経済が3年にわたり順調な成長を続け、株価が上昇し続ければ、「上昇疲れ」の兆候が現われる可能性があります。そのため我々では、資本市場のリターンに関し、全体としてそれほど強気の予想をしていません。

一方で先行き、こうした状況が示唆するような、静かで穏やかな推移が続く可能性は低そうです。上昇相場が長期化し不安定さが増すに連れて、懸念が否応なく膨らんで行くことが予想されるからです。理由は4つあります。第一に、今年後半から、世界の主要4中銀(日米英独)が全体としてバランスシート(保有資産)の縮小を進めることが予想されます。これは金融危機が始まって以降で初めてのことです。第二に、多くの投資家は「成長率は低過ぎるのではなく、高過ぎるのではないか」という、これまでにあまりなかった懸念を抱いています。第三に、米トランプ政権の強気の保護主義政策を巡る混乱は、世界の通商政策に重大な「不測の事態」を招きかねません。第四に、株価バリュエーションが過去のレンジの上限という恐ろしく高い水準で推移している局面では、特に、そうした動揺が起きる可能性があります。とは言え、向こう1年間については、こうした深刻な事態は回避されるものと我々では予測しています。そうなれば投資家の注目は主として、経済成長を背景に米国のインフレ圧力は果たして高まるのか、高まるとすれば、それはいつ、どの程度上昇し、利上げを示唆することになるのか、という点に集まるものと思われます。その場合でも、我々の予想通り、景気サイクルの終了に至るまで米国金利が小幅な上昇にとどまるならば、市場は引き続き良好なトレンドを示すことになるでしょう。

 

Stefan Kreuzkamp Signed

 

ステファン・クロイツカンプ チーフ・インベストメント・オフィサー
ステファン・クロイツカンプ
チーフ・インベストメント・オフィサー


現在のような堅調な経済環境下で今後も市場の調整が続くとすれば、実に驚くべき状況と言えます。

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