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DWSの見通し|2025年10月

2025/10/28

このところ市場は、局所的な見方に明らかに支配されているようです。つまり、追加利下げや人口知能(AI)がもたらす好機によって株式市場は上昇を続けており、特に米国株式市場ではそれが顕著です。

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Vincenzo Vedda

ヴィンチェンツォ・ヴェッダ

Andre Köttner

Andre Köttner

アンドレ・ケットナー

Anke Weinreich

アンケ・ヴァインライヒ

Employees walking to work in the city at sunrise

目次:

#1  市場とマクロ経済

「局所的な見方が市場を支配か」

 
  • このところ市場は、局所的な見方に明らかに支配されているようです。つまり、追加利下げや人口知能(AI)がもたらす好機によって株式市場は上昇を続けており、特に米国株式市場ではそれが顕著です。貿易摩擦、地政学的な緊張、しつこいインフレ、政治や社会の不透明感、米国労働市場の苦戦、不動産市場の冴えないデータといったさまざまなリスクがありますが、こういったリスクは、S&P500種株価指数の回復を妨げたり、ナスダック総合株価指数のテクノロジー銘柄の下落にはつながっていないようです。
  • 「金価格が上昇し続けていることだけを見ても、この状況において一定のヘッジが必要だと投資家が感じていることがうかがえます」と、DWSのチーフ・インベストメント・オフィサーであるヴィンチェンツォ・ヴェッダは述べています。米国株式のバリュエーションが高まっているのは間違いなさそうです。しかし、IT銘柄によって牽引されている2桁台の収益成長の見通しは、依然としてこういったバリュエーションの高さの根拠となり得るでしょう。債券の中でもリスク資産である社債は、驚くほどの底堅さを見せてきました。社債は高い需要から恩恵を受けています。とりわけ、個人投資家、英国の年金基金、フランスの保険会社が社債に大きく投資しています。よって、国債に対する欧州投資適格社債の利回り差は、77ベーシスポイントまで縮小しました(100ベーシスポイント=1%)。
  • 「これは2018年以来初めての水準です」と、ヴェッダは指摘しています。こういったバリュエーションを考えると、若干慎重になる必要があるでしょう。「株式市場の調整の可能性は、投資家のリスク許容度にマイナスの影響を及ぼす可能性があります」。利回り差が拡大し、それに伴って価格は下落する可能性があります。資本市場における想像力と現実のギャップが、今後のパフォーマンスに決定的な役割を果たすでしょう。調整を否定することはできません。

資本市場を牽引するトピックス

 

経済:米国とユーロ圏で経済成長の低迷が予想される

  • 不動産や消費者心理といった主要指標は冴えないが、実質経済データは好調、というのが 米国の現状を表す言葉であろう。全体として我々の2026年米国経済成長見通しは1.3%と引き続き控えめ。
  • フランスの不安定な政治状況は、フランスにとってだけでなく、欧州連合全体にも重荷となっている。我々は、ユーロ圏の2026年の経済成長を穏やかな1.1%と予想。

インフレ:ユーロ圏よりも米国のインフレ圧力が大幅に高くなる見込み

  • 関税はいまだに物価上昇に完全に織り込まれたわけではないが、物価上昇や今後のさらなるインフレ率上昇の可能性は、依然として米国の重要なトピックである。2026年のインフレ率は約3.0%に上昇する可能性があると我々は見ている。
  • 我々はユーロ圏のインフレ率を2%と予想している。よって、米国より大幅に低くなる見込み。サービスセクターの物価上昇がインフレの主な要因。しかし、賃金上昇の遅れがインフレを抑制する見込み。

中央銀行:米国で追加利下げが見込まれる

  • 9月中旬の4.00~4.25%への利下げの後、米連邦準備制度理事会(FRB)は年末までの追加利下げを示唆。労働市場の明らかな減速が主な理由と見られる。
  • ユーロ圏について、我々は追加利下げを1回限りと予想。2.2%というインフレ率は欧州中央銀行(ECB)のインフレ目標に近く、経済成長見通しは小幅に上方修正されている。

リスク:貿易摩擦のエスカレート、地政学リスクの高まり

  • 貿易摩擦のエスカレートや予想を上回るインフレ率上昇は、FRBの追加利下げの余地を狭め、市場の足かせとなる可能性がある。
  • 欧州では、地政学的な不安定さや財政リスクが一段と高まれば、長期的な景況感や投資環境に悪影響を及ぼす可能性がある。特に注目すべきはフランスである。

#2  株式

「投資家は欲張りすぎてはいけない」

 
  • 「この数年我々は、AIの負け組と見なされた企業のほぼすべてが株式市場において体系的に不利な立場に立たされている、という状況を目にしてきました。このAIの負け組という烙印を押された企業こそが、現在、株式市場で投資機会となる可能性があります」と、ポートフォリオ・マネジャーのアンドレ・ケットナーは指摘しています。たとえこういった企業は、過去数年の間に非常に良好な業績を挙げていたとしても、株式市場は注目しませんでした。2桁台の売上成長や、非常に良好な利益率を継続的に出してきたとしても、状況は同じです。ソフトウェアやITサービス企業の中に、その顕著な例が存在しています。
  • ケットナーは主に、AIに関連づけられた企業や、AIから恩恵を受けると考えられる企業にも注目しています。しかし、売上の100倍以上もの非常に高いバリュエーションになっている企業には一部懐疑的な見方をしています。こういった高いバリュエーションは、1990年代終わりのドットコムバブルの時でさえ見られませんでした。さらに、企業の多くについて、その多大な投資額が本当に報われるかどうかは依然として不透明です資本市場は分かりやすいストーリーを好みますが、残念ながら、そういったストーリーが必ずしも実現するとは限りません。これに関連した問題がもう1つあります。バリュエーションが非常に高い企業が市場をほぼ独占している場合、その立場を維持できそうなのか、そして、長期的に非常に高い利益を挙げられるのか、ということが問われます。
  • では、調整リスクにどのように対処すべきでしょうか? ケットナーは、ほぼ100%を株式に投資する戦略を取っています。そのため、より高い流動性やその他の資産クラスを保有することはできません。リスク低減のために、ケットナーはいわゆるバーベル戦略を活用しています。バーベルの片側には、テクノロジーセクターやAIセクターの企業を配置します。もう片側には、例えばヘルスケアセクターや消費財など、面白味には欠けても、予想可能なビジネスモデルを有している資産クラスを配置します。穏やかではあるものの、安定的で予想可能な成長見通しと、良好な利益率を持った企業がこれらのセクターには複数存在しています。このような企業は、危機時にも利益を生み出せる可能性があると考えられています。
  • 「危機の時でも、歯磨き粉を買わざるを得ないですし、コーヒーを飲むし、病気になれば治療を受けるでしょう」と、ケットナーは論じています。今後のリターン見通しについて、ケットナーはかなり慎重な見方をしています。リターンは過去数年をやや下回る可能性があります。全体としてみれば、企業収益の動向が今後を決定付けるでしょう。ケットナーは、「投資家は欲張りすぎてはいけないでしょう」と論じています。

企業におけるAI利用は鈍化しつつある

過去2週間で製造プロセスにAIを利用した企業の割合

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出所:米国国勢調査局「Business Trends and Outlook Survey (BTOS)」2023~2025年、2025年9月30日時点

 

米国株式

うまく巻き返してきた - 企業収益が今後を決定づけるか

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  • 米国株式は長期にわたって後れを取っていたが、テクノロジー銘柄に牽引されて上昇しており、少なくとも米ドル建てでは欧州市場に追いついてきた。
  • AIの幅広い導入に向けたトレンドは依然として底堅いと見込む。米国株式はすでに非常に強気のバリュエーションになっており、とりわけ、さらなる利益拡大が一段の上振れ余地のカギとなる。バリュエーション差の拡大はむしろ上振れの足かせとなりうる。

 

ドイツ株式

勢いが先細り、バリュエーションが高い

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  • ドイツの主要株式指数であるDAX指数は、25,000ポイントの節目を易々と超えそうな勢いを見せていたが、この数週間でその勢いをやや失った。
  • ドイツ大企業は、欧州企業と比較するとバリュエーションのプレミアムがある。さらなる大幅な株価上昇には、企業の利益改善が必要となる。

 

欧州株式

欧州中小型株式にさらなる巻き返し余地

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  • 欧州企業の収益は、ユーロ高を受けて圧力にさらされることになろう。この事実にもかかわらず、今後数年、我々は1株当たり利益率が1桁台後半で推移すると予想している。
  • 我々は引き続き、欧州中小型株式には巻き返し余地があると見ている。欧州中小型株式は、特に景気刺激策や内需拡大から恩恵を受けられるだろう。

 

日本株式

世界経済成長に大きく左右される

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  • 日経平均株価は年初来20%上昇し、高市早苗氏の自民党総裁選出を受けてさらに大幅上昇した。
  • 輸出志向の強さと国際的なサプライチェーンを有していることから、日本は世界経済成長の主要な指数となっている。短期的には、さらなる株価上昇余地はかなり限定的。ただし、内需、改革、史上最高額の自社株買いなどは、プラスの影響をもたらすと我々は見込む。

#3 不動産/債券

「特定のセクターへの参入に魅力的な水準と見込む」

 
  • 欧州不動産市場はこれまで大幅な価格調整に見舞われ、不動産価格は約25%下落しました。一方足元では、鑑定評価ベースの不動産指数も取引ベースの不動産指数もプラスに転じています。現在すでに好適なエントリーポイントなのかそれとも価格調整はまだ続くのかという点についてはいかがでしょうか?「我々は特定のセクターについてはすでに参入に魅力的な水準だと見ています。堅調なファンダメンタルズによって不動産市場の回復は引き続き下支えされるでしょう。
  • 全体として見れば、需要は拡大しています」と、不動産専門のポートフォリオ・マネジャーであるアンケ・ヴァインライヒは述べています。市場の流動性がかなり低いことから、特にオフィスビルの大型取引について大幅な価格ディスカウントが見られます。「そのため、セクターや市場によっては長期的な適正市場価値を下回る価格で購入できる投資機会が生じていると見ています」。賃貸住宅セクターは依然として新規の供給が非常に限定的であり、それを上回るペースで需要が伸びていることから、ヴァインライヒはこのセクターに投資機会があると見ています。
  • 物流セクターもこれまで通り引き続き魅力的です。欧州全体のインフラや防衛産業への投資拡大は長期的な成長につながると考えられますが、物流セクターはこの点から特に恩恵を受けると見込まれるためです。ただし、国際貿易に関する不透明感が高まっており、足元でプロジェクト完了数も増えていることから、物流セクターは是々非々で見極めていく必要があるでしょう。オフィスビルのセグメントの中でも、特に高品質な物件は有望とみられます。多くの市場において、好立地におけるプライム物件は依然として不足しているためです。
  • 国債との比較で、オープンエンド型の不動産ファンドの見通しについて 「我々は、低いボラティリティでより高い投資リターンを達成するよう努めています」とヴァインライヒは述べています。ドイツ投資信託協会(BVI)が発表している過去10年のデータを見てもこれが実証されていることが分かります。この10年間、オープンエンド型の不動産ファンドのリターンのボラティリティは1.1%で、平均パフォーマンスは年2.1%でした*。同じ期間、長期ユーロ債券ファンドのボラティリティは6.6%で、平均パフォーマンスは年マイナス0.2%でした*。
*出所:ドイツ投資信託協会(BVI)投資統計、2025年8月末時点

米国国債(10年物)

短期年限国債との利回り差は拡大する見込み

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  • 10年物米国国債の利回りは、足元で上昇し始めた。
  • 中期的には、FRBによる利下げが見込まれているため、短期年限国債との利回り差は拡大すると我々は見込む。

 

ドイツ国債(10年物)

小幅な価格下落が見込まれる

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  • ドイツ国債に対する海外投資家の需要が高まっている。
  • よって、過去数カ月間で利回りが若干上昇したが、我々はこれは続かないと想定している。

 

新興国ソブリン債

魅力的なリターンがあるが、リスクプレミアムも上昇する可能性がある

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  • 新興国ソブリン債は、トータルリターンが高いことから人気がある。
  • ただし、先進国の国債との利回り差は小さい。我々は利回りの小幅な上昇を予想。

 

社債

 

#4 通貨

米ドルはユーロに対して依然として弱含む

  • FRBによる利下げ予想と、それに伴う利回り差の縮小を受けて、米ドルはユーロに対して引き続き弱含むと我々は想定。
  • 多くの投資家が米ドルへの依存度を何とか減らしたいと考えており、この動きがユーロの追加的な下支えになっていると見られる。我々の2026年9月のユーロ/米ドルの予測は、1ユーロ=1.20米ドル。

#5 オルタナティブ資産

金:急激な価格上昇で史上最高値を記録 - 米国の金融政策が思惑通り動かなければ調整のリスクが見込まれる

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  • 金価格は初めて1トロイオンスあたり4,000米ドルを上回り、年初来50%超上昇してきた。2025年に銀価格は59%上昇しており、金のパフォーマンスを凌いでいる。
  • 米国の追加利下げ期待が主な原動力となっており、債券に対する金の相対的な魅力を高めていると見られる。しかし、期待通りインフレが落ち着かないなど、思惑通りにいかなければ、金価格は圧力にさらされる可能性がある。

凡例

短期および長期見通し

指標は、DWSが当該資産クラスに関して上昇、横ばい、または下落の見通しを示しています。
短期的見通しは1~3カ月、長期的見通しは2026年9月までの収益可能性を示しています。
出所:DWSインベストメントGmbH CIOオフィス、2025年10月8日時点

 

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  • 収益がプラスになる可能性
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  • 収益機会と損失リスクは いずれも限定的

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  • 収益がマイナスになる可能性

 

データや見通し等は記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。

Market outlook 2025年10月号
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当資料は、信頼できる情報をもとにDWSインベストメントGmbHが作成し2025年10月13日に発行したものをドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が翻訳して提供しておりますが、正確性・完全性についてドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が責任を負うものではあり
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