i

重要なお知らせ:DWSを騙った投資勧誘に関するご注意

現在、DWSの商標および社員名を不正に使用した詐欺行為が、インターネットおよびソーシャルメディア(SNS)上で確認されています。これらの詐欺は、偽のウェブサイト、モバイルアプリ、Facebook、WhatsAppなどを通じて行われています。
DWSは、Facebook上のアンバサダーアカウントやWhatsAppでの公式チャットを一切運営しておりません。DWSを名乗る不審な連絡(電話、メッセージ、メールなど)を受け取った場合は、十分にご注意いただき、金銭の支払いや個人情報の提供は絶対に行わないでください。
不審な活動を発見された場合は、関連資料および詐欺メールの原文を添えて、info@dws.com までご報告ください。また、被害に遭われた可能性がある場合は、速やかに最寄りの警察などの関係当局にご相談ください。

DWSの見通し|2025年9月

2025/09/24

「今後12カ月間のグローバル株式市場では、現地通貨建てで約7%のトータルリターンを達成することも十分可能でしょう」と、DWSのチーフ・インベストメント・オフィサーであるヴィンチェンツォ・ヴェッダはは述べています。

DWS_2020_09_21_Vincenzo_Vedda_Vorauswahl-5753.jpg

Vincenzo Vedda

ヴィンチェンツォ・ヴェッダ

Porträtfoto, Madeleine Ronner

Madeleine Ronner

マドレーヌ・ロナー

Portrait Christoph-Arend Schmidt

Christoph Schmidt

クリストフ・シュミット

Klaus Kaldemorgen

クラウス・カルデモルゲン

Employees walking to work in the city at sunrise

目次:

#1  市場とマクロ経済

「バリュエーションの高さはリスクを示すが、株式売却のシグナルというわけではない」

 
  • 利益成長の拡大と金利の低下という2つの要素は、株式市場の見通しにポジティブに働くでしょう。「我々は今年と来年の企業収益がグローバル全体で7~11%拡大すると予想しています」と、DWSのチーフ・インベストメント・オフィサーであるヴィンチェンツォ・ヴェッダは述べています。「今後12カ月間のグローバル株式市場では、現地通貨建てで約7%のトータルリターンを達成することも十分可能でしょう」。では、すべてが良好だと言えるのでしょうか?株価が上昇を続ける中、投資家は気楽に構えて傍観していてよいのでしょうか?そうではありません。状況は曖昧であり、リスクがないわけではありません。
  • まず、特に米国株式市場でバリュエーションが高くなっています。「バリュエーションの高さは株式売却のシグナルというわけではありませんが、やはりリスクを示すものと言えるでしょう」とヴェッダは続けています。S&P500種株価指数の株価収益率(PER)は24倍であり、バリュエーションは1999年の水準に近付きつつあります。しかし、現在の市場参加者の行動を左右しているのは、乗り遅れに対する懸念です。特にテクノロジーセクターでは、バリュエーションの高い企業が驚異的な成長スピードを維持できなければ、株価は急落する可能性があります。
  • 次に、市場はかなり集中しています。S&P500種株価指数の時価総額の40%は、構成銘柄の上位10企業で占められています。さらに、いまだに終息していない地政学的なリスクは株式市場に大きな影響を及ぼしています。金価格は年初来33%も上昇し続けており、投資家がこういったリスクを意識していることを明らかに示していると見られます。
  • 長期年限の国債の利回りが一部で非常に高くなっているのも慎重さの表れです。さまざまな国の高い公的債務水準にも投資家はいっそう批判的な目を向けています。ヴェッダは次のように述べています。「このような状況において、経済や地政学の大きなサプライズさえなければ、我々は株価が一段と上昇する可能性があると予想しています」。株価の大きな牽引役の1つが人工知能(AI)の活況です。この分野についても、誇張されている可能性は否定できません。「AIの一般利用はごく初期段階であるため、我々はこのトレンドの買いを推奨していません」とヴェッダは結論付けています。

資本市場を牽引するトピックス

 

経済:世界中で関税が足かせになる可能性

  • 米国の経済成長は関税によって下押しされかねない。米国の国内総生産(GDP)の伸びは、2025年は1.5%、2026年は1.3%にとどまると我々は予想しているが、ボトムアウトしつつある。
  • ユーロ圏の経済成長も関税の影響を受けるだろう。我々のユーロ圏の2026年の経済成長率見通しは1.1%(2025年は1.3%)。ドイツの経済成長率見通しは1.2%(2025年は0.3%)。中国経済も圧力にさらされるだろう。2026年の経済成長率は平均を下回る4.2%となろう(2025年は4.8%)。

インフレ:米国の関税が圧力となり、ユーロ圏のインフレは2%目標を下回る見込み

  • インフレは依然として、そして当面の間、米国にとって大きな課題となるだろう。関税によるマイナスの影響が徐々に感じられるようになる。我々の2025年と2026年のインフレ予想は3.0%。
  • ユーロ圏のインフレは引き続き低下傾向であり、2026年にもインフレ目標である2.0%を達成する可能性がある(2025年は2.1%)。

中央銀行:米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げに舵を切る可能性がある

  • 労働市場の弱含みを受けて、今後12カ月のうちにFRBは主要金利の引き下げをせざるを得なくなる可能性がある。我々は、5回の利下げを通して2026年9月の主要金利を3.25%と予想。
  • ユーロ圏の利下げサイクルはおおむね終了したと言えるが、インフレ率の低下と経済活動の低迷を受けて、欧州中央銀行(ECB)は1.75%まで、もう1回利下げする可能性があると我々は見ている。

リスク:関税の引き上げと米国におけるインフレ率の上昇によって、2026年の世界経済の行方は不透明を増す可能性がある

  • 米国政権が火をつけた関税論争が一段とエスカレートすることになれば、来年の世界経済成長がさらに冷え込む可能性がある。
  • 米国のインフレ動向もリスクの1つ。インフレ率が予想より高ければ、FRBによる利下げ余地は縮小され、よって経済成長の勢いが削がれることにつながる可能性がある。

#2  株式

防衛関連銘柄が株価上昇しており、一部は引き続き有望と見込む

 
  • ロシアによるウクライナ侵攻は終わりが見えず、欧州にとっての危機シナリオは一概に非常に高まっています。また、米国政権は基本的な軍事支援の見直しを一段と進めようとしています。こういった要因を受けて、金融市場は防衛という話題にも注目するようになってきました。欧州の防衛銘柄の株価は急上昇してきました。「実際のところ、12カ月前には防衛関連のどの銘柄を買っても市場に勝つことができました」と、ポートフォリオ・マネジャーのマドレーヌ・ロナーは述べていますが、この段階は既に終わっています。
  • 見通しは依然として概ねポジティブですが、一方で銘柄選定の重要さが増しています。現在、成長余地がある企業や、成長が始まる時期を見極めるために、明確な評価が非常に重要になっています。たとえば、サイクルの長い企業への投資であれば、2027年まで実質的な利益を得られない可能性があります。
  • 長期的な見通しが依然として堅調であっても、そういった企業には短期的な失望の可能性があります。時価総額の大きい伝統的な勝ち組以外では、DWSのロナーはより規模の小さい企業に対する投資機会が高まっていると見ています。
  • 特にアクティブなポートフォリオ運用にメリットがあり、市場に勝つことができるでしょう。投資ユニバースが比較的小さいこともアクティブ運用を支持するもう1つの理由です。特に欧州に注目するとユニバースは小さくなります。投資できる企業数が25社から30社というのはかなり限られています。よって、インデックスファンドの多くはかなり集中しており、その結果、個別株式のリスクが非常に大きくなっています。
  • バリュエーションが高いことからも、慎重な銘柄選別は必須です。このセクターに対応した指数であるMSCIヨーロッパ宇宙航空・防衛関連指数の現時点の株価収益率(PER)は27倍で、これは2026年の予想収益に基づくものです。今のPERは過去10年の平均PERの18倍を大幅に上回っています。ただし、いくつか考慮すべき要素があります。NATO加盟国は2035年までに国防費を引き上げることになっており、2026年以降、この取り組みによって経済成長が大幅に押し上げることになるでしょう。この点は一部既に市場で織り込まれています。
  • DWSのロナーは次のように述べています。「株価は一見するとかなり高くなっているように感じられます。しかし、現在の経済成長見通しを踏まえると、こういったバリュエーションまで問題なく成長する可能性があるでしょう」。やはり、適切な銘柄の選定が好適な投資機会を生み出すことになるでしょう。

 

米国株式

上昇基調の企業収益がさらなる株価上昇の余地を生む見込み

orange green - en (3).png

  • 米国株式には若干の上振れ余地が残っていると見られる。企業収益成長が2桁台前半であることと、金利低下への期待もあることがその理由。リスクは、企業収益が予想通り伸びないこと、または、予想以上に利回りが上昇することなど。
  • 我々は2026年9月のS&P500種株価指数の目標株価を6,100ポイントから6,800ポイントに引き上げた。

 

ドイツ株式

期待されている景気敏感銘柄の回復によって追加的な追い風が生まれる可能性がある

orange green - en (3).png

  • ドイツの主要銘柄で構成される指数は年初来約20%上昇し、最大のパフォーマンスを挙げた市場の1つとなった。新興国の指数を若干上回り程度だが、S&P500種株価指数を明らかに上回っている。2026年の経済成長の加速と、2桁台が期待されている利益成長によって株価はさらに押し上げられる可能性がある。さらに、苦戦中の自動車セクターも回復し始める可能性がある。
  • 我々の2026年9月のDAX指数の目標株価は25,900ポイント(以前は25,600ポイント)。

 

欧州株式

とりわけ中小型株が有望か

orange green - en (3).png

  • 我々は依然として欧州株式に対して前向きで、他の地域に対するオーバーウェイトを続ける。欧州株式は景気刺激策に下支えされており、依然として米国株式と比較したバリュエーションディスカウントは高い。中小型株のポジティブなトレンドは続くだろう。
  • 我々のストックス欧州600指数の目標株価は、以前の570ポイントより若干高い575ポイント。

 

新興国株式

選択的な投資機会が存在 – 我々の選好地域は中国

orange green - en (3).png

  • 新興国ではEコマース、スポーツウェア、Eモビリティといったセクターの多くの企業が米国の同種企業をアウトパフォームしてきた。我々は特定の消費財とテクノロジー企業に対して前向き。
  • 中国経済は驚くほどの底堅さを見せており、投資地域として我々は引き続き中国を選好する。

#3 マルチアセット/債券

米ドルのリスクが過少評価されている – 賢明な分散投資が必須

 
  • 「企業においては透明性と信頼性が不可欠である」というのは、一般的に受け入れられている考え方でしょう。現在の米国政権による政策は、さまざまな点で正反対と言えるでしょう。つまり、不透明で場当たり的なものであることが多いのです。
  • 株式市場はどのような影響を受けているでしょうか?少なくとも一見すると影響はかなり限定的なようです。トランプ大統領の関税政策や、米連邦準備制度理事会(FRB)に対する攻撃のために混乱が続いていますが、それにもかかわらず、S&P500種株価指数は年初来約10%上昇しました。しかし、少なくともユーロ建ての投資家にとっては、物事は必ずしも順調に運んでいません。2025年の初めからの米ドルの大幅な下落によって、ユーロ建ての投資家は株価上昇分の利益をすべて失いました。
  • グローバルな指数に投資し、幅広く分散投資していると考えている投資家にとってさえも、米ドルリスクは非常に甚大です。たとえば、MSCIワールド指数の70%は米ドル建てになっているのです。よって、年初来ドル建ての株価上昇は14%になりますが、ユーロ建てにするとわずか1.4%の上昇にとどまります。「ユーロ建ての投資家にとって、米ドルは安定をもたらすものから潜在的なリスク要因に変わりました」と、投資戦略マルチアセット責任者のクリストフ・シュミットは述べています。「このような理由から、我々は自身の戦略における米ドルのウェイトを大幅に引き下げています」。米国株式のウェイトも2025年第1四半期に引き下げられました。
  • ただし、米国テクノロジー株式に関して、シュミットはポートフォリオに不可欠な安定をもたらすという、他にはない特徴があると見ており、選好しています。その代わり、米国債券の割合を大幅に引き下げ、投資適格の欧州社債の割合を増やしています。意外かもしれませんが、経済成長が低迷しているにもかかわらず、株式市場は良好なパフォーマンスを挙げ、それに伴ってバリュエーションが高くなっている、という事実ももう1つの側面です。
  • ポートフォリオ・マネジャーのクラウス・カルデモルゲンは、金利が経済成長を凌いでいるからだと説明しています。デジタル関連のビジネスモデルに流入する資金は増加しています。典型的なテクノロジー銘柄だけではなく、消費財、資本財、金融といったセクターのプラットフォーム企業のビジネスモデルも含まれます。こういった企業は全般的な経済成長に左右されにくく、金利の低下という有利な金融環境の影響を受けます。現時点で市場はこの点を織り込んでいるため、株価が上昇し続けているのでしょう。

米国国債(10年物)

利回りの若干の下落を予測

orange green - en (3).png

 

  • FRBは今後12カ月で金融政策を緩和すると考えられており、10年物米国国債の利回りは若干低下すると予想される。
  • 我々は2026年9月までの利回りを4.25%と予想する。

 

ドイツ国債(10年物)

需要が高い – 利回りは若干低下する見通し

orange green - en (3).png

 

 

  • グローバル投資家は10年物ドイツ国債に非常に興味を持っている模様。
  • 我々は2026年9月までに利回りが若干低下して2.60%になると予想。

 

新興国ソブリン債

魅力的なトータルリターンは高いリスクに見合うか

orange green - en (3).png

 

 

  • 新興国ソブリン債はトータルリターンが魅力的であるため、引き続き高い需要があるだろう。
  • しかし、利回り差は若干広がる可能性がある。

 

社債

 

#4 通貨

ユーロ/米ドル:米ドルのユーロに対する下落は続く見込み

  • 米ドルは依然として弱含み、ユーロに対して下落が続くが、2025年の初めからの下落ほどにはならないだろう。米国で予想されている利下げがその理由である。また、グローバル投資家のさらなる米ドル離れが見込まれる。
  • 我々の2026年9月のユーロ/米ドルの予測は、1ユーロ=1.20米ドル。

#5 オルタナティブ資産

金:依然として魅力的だが価格上昇の勢いは失われつつあるか

orange green - en (3).png
  • 安全な避難場所として金にはさらなる需要があるだろう。米国の金利低下、米ドルの下落、インデックスファンドからの持続的な高い需要などが下支えになるだろう。ただし、年初来経験してきた価格上昇の勢いは失われるだろう。
  • 今後12カ月間の我々の金価格の予想は1トロイオンスあたり3,800米ドル。

凡例

短期および長期見通し

指標は、DWSが当該資産クラスに関して上昇、横ばい、または下落の見通しを示しています。
短期的見通しは1~3カ月、長期的見通しは2026年9月までの収益可能性を示しています。
出所:DWSインベストメントGmbH CIOオフィス、2025年9月5日時点

 

green green - en (3).png
  • 収益がプラスになる可能性
orange orange - en (1).png
  • 収益機会と損失リスクは いずれも限定的

red red - en (2).png
  • 収益がマイナスになる可能性

 

データや見通し等は記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。

Market outlook 2025年9月号
PDFのダウンロードはこちら

ご留意事項

当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。

当資料は、信頼できる情報をもとにDWSインベストメントGmbHが作成し2025年9月9日に発行したものをドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が翻訳して提供しておりますが、正確性・完全性についてドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が責任を負うものではあり
ません。

当資料記載の情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。市場や経済に関するデータや過去の運用実績は記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。投資にはリスクが伴います。価格変動等により、当初投資元本を割り込むことがあります。

当資料に記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として記載したものであり、その銘柄または企業の株式等の売買を推奨するものではありません。

当資料に関する著作権はすべてドイチェ・アセット・マネジメント株式会社に属しますので、当社に無断で資料の複製、転用等を行うことはできません。直接または間接を問わず、当資料を米国内で配布すること、および米国市民または米国に居住する人のアカウントへ送信することは禁止されています。

DWSとは、DWSグループGmbH & Co. KGaA およびその子会社・関連会社の世界共通ブランドであり、DWSグループ会社の総称です。DWSの商品やサービスは、契約書、合意書、提案資料または該当商品やサービスの関連書類に明記された法人よりお客様へ提供されます。

投資環境動画