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DWSの見通し|2025年8月

2025/08/26

「リスクの高い状況の中、慎重さを保ちつつ楽観的なムードが広がっています」と、DWSのチーフ・インベストメント・オフィサーであるヴィンチェンツォ・ヴェッダは現在の市場心理を説明しています。

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Vincenzo Vedda

ヴィンチェンツォ・ヴェッダ

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Philipp Schweneke

フィリップ・シュヴェネケ

Per Wehrmann

パー・バーマン

Employees walking to work in the city at sunrise

目次:

#1  市場とマクロ経済

市場は現在、「あらゆる可能性の中で最高の世界」を想定している

 
  • 「リスクの高い状況の中、慎重さを保ちつつ楽観的なムードが広がっています」と、DWSのチーフ・インベストメント・オフィサーであるヴィンチェンツォ・ヴェッダは現在の市場心理を説明しています。米国株式のバリュエーションが高まっていますが、そのプラスの面から見ていきましょう。過去数年間、市場はほぼ「マグニフィセント・セブン」のみによって動いており、それ以外の銘柄はマイナーな存在でしかありませんでした。しかし、今年の勝ち組銘柄はよりバランスが取れています。
  • 「バランスの改善は確実にプラスとなるでしょう」とヴェッダは述べています。ただし、この点以外では慎重さが求められる要因がいくつか存在しています。市場が期待していた財政刺激策は思い通りには実現しませんでした。今後の公的債務が重荷になるという考え方が広まっています。S&P500種株価指数構成銘柄の企業収益は、テクノロジーと金融セクターを除き、失望となる可能性が高いでしょう。株式市場だけではなく社債のバリュエーションは高い期待を反映しているため、失望の余地はほとんど残されていません。
  • つまり、失望が迫ると、株価も債券価格もただちに下落する可能性がある、ということです。債券市場についてヴェッダは次のように述べています。「米国とユーロ圏について、我々は債券価格の上昇、つまり、利回りの低下を見込んでいます。短期年限の国債についても、長期年限の国債についても、同じことが言えます」。直近の米国労働市場のデータがあまり冴えなかったため、米連邦準備制度理事会(FRB)は結局近いうちに利下げせざるを得なくなる可能性があります。海外投資家にとって米国国債の魅力がなくなった、と断じてしまうのは時期尚早であるとも我々は考えています。ユーロ圏では、米国とロシアの衝突がエスカレートする可能性や関税にまつわる不確実性、貿易摩擦といった要因で、欧州中央銀行(ECB)が追加利下げを迫られる可能性があります。

資本市場を牽引するトピックス

 

経済:ユーロ圏は比較的底堅く、米国は第1四半期の前倒し需要の効果により経済が回復

  • ユーロ圏の年換算経済成長率は1.6%で、2025年上期は堅調さを見せた。再びスペイン経済が特に堅調で、第2四半期の経済成長率は0.7%。
  • 米国の第2四半期の経済成長率は3%。第1四半期には関税回避のための前倒し輸入の効果があり、それに伴って第2四半期の輸入は減少する見込み。このような理由から、国内総生産(GDP)は押し下げられるであろうと想定。

インフレ:米国の関税が圧力となり、ユーロ圏のインフレは2%目標を下回るであろう見込み

  • 7月のドイツのインフレ率は2.0%で、フランスやイタリアより大幅に高かった。プラスの季節要因にもかかわらず、食品価格は6月の2.0%から7月には2.2%に上昇した。サービス分野の物価上昇は、6月の3.3%から7月には3.1%となり、やや鈍化した。
  • 我々は、ユーロ圏のインフレ率は下半期には2%の節目を下回ると予想している。米国では関税によってインフレ率が押し上げられる可能性がある。直近のインフレ率は前年比2.8%上昇した。

中央銀行:FRBは依然として高水準の金利を維持か

  • 7月末にFRBは金利を4.25~4.50%に据え置き、トランプ米国大統領には失望となった。労働市場のデータが足元で弱含んだことを受けて、市場は9月の利下げを予想している。
  • ECBはこれまで複数回の利下げを実施し、現在の金利水準は2.0%になったが、現在は利下げを一時停止している。我々は2026年6月までに1回の利下げを見通している。

リスク:関税による混乱はまだまだ終わりそうにない

  • トランプ大統領の関税政策は混乱を引き起こし、予測不可能である。これが依然として経済成長や株価の足かせとなるリスク要因である。いずれの関税合意においても見通しが立たないためなおさらであろう。
  • 地政学上の問題のさらなるエスカレートは、世界中の市場のダウンサイドリスクとなろう。

#2  株式

ドイツの大企業にも中小企業にも、依然として株価上昇余地が残されている

 
  • 欧州株式、特にドイツの株式は良好な先行きを維持できるのでしょうか?全体として見れば、欧州株式もドイツ株式も、年初来かなり良いパフォーマンスを上げてきました。ドイツの主要銘柄で構成されるDAX指数は特にパフォーマンスが良好で、2025年の初めからおおよそ20%上昇しました。しかし、米国による欧州への関税の発表を受けて株価は若干苦戦しました。ドイツ株式のポートフォリオ・マネジャーを務めるフィリップ・シュヴェネケは、現在高い水準にあるバリュエーションがさらに高まる余地があると見ています。
  • 海外と比較して、DAX指数構成銘柄の多くの企業について質と収益性の観点から見ると、現在のバリュエーションは妥当であると彼は考えています。パフォーマンスの大部分は期待によるもので、ドイツ株式のこの良好なパフォーマンスが続くにはそれなりの理由が存在しています。2018年から2024年にかけて、ドイツのDAX指数は世界のMSCIワールド指数を大幅にアンダーパフォームしてきたため、それに伴って期待も低水準でした。
  • 「バリュエーションがこのまま安定し、市場の収益予想が実現すれば、企業収益によってさらに高い株価水準が下支えされるでしょう」とシュヴェネケは付け加えています。選好はすぐに変わらないとシュヴェネケは考えています。財政刺激策、NATOの予算、米国の関税など、環境に変化が見られないためです。「このような理由から、勝者と敗者に大きな変化はないと我々は想定しています」とシュヴェネケは述べています。
  • ドイツ大企業以外にも一段の株価上昇余地があるとシュヴェネケは見ています。「中小型株も好適な投資機会です。長期間苦戦していましたが、その後すでに年初来良好なパフォーマンスを上げています」とシュヴェネケは述べています。中小型株の一部は、ドイツのインフラ投資、国防費の増額、電力価格の改革といった要因から、大企業以上に恩恵を受けるでしょう。
  • シュヴェネケは、今後数週間は株式市場が小幅な弱含みを続ける可能性があるとして、次の理由を挙げています。1つ目に、株式市場は従来から夏の間に弱含むこと。2つ目に、企業収益の発表は及第点であったもののそれ以上ではなかったこと。そして3つ目に、米国の経済データが冴えないこと。9月中旬以降、投資家は2026年の企業収益予想に注目する必要があるでしょう。「見通しは良好です。景気循環株の大企業や中小企業は利益を上げるでしょう」とシュヴェネケは結論付けています。

 

米国株式

うまく回復したが、不透明感は高い

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  • S&P500種株価指数は4月の急落から完全に回復し、今年の初めから約8%上昇した。
  • 市場は明らかに安定したが、それでも短期的な見通しは依然として不確実。テクノロジーセクターが引き続き指数を支えている。現在の水準から株価上昇余地はほとんどないと我々は見ている。

 

ドイツ株式

優秀なパフォーマンスにもかかわらず、依然として上振れ余地があるだろう

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  • ドイツDAX指数はこの12カ月で38%上昇という目覚ましいパフォーマンスを上げた。ユーロ高によって上半期の企業の利益成長はおそらく数%ポイント押し下げられたが、我々は中期的にさらなる株価上昇余地があると見ている。
  • DAX指数の構成銘柄企業はコスト面にも考慮してグローバルに展開しているため、長期的にはユーロ高に対応できるでしょう。

 

欧州株式

現在米国株式よりも有望か

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  • 欧州ストックス600指数は、回復を遂げたS&P500種株価指数に対してごくわずかにアンダーパフォームしている。
  • しかし、勢いがありバリュエーションがより魅力的であるため、我々は現時点で米国株式よりも欧州株式を選好する。大企業についても中小型企業についても同じことが言えると見ている。

 

新興国株式

新興国も地政学上の不透明感から打撃を受けている

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  • 地政学的な状況は依然として緊張しており、米国の関税政策は引き続き大きなリスクである。新興国は特に米中関係から影響を受けると見ている。
  • 不確実な要因が複数存在しているものの、中国は依然として注目すべき市場のひとつ。ただし、我々は引き続き慎重でかなり絞り込んだ投資をしている。

#3 債券

ハイ・イールド債券:リスクプレミアムがかなり低い - 慎重な銘柄選択が必須

 
  • 「欧州ハイ・イールド債券は現在、平均約5%のリターンを生んでいます」と、ポートフォリオ・マネジャーであるパー・バーマンは述べています。一見すると良好なパフォーマンスのようですが、ここでは銘柄選択がカギになります。過去を振り返ると、長期的な比較において5%はそれほどのリターンではありません。国債との利回り差は現在300ベーシスポイントを下回っています(100ベーシスポイント=1%)。
  • この理由として、債券の多くについて平均年限が相対的に短いことと、該当する指数1 に上場している債券の60%以上がハイ・イールド債券セクターで最高となるBB格付けを得ており、格付けが比較的良好であることが挙げられます。バーマンによると、現在、特にこのセクターの利回り差はかなり小さく、よって、リスクを十分に織り込んでいません。CCCといった格付けの低いハイ・イールド債券については、状況はやや異なります。高いリスクはそれに伴う高いリターンによって報われています。該当する指数2の平均リターンは約13.5%です。
  • 投資家にとってもうひとつ重要な要素は債券の年限です。現在、年限の違いによる利回り差は非常に小さくなっており、つまりこれは、長期年限債券についてリスクが適切に報われない、ということを意味します。バーマンは 「リスク/リターンの関係がより魅力的なことから、我々は短期年限債券を選好します」と述べています。

1 ICE BofA Euro Non-Financial High Yield Constrained Index
2 ICE BofA CCC & Lower Euro High Yield Index

金価格上昇がさらにETF投資家を引き寄せる

金価格の動向と金ETF残高

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出所:Bloomberg Finance L.P.、DWSインベストメントGmbH、2025年7月31日時点

米国国債(10年物)

利回りは引き続き若干低下する可能性

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  • 足元で10年物米国国債の利回りはやや低下している。
  • 我々は引き続き、利回りは若干の低下トレンドになると予想している。

 

ドイツ国債(10年物)

債券価格は上昇する見通し - 利回りは低下トレンド

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  • 10年物ドイツ国債の利回りは足元で若干低下した。
  • グローバル投資家からの需要の増加とECBによる追加利下げといった要因が、リターンの重荷として続く可能性がある。

 

新興国ソブリン債

リスクの増加はリターンの上昇で埋め合わされるであろう

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  • 新興国ソブリン債の利回り差は若干拡大するだろう。
  • 相対的に金利が高いため、リスク/リターンプロファイルは引き続き有望の見込み。

 

社債

 

#4 通貨

ユーロ/米ドル:あらゆる兆候が米ドルの継続的な下落を示す

  • 米ドルの下落は足元で加速はしていないが、終息してもいない。グローバル投資家が引き続き米ドルのポジション縮小を進め、ユーロに流れているためであろう。
  • しかし、米ドルが国際準備通貨でなくなるという見方に我々は賛同していない。短期間のうちに国際準備通貨の役割を担えるような他の通貨は存在しないと我々は見ている。

#5 オルタナティブ資産

金:この危機の状況において数少ない勝者

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  • 金は輝きを維持しており、年初来24%上昇した。
  • 政治的な不確実性で需要が引き続き押し上げられるだろう。たとえば、中国人民銀行は金準備を計画的に積み上げている。金ETFへの資金流入も引き続き衰えていない。我々は2026年6月まで金価格にはさらなる上昇余地があると見ている。

凡例

短期および長期見通し

指標は、DWSが当該資産クラスに関して上昇、横ばい、または下落の見通しを示しています。
短期的見通しは1~3カ月、長期的見通しは2026年6月までの収益可能性を示しています。
出所:DWSインベストメントGmbH CIOオフィス、2025年8月7日時点

 

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  • 収益がプラスになる可能性
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  • 収益機会と損失リスクは いずれも限定的

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  • 収益がマイナスになる可能性

 

データや見通し等は記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。

Market outlook 2025年8月号
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ご留意事項

当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。

当資料は、信頼できる情報をもとにDWSインベストメントGmbHが作成し2025年8月11日に発行したものをドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が翻訳して提供しておりますが、正確性・完全性についてドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が責任を負うものではあり
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