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DWSの見通し|2025年7月

2025/07/25

何も起こっていないかのように振る舞う― 米国株式はここ数週間で見事な復活を遂げ、年初から驚異的な上昇を記録しています。

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Vincenzo Vedda

ヴィンチェンツォ・ヴェッダ

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目次:

#1  市場とマクロ経済

徹底した分散投資を - いつ市場の調整が起きてもおかしくない

 
  • あたかも何も起こらなかったかのように、米国株式はこの2~3週間で目覚ましい回復を遂げ、年始以来の大幅な上昇を記録しました。欧州株式に完全に追いつくまでになっています。「さらなるマイナスのサプライズがなければ、このポジティブな市場の勢いは当面続く可能性があります」と、DWSのチーフ・インベストメント・オフィサーであるヴィンチェンツォ・ヴェッダは述べています。ただし、近い将来に市場が大幅な調整を受ける可能性はあります。結局のところ、幅広く存在しているリスク要因が突然なくなったわけではないためです。
  • むしろその逆で、トランプ大統領の減税・歳出法案、いわゆる「大きくて美しい法案」によって米国の財政赤字は拡大し、長期金利は上昇することになるでしょう。関税も完全に解決したわけではなく、インフレ率の上昇を招くか、あるいは、経済成長が冷え込むとインフレの抑制につながる可能性があります。甚大な地政学的リスクも追加要因です。こういったかなり不安定で、非常に混乱した状況を受けて、株式だけでなく社債のリスクプレミアムもすでに驚くほど低くなっています。「小さな失望であっても、市場は再度調整される可能性があります」とヴェッダは警戒しています。ただし、決算発表シーズンが期待を上回ることになれば、または、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ時期が早まるか、利下げ幅が大きくなることを市場が織り込めば、この調整は起きないでしょう。
  • テクノロジー企業と金融機関以外の第2四半期の企業収益はさらに下方修正されるとヴェッダは見通しています。「この環境において、我々は引き続き幅広く分散投資したポートフォリオを推奨します」と\ヴェッダは述べています。ユーロ建の投資家は米ドルのパフォーマンスにも目を配るべきでしょう。米ドルの下落によって、米国株式のプラスのリターンは帳消しになり、ユーロ建ではほぼゼロになっています。

資本市場を牽引するトピックス

 

経済:米国消費者の不安が高まっている

  • 米国からの警鐘として、全米産業審議会による消費者信頼感指数は大幅に悪化した。労働市場の動向についても、米国民の不安が高まっている。
  • ユーロ圏には穏やかな経済成長の兆しがある。企業心理を示す最も重要な指標である購買担当者景気指数は、若干プラスの領域にある。

インフレ:米国は依然として緊張状態にある一方、ユーロ圏の圧力は大幅に低下

  • 関税、賃金圧力の高まりにつながりかねない移民法の厳格化、減税といった要因によって、米国のインフレ率は上昇する可能性がある。よって、FRBは利下げの話題に消極的。
  • 反対に、ユーロ圏では引き続きインフレ率の低下が続いている。よって、サービス分野のしつこい物価上昇は落ち着き始める見込み。エネルギー価格の低下とユーロの上昇も、インフレ抑制の追加要因となっている。

中央銀行:FRBは引き続き政治からの圧力に抵抗

  • FRBに対するトランプ大統領からの利下げに対する圧力が高まっている。それにもかかわらず、FRBは今後出てくるデータに沿って慎重に動くと我々は考えている。
  • 欧州中央銀行(ECB)はすでに利下げについて先行している。ユーロ高が続くことになれば、利下げの余地がさらに拡大することになる。

リスク:政治的な状況のエスカレート、インフレ、利上げ

  • 米国の政治状況は不透明感が高く、地政学的な危機も続いている。これを受けて、信頼できる見通しを出すのは非常に難しくなっており、予想の精度が半減する期間は通常より短くなっている。
  • 地政学的なリスクがエスカレートし、米国のインフレによって社債との利回り差が大幅に拡大すれば、債券市場が不安定な状況に陥るのはほぼ確実。

#2  株式

アジア: 中国の回復を受けて好適な投資機会

 
  • 常に分散投資は必須であり、株式投資において分散は我々の基本理念です。欧州は確実に考慮すべき地域のひとつですが、アジア新興国はどうでしょうか?一見すると、アジア新興国に対して懐疑的な見方が広がっているようですが、アジアの経済成長率が先進国より引き続き大幅に高いことは事実です。しかし株価を見ると、少なくとも指数レベルでは、アジア新興国は先進国に追いついていません。米国との比較では特に後れを取っています。よって、この10年にわたってアジア地域から資本が引き上げられてきました。「そこで、もう少し詳しく見る必要があるでしょう。2021年以来、MSCIアジア(除く日本)インデックスは中国株式市場の冴えないパフォーマンスで大きく下振れしてきました」と、ポートフォリオ・マネジャーのゼバスティアン・カールフェルトは解説します。反対に、インドやテクノロジーのウェイトの大きい台湾といった市場はグローバル比較でも健闘してきました。
  • アジア地域全体のカギとなる要素は、中国株式市場のパフォーマンスの改善です。カールフェルトは好適な投資機会があると見ており、「我々は近い将来、中国株式がグローバル指数をアウトパフォームする余地があると考えています」と述べています。この楽観の理由として、民間セクターの規制環境が足元で大幅に緩和されたことが挙げられます。政府による経済不振れの打開策があまり実を結ばなかったことを受けて、中国の指導部は現在、民間セクターのイノベーションの力、創造性、生産性に再び注目するようになりましたが、中国においては常に難しい舵取りとなるでしょう。中国企業の成功は、自動車セクターやバッテリー製造、人工知能(AI)分野など全世界が目にしているところですが、カーフェルトはAI分野がさらに急速に成長すると予想しています。有望なバリューションという要素が、こういった実体経済のプラス見通しを補完しています。MSCIワールド指数に対するMSCIアジア(除く日本)指数のバリュエーションのディスカウントは現在30%という高い水準にあり、過去10年平均の23%を大幅に上回っています。カールフェルトは、中国株式と韓国株式が特に有望であると見ています。一方で、インドの株価上昇余地はかなり織り込み済みのようです。

 

米国株式

短期間の上昇を受けて調整は否定できない

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  • 2025年の年始以来、S&P500種株価指数は再び明らかにプラス圏内にある。現在の水準は、我々の2026年6月の目標株価に既にかなり近づいている。
  • 短期間の目覚ましい株価上昇を受けて、我々は現時点で株価調整のリスクが高まっていると見ている。夏期の株式市場の特徴として、概ね横ばいから下落傾向にあるという経験則がその理由のひとつ。

 

ドイツ株式

楽観論がドイツに対する懸念に取ってかわる - 株価上昇余地がいまだ残されている

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  • IFO企業景況感指数に見られる直近の企業心理に示されている通り、ドイツ産業の景況感は依然として底堅い。指数は6回連続で上昇。
  • ドイツのDAX指数だけではなく、国内経済の回復から特に恩恵を受けられるドイツ中小型株にも若干の上振れ余地があると我々は見ている。

 

欧州株式

欧州株式は引き続き青信号

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  • 我々は引き続き欧州株式を選好している。財政支援策に加えて、海外投資家の関心の復活もあって、我々は長期的にさらなる上振れ余地があると考えている。
  • ただしマイナス要素として、政治の変化、関税論争の帰結に対する不透明感、無数にある地政学的リスクがある。

 

新興国株式

今年前半は良好 - 中国は依然として有望

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  • 新興国株式は年初来、素晴らしいパフォーマンスを挙げてきた。MSCIエマージング・マーケット・インデックスは約15%上昇した。
  • アジアの中で中国は依然として我々の選好である。ただし、株価は2025年の初頭以来既に大幅に上昇している。反対に我々はインド株式に対してはあまりポジティブではない。これまでの株価上昇から経験していることだが、バリュエーションが既にかなり野心的になっている。

マルチアセット / 債券

#3 マルチアセット / 債券

「ポートフォリオを過度に集中させるタイミングではない」

 
  • 「現在我々は、不確実性が高く、とりわけ、バリュエーションが非常に野心的になっている状況に置かれています。よって、年末まで、一段と大きな市場のボラティリティに見舞われても投資家は当然のことと考えるべきでしょう」と、DWSのマルチアセット・ストラテジストであるペーター・ヴァルケンは述べています。しかし、単純な 解決策は存在していません。結局のところ、二番目に大きな資産クラスである債券も引き続き魅力的なリターン機会を提供しています。「債券の期待トータルリターンは依然として明らかに魅力的です」とヴァルケンは述べています。たとえば、欧州ハイ・イールド債券のトータルリターンは4.9%です。比較として、DWSが予想している欧州株式の長期的なリターンは6.4%です。
  • しかし、この点においても詳細を見る必要があります。社債との利回り差は歴史的に見て低い水準になっています。米国の財政赤字拡大への手当てに対する世界の備えについて懸念が高まることになれば、米国国債は金利上昇リスク、つまり価格下落のリスクにさらされます。特に、2025年4月以来、米ドルと米国国債の相関が崩れている状況はこの懸念を反映しています。ヴァルケンは、依然として金が魅力的だと考えています。
  • 金は常に、地政学的に不確実性の高い時期において、好適な分散投資先です。ヴァルケンは次のように結論づけています。「現時点で投資家が犯す可能性のある最大の過ちは、ポートフォリオのポジションを集中させることです」。

米国国債(10年物)

若干のリターン拡大しか見込めない

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  • 10年物米国国債の利回りは足元で再び若干上昇したが、依然として2025年の年初の水準を明らかに下回っている。
  • 我々は2026年6月までに利回りは若干上昇して4.50%になると予想。

 

ドイツ国債(10年物)

高い需要がリターンを抑える

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  • 高い需要と欧州中央銀行(ECB)による利下げ予想を受けて、10年物ドイツ国債の利回りは低下している。
  • 現在の水準は、2026年6月末に我々が予想している2.50%にかなり近い。

 

新興国ソブリン債

有利なトータルリターン

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  • 新興国ソブリン債について、我々は若干リターンが高まると予想。
  • トータルリターンが高まるとの予想から、新興国ソブリン債は魅力的。

 

社債

 

#4 通貨

ユーロ/米ドル: あらゆる兆候が米ドルの継続的な下落を示す

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  • 年初来、米ドルはユーロに対して約13%下落している。一時的な値固めは長続きしない。
  • 米ドルは引き続き弱含むと予想される。米国の膨大な双子の赤字に加えて、米国の現政権が弱い米ドルを望んでいるという事実も、この予想の根拠になっている。

#5 オルタナティブ資産

金: 依然として良好な見通し

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  • 我々は金の予想を短期的に「中立」に引き下げた。イスラエルとイランの間の紛争がエスカレートせず、金に関する地政学上のリスクプレミアムが若干低下したため。
  • 長期的に、我々は依然として金に対して前向き。投資家の関心は引き続き高いようで、ETFの金保有も拡大し続けている。追加利下げもさらなる下支え要因になる見込み。

凡例

短期および長期見通し

指標は、DWSが当該資産クラスに関して上昇、横ばい、または下落の見通しを示しています。
短期的見通しは1~3カ月、長期的見通しは2026年6月までの収益可能性を示しています。
出所:DWSインベストメントGmbH CIOオフィス、2025年7月7日時点

 

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  • 収益がプラスになる可能性
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  • 収益機会と損失リスクは いずれも限定的

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  • 収益がマイナスになる可能性

 

データや見通し等は記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。

Market outlook 2025年7月号
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ご留意事項

当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。

当資料は、信頼できる情報をもとにDWSインベストメントGmbHが作成し2025年7月10日に発行したものをドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が翻訳して提供しておりますが、正確性・完全性についてドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が責任を負うものではあり
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DWSとは、DWSグループGmbH & Co. KGaA およびその子会社・関連会社の世界共通ブランドであり、DWSグループ会社の総称です。DWSの商品やサービスは、契約書、合意書、提案資料または該当商品やサービスの関連書類に明記された法人よりお客様へ提供されます。

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